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挑戦をやめたとき敗者になる

えらいたいそうな記事タイトルですが、挑戦と言っても、なにか「スゴいこと」をしないといけないわけではありません。

むしろ、些細なことや他の人にしてみれば「なにそれ?」みたいなことであっても、自分にとって「新しいこと」に着手する、取るに足らないことでも「コツコツ続ける」、ということも、ある意味、挑戦です。

そのお手本のような人、ポーラ (Paula) さんの話を紹介します。

ポーラさんは現在38歳ですが、30歳になるまで、不安や恐怖症など数々の精神疾患を病んで、「自分はまったくの役立たず」(英語で "basket case"という表現を彼女は使っています)だと思っていたそうです。

彼女は、「失敗するのがとにかく怖い」という理由で、何ひとつ試そうとしなかったとか。

ですが、30歳になった時、「このままでは、引きこもり同然の人生を送ることになる」と感じ、それではいかんと一念発起。

で、彼女がまず何をしたかというと、30歳になって初めて、自転車に乗る練習を始めました。

何だ、そんなこと?などと侮ってはいけません。これは、彼女がそれ以来、達成してきた数々の偉業の最初の一歩にすぎません。

そして、この「自転車に乗る」という小さい一歩においても、彼女はものすごい努力をしています。

この記事末にBBCニュースのリンクを添付しておきますので、そこに掲載されている写真を見ていただければわかりますが、ポーラさん、足があざだらけ…。

そして、晴れて自転車に乗れるようになった後、彼女は、トライアスロン、重量あげ、柔道等を含め17種目の競技に参加します。

そして、今とりくんでいるプロジェクトは、イギリスの沿岸を一周する遠泳。それ自体すごい試みですが、ポーラさんの何が凄いって、実は彼女は小さい頃から、水辺に近づくだけでパニック発作をおこす、「水恐怖症」だったんです。

まずは最初の一歩を踏み出してみる

ポーラさんが水泳を練習しだしたのはごく最近です。

最初はプールの浅瀬に足を踏み入れることにすら恐れおののいていたポーラさんですが、たゆまず練習を続けることによって、見事に水恐怖症を克服しました。

そこでとどまらず、彼女があらたに設定した目標がイギリス沿岸一周です。これは総距離1,800マイル(約2,900km)あり、完泳するためには、毎日6時間泳いで5ヵ月かかります。

このプロジェクト開始にあたって、ポーラさんは、「成功してみせます」と語っています。

彼女は、こうした活動を通して、精神疾患への理解を世間に喚起する一方、心を病んでいる人も、それを乗り越え、生き生きとした生活が送れることを証明しようと努めています。

「挑戦し続けること」、それ自体が勝利

ポーラさんは、自ら体をはって新しい事に挑戦し続けるかたわら、BBCのローカルラジオでパーソナリティーやライターとしても活動を広げています。

彼女は、こう言っています。

「『挑戦するのをやめる』、ただそれのみが敗北を意味する」
("the only thing that will make me fail is if I stop trying")

30歳になるまで、失敗を恐れて何かにトライすることから逃げ続けてきたポーラさんですが、心機一転してあえて恐れに立ち向かい、無理と思っていたことを達成してきた彼女だけに、その言葉には重みがあります。

本来、人間は成長し続ける生き物です。
新しいことに挑戦し、学び、それを通して自己改善したり他者を助けたりする能力を、誰しも与えられています。

そうすることを放棄したときに残されているのは、停滞であり、老いです。

逆に言えば、外的・内的要因に屈しない限り、成長し続けられるわけです。
ものごとの結果よりも、むしろ、そうした前向きな態度が、人生での成功だと思います。