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ジョー星ゼロルピア 構築メモ&ループ解説【アドバンス】

 この記事では、アドバンス環境(特にDMvault大会)におけるジョー星ゼロルピアのデッキ構築について大まかに考察していきます。
 また、《ジョルジュ・バタイユ》を用いたメカーネンループについても記事の最後で簡単に説明しています。

 プレイングの解説や対面ごとの詳細な検討は省き、構築の方向性や採用カードについて考えるための簡素な内容となっていますのでご了承ください。

 なお、記事のほとんどは無料で読めます。有料部分にはループの補足や初期盤面に至るまでの動き方などについて記載していますが、あくまでオマケ程度なので購入する際は投げ銭としてお考えください。

サンプルリスト

(以下常体)
 環境に応じて調整すべき点が少なくないので、決して完成形と言えるものではないが、以降の説明を補助するために一例を示しておく。

ジョー星ルピア3

ジョー星ルピア2

確定枠(基本カード)

 デッキの動きの根幹をなすカードであり、サンプルリストと少し違う形を目指すにしてもまずは採用を前提としたいものを記す。

4 x 希望のジョー星
4 x ゼロ・ルピア
4 x 天災 デドダム
1 x ゼロの裏技ニヤリー・ゲット
4 x 罪無 ウォダラ垓
4 x ヘームル・エンジオン
1 x ダンディ・ナスオ
以上22枚。(超GRゾーンについては後述)

 ウォダラ垓やヘームルエンジオンの4枚目については一考の余地があるが、どちらもソリティア用パーツとして高性能なので4枚採用から考えるべきだろう。

残りの枠で必要な要素

 優先して考えたい順に、
1、初動+保険(ジョー星+ゼロルピアを揃えるための要素や、4キルが狙えない場合の動きを補助する要素)
2、フィニッシュまでの確実性(フィニッシュ方法、ソリティア補助パーツ、メタカードの処理)
3、受け、妨害(コンボを決める前に動いてくる相手への対策)
が挙げられる。

1、初動+保険

・《十・二・神・騎》、《堕呪 ゴンパドゥ》
 4キルを狙うためにも、相手の動きを妨害するためにも、3ターン目にジョー星を張るのが通常このデッキの目指す動きであるから、2ターン目までのサーチとして上記2種を採用するのが最も自然であろう。
 必ずしも合わせて8枚採用する必要はないが、先攻4キルの押しつけはデッキの強みの一つであるし、序盤の事故を減らすことが平均キルターンの短縮に大きく貢献するので、少なくとも6~7枚は入れておきたい。いずれも一長一短なのでどちらを優先的に採用するか難しいところだが、1枚だけ減らすなら十二神騎だろうか。

・《戦略のD・Hアツト》、《戯具 ドゥゲンダ》、《【問2】 ノロン⤴》
 初動としてだけでなく中盤の繋ぎとしてもよく機能するのだが、後述するように多色であるため扱いにくく、掘れる枚数もやや少ないので、構築をかなり寄せた上でないと採用しづらい。
 2tアツト、3tデドダム、4tジョー星+ジョイダム垓から4キルを狙えるのは面白い。

・青マナ
 十二神騎やゴンパドゥを2ターン目に唱えるために青マナの枚数を十分に確保したい。とはいえ、確定枠のカードと合わせてそれなりの枚数になるので、さほど問題にはなりにくいが。

・単色
 2ターン目にサーチ札を使い、3ターン目にジョー星を張る、という動きをする場合、この2ターンの間に上から引いた多色は手札にキープしておかなければならない。先攻だとこの流れで4ターン目にゼロルピアを出したとき、残る手札が2枚だけなので、デドダムのようなソリティアパーツ以外だと多色がかなり負担になりやすい。そのため、マナ基盤として数枚《Disジルコン》を採用するだけならともかく、多色の枚数はなるべく抑えたい。

・黒マナ、緑マナ
 3ターン目までにジョー星を引けていない場合や、ゼロルピアを出す前にフィールド除去をもらいそうな場合、ジョー星に代わる動きとして最も有力なのがデドダムである。3→5→7とマナを伸ばして1ターンのうちにジョー星とゼロルピアを並べる動きも狙えるほか、マナを伸ばしておくと相手の妨害を受けて展開が長引いた際にも動きの幅が広がる。
 そのため緑や黒の枚数を確保することが意外と重要で、目安としては多色を採りすぎずに各10枚以上程度を目指したいところ。

