UTAUカバー「金野火織の金色提言」諸々/付録

改めまして、担当動画師です。前フリは略して、早速本題。

担当した動画については前回の記事を見ていただくとして、今回は動画内で使用した文章を放流するついでに、歌詞に登場する用語やこの楽曲に関わる用語、動画で使用した小ネタを私的に噛み砕いて書いてみようと思います。

ぶっちゃけ用語解説とかなら調べればもうちょっと正確なものが他の場所にも書かれてると思うんで、これでもう少し知りたいな〜みたいなことかあったらほかの場所も当たってみてください。

【注】
・動画内で使った部分は太字にしています。
・辞書形式なのは気分です。そんな気分で書きたかったからそうしました。原則楽曲内での登場順なので50音順ではありません。
この解説は、「金野火織の金色提言 -Her Shouting RMX,-」をご視聴いただいた音ゲー界隈外の方へ向けたものです。
この文章はあくまでも私(jubeat専ド偏食音ゲーマー)の視点で書かれたもののため、微妙な間違いがある可能性があります(動画で使用した部分については添削を入れてもらっています)。内容に致命的なミスがあった場合は指摘してください。
この文章は動画の製作とほぼ同時進行で書かれたものであるため、一部記載内容に食い違いがある可能性があります。(とはいえニュアンスが変わるほどのミス・変更はないと思います)


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★基礎知識

・こんのひおりのこんじきていげん【金野火織の金色提言
2018年初出、DJ TECHNORCH feat.宇宙★海月による楽曲。ジャンル名は「音ゲー賛美歌」。
曲そのものについては楽曲コメントに、今回投稿したUTAUカバーにおけるFeel your OSUSHIによるリミックスに関することはおすし業をしている皆様にお譲りします。私が担当した部分については前回の記事にて。

・おと-ゲー【音ゲー
「音楽ゲーム」の略。その名の通り、音楽に合わせてプレイヤーが特定のアクションをすることで進行するゲームの総称です。
リズムゲー(リズムアクションゲーム)と呼ばれたり、乙女ゲーム(乙ゲー)と区別して「おんげー」と呼ばれることもあったりします。
かつて(2010年まで)はSEGAの登録商標でしたが、現在は切れているため他社のゲームでも普通にこの文言が使用されています。

・ツーディーエックス【IIDX】
beatmaniaIIDXのこと。1999年にコナミ(現・コナミデジタルエンタテインメント)が発売したアーケード音楽ゲーム、通称「弐寺」(IIDX→ツー・デラックス→ツー・デラ→ニデラ→弐寺)。現行バージョン(2020年6月30日現在)は26作目のHEROIC VERSE
楽曲内における「ツーディーエックス」という読み方は、14作目「GOLD」で登場した楽曲「GOLD RUSH」をリスペクトしたものと思われます。
「金野火織の金色提言」において題材となっているゲームです。音ゲーコーナーに置かれている、なにやらガチな雰囲気を漂わせたでっかいアレ。元々はその名の通りbeatmaniaIIというゲームの上位ブランドとして作られたものですが、IIDXに人気が集中した為にIIの稼働は見送られ、その名残がタイトルに残っているのだそうです。
黙ってオレについてこい! たのしいぜ。

・ビーマニ【BEMANI
(曲内には登場しませんが、弐寺を始めとする音ゲーを語るにあたってはほぼ必ず出てくる言葉なので、念の為に記載)
コナミ(現・コナミデジタルエンタテインメント)製の音楽ゲームの統一ブランド名。ゲーセンに置かれた音ゲーに「KONAMI」って書いてあったら、そのゲームはだいたいBEMANIです。
ちなみにこの言葉の由来は「beatmania」、弐寺の前身且つ音楽ゲームの始祖となったゲームです。そのため、弐寺を含む「beatmania」を冠する音ゲーのみを指して「ビーマニ」と呼ぶ人もそこそこいたりします。


