コンサートプログラム

     令和3年10月31日(日)16時開演 於 目黒N氏邸

J.S.バッハ ソナタ ト長調 プレリュードより ~ G線上のアリア 

 チェロやバイオリンのための楽曲をオカリナの独奏にて。オカリナは19世紀にイタリアはボローニャの近く、ブードリオ村というところのパン屋さんが、自分のパン窯で粘土をこねてこの陶笛を作り、その形状からガチョウの子供を意味するOCARINAと名付けたことに始まります。そのルーツを訪ねれば、スペインが南米大陸を征服し、彼の地の陶笛をヨーロッパに持ち帰ったことに行きつきます。よくオカリナはどこの楽器ですか?と聞かれますが、イタリアとも言えますし、ルーツは南米とも言えます。使用している楽器は白馬村のオカリーナ工房「森の音」(もりのね)製。この工房を主宰する横澤功は私の義理の父。

パッヘルベル  “パッヘルベルのカノン”  

親指2本で奏でるため「親指ピアノ」という異名を持つアフリカの民族楽器「カリンバ」で、クラシック(バロック)音楽の名曲「パッヘルベルのカノン」お送りします。アフリカでは我々に耳馴染みある西洋音階ではなく、それぞれの部族や地域でそれぞれの音階にチューニングされ演奏されていますが、私の使っている楽器は日本人の作った西洋音階に(本日使用する楽器はDメジャー)チューニングしたもので、簡単に言いますとピアノの白い鍵盤を2オクターブ半のエリアでほぼ自由自在に奏でることができます。

ホルスト  組曲惑星「ジュピター」より

平原綾香さんがカバーすることで誰もが知る曲となった感のあるクラシックの名曲です。イギリスの作曲がホルストが水金地火木、、、という惑星ごとに曲をつくり、組曲「惑星」として発表した中の「木星(ジュピター)」の章のなかの、一番印象的なフレーズから膨らませて、親指ピアノカリンバで演奏します。本日は「夕暮れから星の瞬きはじめる空」がテーマですので、この曲を選んだ次第です。

小久保隆   熱帯雨林の夜明け ~ 生々流転 

私が初めて自分のソロ名義でのCDをリリースしたのが2000年4月、スタジオイオンというレーベルからでした。このレーベルを主宰するのが環境音楽家の大家である小久保隆さんですが、この2曲は私が以前から次回作(これまで3作品をリリースしていただいてます)で演奏したいと思っていた曲で、コンサートの場では初お披露目の2曲です。 それぞれ小久保隆さんに曲紹介をお願いしました。

熱帯雨林の夜明け
ボルネオ島の熱帯雨林にフィールドワーク(自然音の録音)に行ったのは、1999年。ジャパンフローラ2000という博覧会のメインパビリオンの音楽を担当。テーマが大自然、熱帯雨林だった。この曲は、このパビリオンのテーマ的な曲。熱帯雨林の朝は、ものすごい量の鳥の鳴き声から始まります。この圧倒的な鳥たちの声が、まだ薄暗いジャングルから、湧き上がってくるのです。そして、輝く朝陽を迎えるのです。

生々流転
1996年にも、ボルネオ島にフィールドワークに行っています。この時が、はじめてのボルネオで、ディープなジャングルを味わうのははじめての経験でした。本物のジャングルの中で感じたのは、森の中で、あらゆるものが次々と生まれて、そして、死んでゆく。死んでいったものが肥やしとなり、エネルギーとなって、次の生命に繋がれている。その循環の圧倒的なエネルギーでした。”生々流転”という言葉が私の中に強く湧き上がってきました。

堀田峰明  組曲「チェンマイドリーミング」 はじまり~予感~あこがれ~ざわめき~それから

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本日のメインディッシュ的な位置に置きましたのが、私がカリンバで制作した楽曲の中で、唯一の組曲仕立てにしておりますこの楽曲です。2007年11月、その年の旧暦12月の満月を祝うロイカトーンというお祭りのタイミングでタイのチェンマイを旅しましたが、3日程度の滞在だったのですが、自分でも驚くほど色々な曲のアイディアが湧いてきまして、帰国後それを組曲としてまとめ、翌年レコーディング、旅から1年半後に私のソロ3作目となるCD「Chiang Mai Dreaming/Kalimba SOLO」としてリリースすることができました。(このCDは全11曲カリンバ一本と自然音だけという意欲作です) 本日はそのCD作品の音源を流しつつ、即興的に自分の演奏に自分でハーモニーをつけたりオブリガードをつけたり、アルペジオ的なバッキングやベース音を支えたり、、という縦横無尽に曲の世界観の中で遊んでみようと思っています。

チェンマイドリーミング曲紹介

小久保隆  大地の呼吸Ⅱ

本日のラストソングに選んだのはこちらは私のセカンドアルバム「大きな空へ/ENDLESS SKY」に収めているこの曲です。

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これまで結婚披露宴などで演奏を頼まれると、この曲のカラオケCDを本日のように持ち込み、演奏してきました。オカリナの透明感のある音色を「これでもか」という位のびやかに演奏できるのがたまらなく好きです。ホームコンサートで至近距離で聴くよりは、少し離れたところから鳴る音のほうがお愉しみいただけると思い、玄関に移動して演奏します。こちらも作曲者小久保隆さんからの曲紹介をどうぞ。

大地の呼吸Ⅱ
森の中で、木々のざわめき、風の音に包まれている時、地球も、大地も、呼吸をしているのだ、この、風の流れが、大地を生かしているのだ。と感じます。大地が呼吸しているから、森は生かされ、植物も、我々動物も、大地の呼吸によって生かされているのだと。

演奏者 堀田峰明 (99年秋の私が出てきますのでお気をつけください)

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