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アフリカンイラスト×エッセイ

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アフリカの人々の生き方・あり方について思うことを、絵とともに綴ります。今は西アフリカ・トーゴの衣食住にまつわることを中心に描いています。月1回ペースで更新中。
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2021年2月の記事一覧

かたち・活きる・並べ方

トーゴに来て、食材そのものよりもその「売り方・並べ方」に目がいくことがたびたびあった。例えば、主食のフフやパットに合わせるソースに欠かせない、唐辛子の「ペペ」。こちらの写真はアグー山という、標高1000メートルほどながらトーゴで一番高い山の上にある、村のひとつにて。形と色の少しずつ違うぺぺを、乾いたトウモロコシや木の棒できれいに区切り並べて売っている。 そうか、こんな風にすれば、わざわざ包装しなくても小分けで売ることができるんだ。色や形の混ざり具合のバランスが綺麗で、少し見

孤独になりようがないごはん

トーゴに初めて行った時、ぜひ日常生活に触れたいと思っていて、それは「ごはんを作って食べるところ」に詰まっているんじゃないかと考えた。そこで、テーラーのEpifaniのお家でドレスのオーダーをした後に、昼ごはんを支度している様子を見てみたいとお願いしたら、1時間後に戻っておいでと言ってくれた。 Epifaniが室内の仕事場でミシンを踏んでいる間、きょうだいたちが中庭で料理に取り掛かる。いや、ここは単なる中庭ではなく、キッチン、リビング、作業場、保管倉庫、洗濯場、遊び場と、多く

空気がたくさん入った服

トーゴの首都ロメにある、アベポゾという町で初めてドレスを仕立ててもらった。アフリカ専門のジャーナリスト、岩崎有一さんの長年の友人である、Epifaniにお願いをした。 ロメのマーケットで散々迷いながら生地を決め、(オランダ製でゴールドの部分はメタリックな光沢のある、大ぶりの花柄に決定)Epifaniの自宅兼テーラーの仕事場に持ち込む。まず、壁に貼ってあるスタイルの見本写真から、どの形にしたいかを選ぶ。(下記写真の右上)モデルはふくよかでナイスバディ、そして全身を覆うようなワ