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ロンドン襲撃事件で殉職した巡査に学ぶ

先日(2017年3月22日)にロンドンの国会議事堂とその周辺で、テロと思われる襲撃事件がありました。日本でも報道されたと思います。

死者は射殺された犯人を含めて4人ですが、その中に、犯人を制止しようとして刃物で刺され亡くなった巡査がおられます。キース・パルマー巡査 (PC Keith Palmer) という方です。

縦長の警官帽子(Custodian helmet) をかぶったパーマー巡査は、国会議事堂を訪れる観光客にも人気だったようです。気さくに写真におさまるパルマー巡査の姿が、事件後、ネットでシェアされていました。

殉職ということもあり、ロンドン警視庁を筆頭に、慈善団体のいくつかが、残された奥様と幼い娘さん(まだ5歳)のために募金を募ったところ、わずか一両日のうちにロンドン警視庁のもとだけでも £650,000 以上が集まりました。

パルマー巡査の失われた命とは引き換えになりませんが、彼の勇敢な行為は人々の心を打つものがあります。

パルマー巡査の同僚は、「事件の知らせを聞いた時、刺された巡査は彼だろうとすぐに思った。彼は、他の人がしり込みする時に、あえて立ち向かっていくタイプの男だったから」、と話していました。

わが身の危険を顧みず事に当たるというのは、仕事とは言えなかなかできることではありません。

誰しもリスクを負うのはいやなので、「なんで私がそんなことしないといけないの」「なんでいっつも俺ばっかり」、と言い訳のほうが先に立ちます。

「誰かがしないといけないなら、私がやりましょう」とはなかなか言えないものです。ましてや、行動に移すとなるとなおさらです。

仕事上のプロ意識は、しばしば生き方そのものに反映されます。
警備や医療のように人命にかかわる仕事でなくとも、一歩踏みだすか、あるいは引き下がるか、の選択をせまられることは往々にしてあるでしょう。

果たして自分は、必要とあらばすぐ行動にでる準備ができているだろうか、と考えさせられます。