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「人間の生き方」を学んだ資料とその記録

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改めて読み直して気づいたこと、若い時には気づくことができなかったこと、年を重ねて経験してきたからこそ気づけたことを書いたもの
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#山本周五郎

社会学者 品田知美さんに学ぶ 『「母と息子」の日本論』 (亜紀書房)と参考になる本の紹介

「押しつけがましい自己犠牲」の言葉に反応して、品田知美さんへのインタビュー動画を観てみました。 最後のメッセージ(22:00~)は、子供の人格を尊重するには…ということなのではないかと考え… そこで参考になりそうな本として、山本周五郎とトルストイの本を挙げてみました。 山本周五郎の『小説 日本婦道記』の「箭竹(やたけ)」 ここに母と息子の日本論が描かれているように思うのです。 母 みよは 「そう思います。母上、そう思います」と、息子 安之助。 すると 安之助は

山本周五郎が著著『おごそかな渇き』に描いた「宗教観」と「ブラウン運動」と「人間への問い」

山本周五郎さんの『おごそかな渇き』は、昭和42年1月から2月の8週、朝日新聞日曜版にて掲載された。 「半途にしてたおれることが多年の念願でもあったらしい」と、解説には書かれている。 『おごそかな渇き』に描かれているのは、人間と宗教。 これを、植物学者ブラウンが発見した「ブラウン運動」として捉えているところが興味深い。 この小説に登場するのは、福井県のある村で、宗教の盛んな土地。 この村に住む人達には、歴史的に根深い反目と敵意が続いていた。特に冠婚葬祭に関しては、相互の往