茜色の空、そして桜 5話

私は、ギリッとはを食いしばった。
やっぱりカエデは容赦ない。自分の気に入らないやつは徹底的に追い詰める。サクラは絶句している。結局、やっぱり私は何もできない。その日は、あの時と打って変わってとぼとぼと歩いた。思い切り叫びたい衝動にかられた。私は、いつしか、想像にすがるようになった。カエデなんて人は元々いなくて、あれはただの悪い夢であった。そして、サクラと私は、2人で仲良く幸せなんだ。そんな妄想と願望の中にすがりながら、なんとか平常を保っていた。大丈夫。これは、悪い夢だ。ダイジョウブ。コレハ、ワルイユメダ。
「茜!」
つづく

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