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★歌詞登場ネタ

動画内で使用した部分は太字にしています。

・ふり-む・く【振り向く】
顔や体を後方へ向けること。
音ゲーマー七不思議のひとつ。別にイキってるとかではありませんが、よくやります。楽曲が終わった時とかに。
ちなみに、弐寺の曲ではありませんが、公式が楽しみ方の1つとして振り向きプレイを推奨(?)している楽曲があったりもしますあの日からっ( ゚д゚ )彡

・くびをかしげる【首を傾げる】
疑問や不信感を覚え、首を横に傾けること。
こちらも音ゲーマー七不思議のひとつ。本当によくやります。
私の場合はいつもならコンボを繋げられている場所でミスってしまった時など、「本来出来ることができなかった時」に反射的にやっちゃうことが多いです。原因が分からずに「なんで〜?」ってなってやる時もあるし、筐体のメンテが悪くて無反応があった時などはハァ〜!?と思いながらやることもあります。他の人がどうかは分かりませんが。どんな理由であれ筐体に八つ当たりしてぶっ壊すよりかは遥かにマシなので、暖かい目で見てあげてください。

・げーむはいちにちいちじかん【ゲームは1日1時間】
高橋名人」の名前で知られるゲームの達人・高橋利幸さんによる言葉。
最初の言葉だけが有名ですが、本来はこの後に「外で遊ぼう元気良く」「僕らの仕事はもちろん勉強」「成績上がればゲームも楽しい」「僕らは未来の社会人」と続きます。
「ゲームが上手くなりたいならそれだけに夢中になるのではなく、他のことも沢山経験しよう」ということ。ゲームを上達させるためのコツとして示されたもので、単なる躾のための言葉ではないようです。
ちなみに高橋名人は歌が上手いことでも知られていて、55歳のお誕生日を記念したオリジナル曲maimaiに収録されていたりもします。声が良い。音源録りませんか?(UTAU脳)

ダブル【double】
ダブルプレイの略。対戦などのためにふたり分設置されているボタン等を1人で全て使って遊ぶこと。またはそのためのモード。
同:DP 対:シングル・SP
……弐寺の場合は1台をふたりで共有してる遊んでるシーンはあまり見ない印象があります。1Pと2Pでボタンの配置が違い、プレイ感が大きく変わるからというのが大きな理由としてあるようです。

・かた-て【片手
片手プレイ。本来両手で遊ぶことが想定されているゲームを片手で遊ぶこと。

・ねん-ちゃく【粘着
音楽ゲームにおいて、フルコンボ・特定スコアなどの目的を達成するために同じ譜面を連続で選択し続けること。
気持ちはわかる。

・くせ-つけ【癖つけ
粘着など様々な要因から、特定の場所でミス等をしやすくなってしまった状態。
宿敵。こうなったら抜けるまでが大変です。めちゃくちゃ好きな曲に限ってこうなったりするからタチが悪い。メンタルを極限まで鍛えて修正していくか、悔しさを抑えてその譜面のことを一旦忘却するしか道はありません。つらい。

・らん【
ランダムオプションの略。譜面のレーンをランダムに入れ替えるための設定、またはそれを使用して生成された譜面のこと。
類:S乱・ミラー 対:正規
この機能がない音ゲーを触っている私には全くピンと来ない言葉だったのですが、調べてカルチャーショックを受けました。そんなことやっていいんだ……どのような押し方が飛んできても無理押しにならないゲームだからこそできる所業です。
これを使うことで一部の譜面が大幅に押しやすくなったり、色々な譜面に対する対応力がついたりするらしいです。
ちなみに類語の「ミラー」は、正規の譜面のレーンの位置を反転させる為のオプションです。

・ぎゃく-ボ【逆ボ
逆ボーダーの略。ボーダーラインギリギリのところでクリア出来なかった時に使う言葉。
弐寺は曲の終了時、グルーブゲージと呼ばれるゲージがボーダーラインよりも上になってさえいれば、スコアに関係なくクリアになるシステムになっています。逆にどれだけ調子が良くても、最後にミスしまくる等で終了時にボーダーラインまで行っていなければその場で即終了、ということも起こり得ます。怖……(でもモードによってはクリア出来なくても曲数保証があったりするので、怖がらずに遊んでみましょう)

