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「人間の生き方」を学んだ資料とその記録

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改めて読み直して気づいたこと、若い時には気づくことができなかったこと、年を重ねて経験してきたからこそ気づけたことを書いたもの
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山本周五郎が著著『おごそかな渇き』に描いた「宗教観」と「ブラウン運動」と「人間への問い」

山本周五郎さんの『おごそかな渇き』は、昭和42年1月から2月の8週、朝日新聞日曜版にて掲載された。 「半途にしてたおれることが多年の念願でもあったらしい」と、解説には書かれている。 『おごそかな渇き』に描かれているのは、人間と宗教。 これを、植物学者ブラウンが発見した「ブラウン運動」として捉えているところが興味深い。 この小説に登場するのは、福井県のある村で、宗教の盛んな土地。 この村に住む人達には、歴史的に根深い反目と敵意が続いていた。特に冠婚葬祭に関しては、相互の往

パール・バックの著書『大地』は自分の生き方を見つめるうえで参考になる本

元のこの言葉で、小説『大地』は終わった。 この本の解説には、このように書かれている。 人間はどうしても…身内びいきをしてしまう生き物である。と同時に、「身内なのだから…これくらいは…当たり前だろう」という感情も出てくる。 王龍の3人の息子達は、兄弟であっても内心は相手を見下しているものの、兄弟が力を持てば、自分を助けてくれるだろうという期待を持っていた。 これらの人間としての感情は、家族から派生し、親戚だけでなく、身近なコミュニティにも同じように存在するもの。超少子高