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筋力落ちて歩き方が「喪黒福造」

いつもお付き合い頂きありがとうございます。

この手術を受けるにあたり、いろんなことを思い出したり、夢見たりしました。できれば手術を受けない身体を維持したかったなと思ったり、前回書いたように生まれつきの不具合なら仕方ないという思いもあります。

医療に関する記事なので、なるべく事実に反することは書かぬよう、医師から言われたこと以外のことは明確に「私の経験から推し量ること」と明記しますが、これから書く2つのテーマはまさに経験から推し量ることです。

ただし、同じような条件下にある方にとって、励みや、何らかのアクションのきっかけ、もしくは癒やしになるといいなと願って書きますね。

★なぜ不具合が起きたのか ー3ー双胎妊娠と出産

 妊娠まで

わたしは演劇を通して、高校生から35歳まで、ダンスやヨガなど人から教わる形で続けており、身体の柔軟性はそこそこある方でした。

前回書いたように長期の引きこもり下にあっても、決まった時間に気合を入れるわけではなく、猫が自分の身体を舐めて気を鎮めるような目的で、ストレッチをよくしていました。

座っての開脚はほぼ180度開いたし、そのときは骨盤が後ろ倒しにならぬよう、ヨガの先生の教えを思い出しつつ、正しい姿勢を維持して開脚。さらに上体を真横に倒したり、腰からそれぞれのつま先の方に向けて、胸を膝に押し当てつつつま先をつかむような形で倒したり。

同じく座った状態で足を閉じて揃えても、骨盤から前倒しにしてつま先を掴み、胸を膝につけるように、かつ足は膝を伸ばして床につけるように。

いずれもつま先を立てて膝裏伸ばしを意識したり、つま先までぴんと伸ばして足も上体もなるべく遠くに向かって伸ばすことを意識して。

それから立った状態で前屈をし、骨盤からゆっくり起こして背骨を一個ずつ起こして、最後に首筋を伸ばすという動作もよくしていました。

足の筋をよく伸ばし、片方の腿を下に後ろへ、もう片方もも裏とふくらはぎを床につけて前方にし、上体を起こすポーズもできました。

Y字バランスや窓のさんを使ってバーレッスンも時々していました。現役を離れてもいつでも戻れるように。心身を柔らかくして早くこの、抑うつ症の苦しみから抜けられるよう。

更にヨガの猫のポーズ、コブラのポーズ、月のポーズ、弓のポーズ、胎児のポーズなど基本的ないくつかをやってみたり、演劇経験者なら「あ~あれね!」って習ったことがある方もいらっしゃいましょうが「ゆらゆら体操」も行っておりました。

ところがわたしはこの頃、実は精神科で信頼をおける医師にまだ出会っていませんでした。出産することになる総合病院に最終的にはかかっていましたが、そこは主治医制ではなく、チーム制で情報共有をする対応で、わたしはカウンセリングに飢えていました。

一方結婚三年目に至っても妊娠の兆候がなかったため、近所で評判の婦人科に行きました。うつ症状が治まってから不妊治療をしたほうがいいこと、ただその前にも原因を探ることはできることを話され、わたしの検査もしましたが、夫の精子を朝採って持参し、電子顕微鏡で見てもらったこともありました。

夫はこのとき40歳近くでしたが精子の半分が死んだ状態だったため、一度では判断はつかないが、常にこういう状態ならば妊娠しづらさはこの要因もあるかもと、婦人科医が言いました。

しかしわたしは生きている精子たちがピコピコ必死で動いている様子を見て、まるでもう赤ちゃんがそこにいるような思いで愛しく眺めていた記憶があります。

この中の一番元気な子が、なんとかわたしの卵子にたどり着いて命として宿ってくれますよう。心から願いました。

その願いが通じたのか、不妊治療を始める前にわたしは妊娠することとなります。

双子でした。

これについてはこれまた、妊婦の1000分の1程度の経験なので、別の記事としていずれ詳しく書きますが、今回は骨盤との関係に絞って書いていきます。

 本格的に妊婦さん

本格的に腹部が大きくなり始めたのは18週程度でした。前述の通りわたしはストレッチが趣味でしたから、マタニティヨガの本を買ったりしていましたが、「安定期に入ってから行う」という注意書きがありました。しかも違う情報で「双胎妊娠には安定期がない」と言われていました。

スチレッチができない!それ以前につわりがきつい!

ご飯も炊けない。外を歩けば風向きで空気が変わる瞬間すら匂いが変わって苦しくなる。それと近所にステーキハウスができて夫は行きたがりましたがわたしは妊娠中何故か牛肉と牛乳についてアレルギー反応を起こしてしまい、食べられるものは「冷めた鮭弁当」。

毎日夫が仕事帰りに買ってきてくれて、ほぼそれだけが栄養源の妊娠前期でした。

20週に入って子宮頸管が短くお腹の張りが強かったので、切迫早産の診断が下り、入院となりました。トイレ以外は安静。出産は38週以降が正規産ですから、入院患者の中でも長い入院期間でした。

このときのお腹の膨らみといったら!

骨盤がきしんで大きく開いていく音が聞こえるような成長っぷりでした。安静とは言うものの腰が痛くなりますから、開脚ストレッチくらいそ~っとしていましたが、足を閉じての前屈はお腹の出方が尋常じゃなく、不可能でした。

 体重の変化と筋力

元々80kgだったわたしは妊娠中ずっと体重が増えず、更には出産で赤ちゃんが二人で4300g、その他胎盤や羊水、出血合わせて7kgも出してしまったため、退院時は68kgくらいになっていました。

それくらいつわりも治らないまま、胃袋は圧迫されたまま、骨盤は内側からギューギュー押されたままの妊娠生活でした。そして何より衝撃だったことが、産褥期のヨガのうち、殆どができなかったこと。

筋力が落ちたのか、骨盤と大腿骨の関係性が変わったのか、安静生活が筋肉の柔軟性を奪ってしまったのか。ともかく身体が固かった。

ただ筋力は確かに落ちていました。下半身だけで立ち、前屈した状態から骨盤、背骨と一個ずつ立てていく体操ができなくなりました。上半身の重さに骨盤が負けて、起こせないのです。

この筋力はなかなか復活せず産後も赤ちゃんと一緒にできるバレエ教室、フラダンス、3B体操など色々やってみましたが、双子育児(と実は夫の両親との同居も始まり介護というか介護拒否に悩まされる日々)の中で置き去りにされました。

このときせめて整体に通って適切な施術と指導を受けていたら違っていたのかなぁ。

こればかりはわかりません。

娘たちが4歳くらいのとき、わたしが歩く姿を写した動画を見て愕然としました。

歩き方がおかしい。歩くたびに左右に身体が揺れて、まるで「笑ゥせぇるすまん」の「喪黒福造」?!

これはいかん。保育園のママ友が習っていたフラの先生に頼み込んで、月2回、平日夜間に女性らしい身体の動きを取り戻すため、フラサークルを立ち上げました。

しかし5年後、レッスン中も若干痛むものの、レッスン後の帰路に歩けないほどの股関節痛を覚えるようになりました。

このままじゃフラも踊れなくなっちゃう!

それが手術を受けた最大の理由となりました。

次回で★なぜ不具合が起きたのかの章を終えますが、今日は、つづく。

自分の経験をもとに思いのまま書いていきたいと思います。 現在「人工股関節全置換手術を受けました」(無料)と 「ハーフムーン」(詩集・有料・全51編1000円)を書いています。リハビリ中につき体調がすぐれないときは無理しないでいこうと思います。