・さら-ふめん【皿譜面
beatmaniaシリーズにおいて、赤いノーツが多く降ってくる譜面のこと
赤いノーツはターンテーブルのスクラッチを指示するもので、このターンテーブルをお皿に見立ててこの呼び名がついています。

・タオル【towel】
プレイ中、画面上部をタオルで隠すこと。
類:SUD+
類義語としてあげた「SUD+(SUDDEN+)」は、レーンの上部を隠すためのオプションです(レーンの一部を隠すことで、視界に入ってくる情報量やノーツが現れてから押すまでの時間を調整する、目線を固定して認識しやすくするなどといった効果があります)。この機能がなかったころは、代わりにタオルをモニター部分に引っ掛けて使っていたとか。
なので今はあまり見ない光景なのですが、たまに昔の音ゲーが置かれてるゲームセンターに行くと本当に筐体のモニターにタオルがかかっている事があって、それに𝐄𝐌𝐎𝐓𝐈𝐎𝐍𝐀𝐋を感じたりするわけです(隙自語)。

・ハイ-スピ【HI-SPEED】
ハイスピードの略。ノーツが飛んでくるスピードの速さを変えるための設定。
同:HS 類:NHS・FHS
定番の機能、ハイスピ。基本的には早めに設定するのが一般的です。非音ゲーマーの方には「そんな早くして見えるの!?」と驚かれるのですが、早くすることでノーツとノーツの間隔が開き、落ちてくる順序を誤認しにくくなるのです。……ってこれ、SUD+のことも合わせて結構前に某VTuberが解説やってたな。そっち見た方がわかりやすいです。

・サファリ-なんみん【サファリ難民
beatmaniallDXの段位認定七段において、最終曲「THE SAFARI」に躓いてしまうがためにいつまでも合格することができない人々のこと。
類:ギガデリ難民
「THE SAFARI」は、2002年に段位認定(弐寺において腕前の基準となる機能)が登場して以降、なんと18年が経過する現在(2020年6月30日現在)においても、SP七段の最後を飾る曲として君臨し続けるレジェンド楽曲として知られています。要するにめちゃくちゃ難しいってこと。
類義語として上げた「ギガデリ」は「gigadelic」のこと。2018年にその座を別の曲(「S!ck」)に譲るまではSP八段の最後の曲であったことで知られ、サファリ難民を脱却したのもつかの間この関門にぶち当たり苦悩するプレイヤーも少なくなかったそうです。

ピカ-グレ
《(和)ぴかぴか+great》弐寺において、特にいいタイミングでノーツを押せた時に出る、多色に変化するgreat判定のこと。
同:JUST GREAT
この言葉、恐らく弐寺をやってない人はあまり使わないです。判定の名前はゲームによって大きく異なり、自ずと通称も変わってくるからです。具体的には、同じ最高評価でも「PERFECT(jubeatなど)」「JUST(REFLEC BEATなど)」「Flawless(CROSS×BEATSなど)」と様々な表現があります。モノによっては独自の造語を使っているものも……(EZ2ACSabin Sound Starの「KOOL」など) また、同じ「COOL」や「GREAT」でもどの程度いい評価なのかはゲームによって変わるので、人によってその言葉から受ける印象が大幅に変わったりもします。音ゲーって難しい。

・ひか-る【光る
音楽ゲームにおいて、指示されたタイミングでアクションをして最高判定を出すこと。この場合は「ピカグレを出す」の意。
これは結構使う。「最高判定を出す」みたいな意味合いで使います。具体的に用例を挙げると、「あの発狂全部光ったのにそのあとクソみたいなミスした、音ゲー引退するわ」みたいな感じ。

・あたり-まち【当たり待ち
ランダムオプションを掛けた上で粘着し、捌きやすい譜面が出現するまでプレイし続けること。
一種のガチャ。ランダムオプションがあるからこそ出来る所業です。賛否割れそう……(AC版jubeat勢並感)

・エーエー【AA
ここではD.J.Amuro(dj TAKAの別名義)による楽曲のこと。「ダブルエー」「ダブルエース」とも。
dj TAKA氏は先述した「THE SAFARI」を手掛けた方でもあります(Lion Musashi名義)。

