ストーリーの作り方

因果関係というストーリー


とある脚本家さんのブログで最近読んで一番ためになったのは「ストーリーは単なる時系列ではなく因果関係」ということ。

たとえば桃太郎が、「かつて両親を鬼に殺され死ぬ直前に親が桃に赤子を隠して流して生き延び爺婆にひろわれる、その後成長した桃太郎が鬼ヶ島に行き鬼を退治、故郷の村の財宝を取り戻したあと桃の木の生えた両親の墓前で「終わったよ父上母上」と言う」という筋にすればかなり因果関係のあるストーリーが出来上がると思う。

またそこに「飼い主を鬼に殺された犬、古巣の山を鬼に潰された猿、番を鬼に殺された雉」とし、鬼も「人にかつて虐げられており力をつけて復讐のために動物相手に暴れ、のちに人間に手を下した」とか加えたら収拾つかないけど長編にはなってくる。

この理屈でいくと「むかしむかしあるところに爺婆がいて、ある日川で拾った桃から赤ん坊が生まれ桃太郎と名付け、そのうち立派に育ち鬼退治に出かける。途中で犬猿雉を子分にし鬼ヶ島で鬼を退治し、襲われた村の宝物を取り返しめでたしめでたし」は時系列順に物事を追いかけているだけの日記。

つまるところ「起こっている事象に理由がない」んだよね。

因果関係のあるストーリーに、さらに例えば「犬の飼い主を殺したのは緑の鬼、鬼ヶ島で犬が緑の鬼を倒す」ならそれは伏線回収と因果関係の回収になるし、雉の番にかつて片目を奪われた隻眼の鬼がいたならそれも雉の戦いの伏線になる。


こういう、設定の因果関係と入れ子状の伏線が自称漫画家志望者の作品にあまりに足りていない。
あなたのそれは物語じゃなくて日記だよ。

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