2、フィニッシュまでの確実性

◎フィニッシュ方法
 《無限銀河ジ・エンド・オブ・ユニバース》、《偽りの名 iFormulaX》、《水上第九院 シャコガイル》などがフィニッシャーとして使われることもあるが、最も優秀なのは《ジョルジュ・バタイユ》であろう。
 他のフィニッシャーと違い、盤面や山札からムゲンクライム持ちやジルコンを墓地に落とすことで、ソリティア用パーツとしても十分に機能する。GR召喚が封じられたままでない限りはフィニッシュへの到達のしやすさでもユニバースに引けを取らないし、フィニッシュ用に別のカードを採用する必要もない。

◎ソリティア補助パーツ
 確定枠のカードだけではやや止まりやすいので、他にもリソースをつなぐカードを何枚か採用することになる。

・《ニヤリー》、《Disジルコン》
 手札補充として何枚か採用しておきたいカード。ニヤリーの方が掘れる枚数は多いが、ジルコンは序盤に埋めればマナ基盤になりつつ他のカードを手札に抱える余裕を作れる。デドダムで落としておけるのも嬉しい。
 ゼロルピア1枚の下では1マナ消費してしまい後続を展開しにくくなるが、ナスオの他にマナを起こせるカードを採用しておけばあまり気にならない。
 サンプルリストではジルコンのみ2枚採用とし、他のカードでうまく繋がらなかった場合の保険という役割にとどめている。

・《応援妖精エール/「みんな一緒に応援してね!」》、《桜風妖精ステップル》
 使い切ったマナを復活させ、3コスト以上のカードを再度使えるようにする。エールは多色だが下面が受け札になるのが嬉しい。細かいところでは、ゼロルピアがないときにジョー星とニヤリーゲットを繋ぐ動きもできる。
 しかし、他のパーツを拾えるカードではないので、ソリティア中に必要な場面はあまり多くないようにも思える。
 また、《天体妖精エスメル/「お茶はいかがですか?」》や《霞み妖精ジャスミン》も同じような役割のカード。序盤にブーストしてその後の動きを広げる構想ならこちらも有力か。

・《困惑の影トラブル・アルケミスト》
 序盤のマナ置きやデドダムの効果でマナにパーツが複数落ちていることが多いので、1枚程度入れておくといい仕事をする。ただし使えるマナが無くなってしまうので、ゼロルピアの2枚目を出した後か、ブーストができるカードを確保してから出すのが理想。

・《貝獣 アリサ》、《アクア忍者 ライヤ》
 ヘームルエンジオンの5枚目以降として。2枚揃えてGRループに入ると勝ちにぐっと近づくので、1~2枚なら十分採用が考えられる。デドダムやウォダラ垓を再利用できるだけでもなかなかの働き。
 どちらを採用してもあまり変わりはないが、アリサはバウンスが任意なので、盤面にゼロルピアしかいないときに出してウォダラ垓の種にできる。

 これらのパーツの採用枚数を考える際は、「妨害のないフリーな状況での回りやすさ」だけを根拠にするべきではない。他のデッキからマークされている環境では多数のメタカードにさらされるので、下に示した処理札と合わせ、「意識すべき特定のメタカードを立てられた場合の動きやすさ」も視野に入れて考えるのがよいと思う。

◎メタカードの処理
 処理すべきメタカードは主に、《モモキング -旅丸-》、《DG-パルテノン ~龍の創り出される地~》、《リツイーギョ #桜 #満開 》、《とこしえの超人》など。見かける頻度や制限の強さがそれぞれ異なるので、対処方法は環境に応じて柔軟に考えるとよい。
 以下、有力な処理札をいくつか取り上げて比較する。