・エー【A
ここではbeatmaniaシリーズにおける事実上の最高難易度譜面「ANOTHER」のこと。
同:穴 類:黒譜面・brother譜面
今でこそ、多くのゲームでは1曲につき各難易度別の2、3譜面用意されているのが一般的ですが、beatmaniaシリーズの初期の頃は「1曲につき1譜面」が基本だったようで、ANOTHER譜面というのはその名の通り「おまけのもう1譜面」という特別な扱いでした。そのため当初その譜面で遊ぶには特殊な操作を要求され、難易度も遊んでみるまでわからない、という扱いになっていました。
時が進んだ現在はほぼ全ての楽曲にこの「おまけ」が用意されており、簡単なボタン操作で遊べるようになっています。このため、ANOTHER譜面は単なる「おまけ」の域を逸脱し、上記の通り事実上の最高難易度譜面として扱われることの方が多いようです。

・エーエーエー【AAA
弐寺において、楽曲終了時に表示される総合評価のひとつ。このランクが最高評価にあたる。
同:鳥A
「トリプル」を「鳥」と呼ぶの、よくある。クリアランク(リザルト画面で出てくるそのプレイの総合評価)もゲームによって全く違うんですが、最高評価、またはオールパーフェクトの次に凄い評価がAAAだったりSSSだったりするゲームは結構多い気がします。だから「鳥を取った」=「すげぇスコアを取った」っていう認識をしていただければ、だいたい間違ってないんじゃないかな。知らんけど(天下無双)


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★歌詞関係ないけど動画にぶっこんだネタ

探すほどのものでもないと思うけど、よかったら探してみてね(ここからは辞書形式ではないです)

あんみつのイラスト
音楽ゲームにおいて、同時ではないが近いタイミングで降ってきた複数のノーツを同時に押して処理することを、俗に「あんみつ」と呼んでいます。このテクニックを使えば譜面を簡略化しつつコンボを繋ぐことが出来たりします(当然、ジャストタイミングではないのでそのぶんスコアは落ちますが……)。
この名前は考案者のプレイヤーネームからとられたものなんだそうです。

かまぼこのイラスト
上記「皿譜面」の項目を参照のこと。あの赤いノーツがかまぼこに見えるのだとか。おいしそう(KONAMI感)

柔軟剤のイラスト
──昔々(1999年)、beatmaniallDXという音楽ゲームに、ある楽曲が収録されました。この曲の譜面には、当時としては革新的かつ凶悪なある仕掛けが施されており、多くのプレイヤーを驚愕させました。この出来事の後、音楽ゲームには似たような仕掛けを持った高難度譜面が多く登場することとなり、プレイヤーはそのような譜面のことをこの楽曲のタイトルから「ソフラン」と呼ぶようになりましたとさ、めでたしめでたし──
…………
狭義では、「楽曲そのもののテンポは全く変わらないのに、突然加速したり減速したりする譜面」のことをソフランと呼びます。しかし最近では楽曲にBPM変化がある曲とその譜面全般を指してソフランと呼ぶことも多いようです。さすがにソフランのイラストがいらすとやさんにあるわけもないので、柔軟剤で代用させていただきました。

パセリのイラスト
一部アーケードゲームやKONAMIの通販サイト、イベント等で使えるBEMANIプレイヤー御用達のプリペイド式電子マネー、「PASELI」のこと。データ保存に使用するe-amusement passと千円札、そしてゲームセンターに置かれた専用のチャージ機があれば、特殊な登録なしで使い始めることができます。先にチャージしておけばいちいち小銭を探したり両替する必要もないので、物凄く便利。


★終わりに

いかがでしたか?(アフィサイトのモノマネ)

今回のこのカバー、そしてこの記事で少しでも音ゲー、もとい弐寺、BEMANIシリーズに興味を持って貰えたらいいなぁと思いました。アレ?このセリフ言うの何回目だったかな……

とりあえず一旦はここで締めます。前回の記事も含め、長々とご清聴ありがとうございました。
ではまた近いうちに。

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