見出し画像

低容量ピルを飲むことになった話

「生理痛で起き上がれない」
「家事が全くできない」
「酷い時は吐く」

というのをまわりの女性から聞いたことはあったが、自分には無関係な話だと思っていた。
自分は健康で、生理痛もほとんどないから、薬なんて必要ない、そう思っていた。

そんな私だったので、30歳を前に初めて婦人科へ行った際には、ちょっとしたカルチャーショックを受けてしまった。
婦人科には様々な年代の女性がいて待ち合い室はギュウギュウ、診察に至るまで2時間近くも待った。
そんな状況にもかかわらず、当初の予定にはない子宮頸がん検診もほぼ強制で受けることになってしまった。
何より、診察台に乗る時の衝撃を忘れられない。
エヴァに乗りたくないと駄々を捏ねるシンジ君の気持ちが分からないでもなかった。
ドキドキしながら、カーテン越しに先生の声を上の空で聞いていた。


ここ2年ほどで徐々に生理前になると、左下腹部が毎回痛むようになった。
年齢を重ねればこんなもんか、と特に気にしてはいなかった。
しかし、友人と何気なく生理の話をしていたら、私の血液量の多さが異常かもしれないと感じることがあった。
そしてさらに、生理がくるのが1週間〜10日遅れることが何回か続いた。
さすがに、おかしい。
そして私は、嫌がるシンジ君をNERVに連行するミサトさん宜しく、予約もせずに婦人科へと突撃したのだ。

受付をしてから30分ほどでまず看護師さんに呼ばれ、問診を受ける。
生理周期が安定しないこと、血の量が多いこと、具体的な周期などを手元のメモを見ながら伝えた。
ルナルナというアプリで記録をとっていたので、口下手でもスムーズに伝えることができた。

それからさらに1時間後にようやく医師の元へ呼ばれると、そこでエントリープラグに乗り込むことになった。

(見知らぬ、天井・・・)

そう心の中で呟きながら診察が始まるのを待った。


開始から1分もせず、

「あー、腫れてるわ。」

という言葉が聞こえてきた。

症状をググって予想はしていたけど、私は子宮内膜症だった。
周期が安定しないのも、血の量が多いのも、生理痛が重いのも、その病気が原因だと言う。
貧血の症状もあるんじゃないかと言われ、たしかに思い当たることがあった。

診察台から降りると、今後についての話になった。

「炎症を抑えるだけの薬と、低容量ピルの選択がありますが、どちらか飲みますか?」

低容量ピルは子宮内膜症の症状を抑える、避妊効果がある、生理周期をコントロールできる、その上で副作用があることの説明を受けた。
服用方法や副作用についてはGoogle先生が教えてくれるので、ここでは割愛する。

「低容量ピルを飲むと、生理は楽になりますよ」

そう医師が断言したのが決め手で、私は低容量ピルを飲むことにした。


低容量ピルの服用にあたり、採血が行われ、「患者携帯カード」というものを渡された。
また、水分をたくさん飲むこと、定期的に体を動かすことも強く勧められた。
いずれも血栓症のリスクを下げる為に必要なことだと説明があった。
もし血栓症の症状が現れたら、迷わずに救急にかかることも指示された。
少し怖いなと感じたけれど、これまでほとんど考えてこなかった自分の体と向き合うには良い機会なのかもしれないとも考え始めていた。


「自分には関係ない」

そう思っていたことが我が身に降りかかった途端、視点が変わり、生活が変わり、価値観も変わる。
子宮内膜症という診断を受けたこと、低容量ピルを飲むようになったことで訪れた変化については、また機会を改めて記事にしたいと思う。

今回ここにこのような文章を書いて何を伝えたいかと言うと、それは「婦人科に行けばいいと思うよ」ということに尽きる。

「こんなときどうしたらいいか分からないの」

そういう悩みが女性にはあると思う。
そしてその悩みはもしかしたら、家族や友達には話しづらいことなのかもしれない。
だからこそ、婦人科に行ってみるといいよと思うのだ。
思っている以上に明確に自分の不調の原因を知る、それだけで気持ちは楽になるし。
医師に判断してもらって薬を服用すれば、悩んでいることの解決になる可能性が高いし。
そして第一に、定期検診はとにかく受けた方が自分の人生の為だ(私も医師にかなり強めにそう言われた)。

だからそう、
婦人科に行けばいいと思うよ。