・《イッコダス・ケイジ/種デスティニー》
 制限の強いリツイーギョやパルテノンを最もスムーズに処理できるカード。多色なのと旅丸をとれないのが痛いか。
 ジョーカーズ種族を持っていてマナドライブに貢献することもわずかながらメリット。
・《闇鎧亜ジャック・アルカディアス》
 旅丸を処理できることとSトリガーが付いていることが種デスティニーと比較した際の利点。ゼロルピア1枚の下では2コストかかるので、ソリティアの中でスムーズに使えるとは限らない。
・《「大蛇」の鬼 ジャドク丸》
 手札を減らさずに幅広いクリーチャーを手軽に処理できるカード。攻撃済みのクリーチャーには間に合わないのが玉に瑕。
・《学校男》、《堕魔 ドゥポイズ》
 単体で出てきたクリーチャーなら一発で処理できる。ムゲンクライム持ち、特にジョイダム垓との噛み合いがよい。
・《罪無 ビコハン極》
 受け札にもなりつつ、実質3コストで無条件にクリーチャーを除去できる。
・《斬隠テンサイ・ジャニット》
 自分のクリーチャーも戻せるのでソリティア補助になるが、旅丸は処理できない。

 このあたりから環境や構築に合わせて数枚を採用することになる。どのメタカードも、こちらの動きを一切封じてしまうわけではないので、処理札を3枚程度入れておけば自分の動きの中で無理なくアクセスできるだろう。(例えば、「コストを支払わずに~」「マナゾーンのカードをタップせずに~」という条件に対してはあえて1コスト支払って出す動きが可能。)
 ただし、どれも処理できる範囲が限られているので、一部のメタカードに対して手薄になることは避けづらい。

3、受け、妨害

 コンボデッキが速攻に弱いのは仕方のない話だが、相手の先攻4キルが簡単に間に合ってしまうようでは中速ビートダウンにもカモにされかねない。
 とはいえ、3ターン目にジョー星を立てることがコンボの準備としても相手への牽制としても重要になる性質上、2ターン目のサーチ呪文も重なって、手札から妨害用のカードをプレイする暇は作りにくい。強いて言えば、《「敬虔なる警官」》や、《学校男》、《悪魔妖精ベラドンナ》あたりは採用を考えてみてもよいが、ここでは盾で受けるカードに絞って考察する。

 ここまでに登場した《応援妖精エール/「みんな一緒に応援してね!」》、《闇鎧亜ジャック・アルカディアス》、《罪無 ビコハン極》などは受け札以外にも役割を持てる点では優秀だが、受けそのものとしての性能や、色の面では不満が残る。
 相手のキルターンを確実にずらすためには複数体を止められるカード、さらに欲を言えば1~2体で刻んできた場合にも有効なカードが欲しい。そしてマナに逃がしやすい単色、かつデドダムの色になる緑、黒、青のいずれかであることが望ましい。

・《撃髄医 スパイナー》
 闇文明では最も無難なカードだろう。赤単に踏ませれば後攻でもチャンスが生まれる。
・《チャケの応援》、《キューデン・トラップ》
 緑で複数体を止められるカード。早い攻撃を想定するならキューデンでも大体止まる。機会は少ないが手打ちも視野に入るコスト。
・《カワモリデン/リーフストーム・トラップ》、《父なる大地》
 上の2つが不満ならメタクリーチャーを処理しやすいこれらに変えるのも手。
・《終末の時計 ザ・クロック》
 シャッフ等で止まらず、受け札としては優秀だが、青マナよりは緑や黒を確保したいことが多い。
・《スローリー・チェーン》
 色を気にしないのであればターンを稼ぐ上で非常に優秀。

 このあたりから必要に応じて選ぶことになるのだが、そもそも受けて返すのが目的のデッキではないので、受け札を採用するにしても3~4枚で十分だと思う。

超GRゾーン

 《ヘームル・エンジオン》を2枚揃えてGRループに入ればそのまま勝ち切れることが多いので、これをより確実にするカードや、1回目のGR召喚で出てきた際にソリティアのつなぎになるカードを中心に採用したい。
 《希望のジョー星》下ではマナドライブは発動しないので、序盤にマナを伸ばして一度にジョー星とゼロルピアを展開する動きに特化していない限りは、おおよそサンプルリストと同じ構成になるだろう。

・《バルバルバルチュー》×2、《ヘルエグリゴリ-零式》×2
 フィニッシャーの盾落ちを防ぐために採用。この4枠で確実に3~4枚回収でき、残った盾も《ヘームル・エンジオン》を利用してバルチューを出し直せばよいので、取りこぼしはまずない。

