見出し画像

母親が嫌い

「親のこと好きじゃないんだよね」
というと
「20歳でまだ反抗期なの?(笑)」
と思われてしまいそうでなかなか言えないけれど、私はずっと母親のことが好きになれない。言ってしまえば嫌いだ。


父はサラリーマン、母は専業主婦のとっても恵まれた家庭で育ってきた。小さい頃から不自由なく暮らしてきたし、小さい頃からバレエ、音楽教室などたくさんの習い事もさせてもらった。私立の大学進学も認めてくれ、4年間の学費まで払ってもらっている。

それ以上何を望むの?と言われてしまいそうだが、私は20歳の現時点で「家族」とか「親」といったものにコンプレックスを抱いている。
もし、あなたの家族の話をしてくださいと言われたら、確実に泣いてしまうくらいには。

「母のことが嫌いなんだな」としっかり思うようになったのは高校生になってから。20歳の今になっても好きになれないので、その理由を考えるようになった。それをまとめたものをつらつらと書いていこうと思う。

私は親に何かを褒められた記憶がない。
テストの点数でも、習っていたバレエでもピアノでも「素敵だったよ」「上手くなったね」とか言われたことは一度もないと思う(実際下手くそではあったが)。
他の家庭の親と比べることがなかったから(今も比べられないけど)当時はそれが普通で、褒められなくて悲しいとかいう感情を抱いたことはなかった。
子育て本か何かに影響されたのか、突然なんでもないことを褒め出した時期はあったが、それがお世辞だなとわかるくらいには私は大人だったし、母は人を褒めるのが下手だった。


この母の特性が辛くなってきたのが中高生になってから。
その歳になればある程度は大人だし、褒められたい!なんて気持ちは全くないのだけど。
ひと夏をかけた吹奏楽コンクールが終わった後の一言が「下手くそだったね」だとか、大学受験に落ちた時には「だろうね」とひとこと。



そう、
私の母は"現実を見せるのが上手い親"なのだ。




きっと母はかなりの現実主義者なのだと思う。
母の中での「当たり前の現実」があって、それを外れれば現実をしっかりと突きつけてくる。もちろん母と私のそれには差があったし、時にはただの否定にも捉えられた。


20歳にもなれば、親からの否定も人からの1意見として受け取れるが、子供頃の私にとってそれは「自分の否定」だった。
どんなに嫌いでも、子供にとって親はそれほど絶対的なものなのだ。

これは今振り返ってわかったことだが
自分へだけじゃなく、周りへの否定も巡りめぐって、私の選択肢を狭めることもあった。
例えば、幼馴染がアイドルになった時。
母は「娘にアイドルをやらせる親なんてありえない。」と言った。
別にアイドルになりたいわけじゃなかったが
私がアイドルになる可能性はゼロになった。
例えば、先輩が音大進学を決めたとき。
母は「結局音楽家になれず一般企業に就職するのだから音大進学は無駄だ」と言った。
進学先について何も考えていない時期だったが
音大はわたしの進学先候補からは消えた。


親から否定されたら一巻の終わり。
そう感じていたのか、母の前で夢を語ることはなかったし、受験する大学や学部も、親に相談することなく1人で決めた。
無条件に自分を認めてくれる
そんな人が1人くらいいてもいいのになと
何度も思った。




私の中で、母に関する大きな出来事が一つある。(友達には結構話しちゃってるけど笑)
最後にそのエピソードを書こうと思う。

中学2年生の4月。
母の誕生日に花束とハンカチをプレゼントした。
2000円の花束と500円のハンカチは、お小遣い1000円の当時の私には結構奮発したプレゼント。
まあ上記の通りの母なので、プレゼントを渡した反応も軽く「ありがとう」程度。喜んでもらえるとも思ってなかったのでそれで満足していたが、ちょっとした事件が起こる。
プレゼントを渡した夜に喧嘩が勃発した。
母は一回怒り出すと他の話題も掘り返すタイプなので簡単には怒りは静まらない。
その日もかなりの大喧嘩に発展し、かなりの言い合いの末



母はあげた花束をわざわざ取り出して、私の目の前でバラバラに引っこ抜き、ハンカチはハサミで切り刻んだ。


この出来事以降、私は母の誕生日を祝うことをやめた。

繰り返し言うが、私は恵まれた家庭で育った。
世間には片親であったり、子供に虐待をする親も、ネグレクトをする親も、金銭的に余裕がない家庭があることも、充分承知している。
恵まれているとわかっているのに
心にぽっかりと穴が空いてしまっているような気がするのは。
「たくさんの愛をもらった」と
言い切れないのは何故だろう

このままじゃきっと私は
母にもなれないのだ。
「この親の元に生まれて良かった」
と思ってもらえる自信なんてない。
「子供が欲しい」
なんてそんな自分勝手なことも言えない私は
これからどうやって生きていくんだろう。

何もまとまってないけれど
はじめての文章は
これで終わりにしようと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?