・《シャギーⅡ》×1
 一回目のGR召喚で出てきた後に《ジョルジュ・バタイユ》で破壊するような場合まで考えると2枚目も視野。

・《パッチネーター》×1
 自身の効果でジョーカーズを回収して山札を奇数枚にし、自壊効果を繰り返し使うことで山札全体を好きな順序に並べ変えることができるので、マナドライブを達成していればGRループからほぼ確実な勝ちにもっていくことができる。(「山札が奇数枚なので、自壊を繰り返して山札を二周しつつ、特定のカードをその前後のカードと入れ替えることができます。これを繰り返せばそのカードを山札の一番上に移動させることができます。その後、同じ要領で別のカードを上から二番目に移動させ、こうして三番目、四番目と続ければ山札を好きな順序に並べ替えることができます」という説明で手順を省略させてもらえるのではないだろうか。)

・《ツタンメカーネン》×2、《オレちんレンジ》×2
 山札を掘ってソリティアをつなぐカード。他の山札操作GR(ダラク、予知)よりはオレちんを優先したい。

・《ダラク 丙-二式》×2
 トップがウォダラ垓やDisジルコン、もしくはいらないカードだったら墓地に送れる。ここまでのGR枠の中では一番の入れ替え候補。
 《シャギーⅡ》の2枚目や、《パッパラパーリ騎士》、《予知 TE-20》、《全能ゼンノー》あたりも有力か。

バタイユループの手順

 細かい手順の違いを含めるとループ方法は数多く考えられるところだが、ここではゼロルピア1枚下でできて初期盤面の準備がラクなものを1つ紹介する。

【初期盤面】
手札:《ヘームル・エンジオン》×1
バトルゾーン:《ジョルジュ・バタイユ》×1
超GRゾーン:《ツタンメカーネン》×1(のみ)
山札:強制効果のない2コストのクリーチャーA
墓地:《罪無 ウォダラ垓》×2、《ヘームル・エンジオン》×3、《ダンディ・ナスオ》×1、強制効果のない2コストのクリーチャーB、任意のカードX

※1周目はGRにシャギーやバルチューなど別のクリーチャーがいたり、山札が別のカードであってもOK。2周目から初期盤面に合流する。
また、ゼロルピアが2体立っていれば、AとBは3枚目と4枚目のゼロルピアでもよい。

【手順】
①手札から《ヘームル・エンジオン》を出して《ジョルジュ・バタイユ》を対象にとる。効果で墓地の《ヘームル・エンジオン》×3、《ダンディ・ナスオ》、B、Xをこの順に山札へ。《ツタンメカーネン》がGR召喚されてAをドロー。
②《ジョルジュ・バタイユ》と《ヘームル・エンジオン》をタップして墓地から《罪無 ウォダラ垓》を出す。効果で《ヘームル・エンジオン》×2をドロー。
③《罪無 ウォダラ垓》と《ツタンメカーネン》をタップして墓地から《罪無 ウォダラ垓》を出す。効果で《ヘームル・エンジオン》と《ダンディ・ナスオ》をドロー。
④Aと《ダンディ・ナスオ》を出す。ナスオの効果で山札からXを墓地へ。
⑤《ヘームル・エンジオン》を出して《ジョルジュ・バタイユ》を回収。《罪無 ウォダラ垓》×2、《ダンディ・ナスオ》、Aを破壊して《ジョルジュ・バタイユ》を出す。
⑥《ヘームル・エンジオン》を出して《ジョルジュ・バタイユ》を回収。《ヘームル・エンジオン》×3、《ツタンメカーネン》を破壊して《ジョルジュ・バタイユ》を出す。

AとBを入れ替えてもう一周すれば初期盤面に戻るので、メカーネンの効果で相手に繰り返し強制ドローさせることができる。


~おわりに~

これで本文は以上です。読んでいただきありがとうございました。
ジョー星ゼロルピアの構築の細やかさを感じていただけたでしょうか。

ここから先の内容は言ってしまえば没ネタなので、この記事が気に入ったという方に付録として読んでいただければ幸いです。

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