UTAUカバー「金野火織の金色提言」諸々

例のブツ、投稿されましたね。
どこに出しても恥ずかしくないjubeatのオタクの動画担当、舞韻/hayu.です。

ということで今回はこの動画、「金野火織の金色提言 -Her Shouting RMX,-」について。かなり長くあっためてただけあって裏話も多いので、箇条書きで色々語ってこうかな〜と思います。


・構想段階

・私自身が原曲の存在を知ったのは2019年1月、BEMANI Fan Siteが毎月更新している「CHECK! SONGS」というページにこの曲が載っていたことがきっかけだったと思います。ジャケット画像のインパクトが強すぎた。

・弐寺勢さん以外の音ゲーマーの方の中には、楽曲コメントが出たことで初めてこの曲を聴いた……って方もそこそこいるかと思います。私もそれです(存在は知ってたけど、曲は聴いてなかった)。あの文、良くも悪くも万人の心を動かす名文なんじゃないかと思うんですね。音ゲーマー以外でも全人類目を通していただきたいです。


ヒイロでカバーしよう!という流れになり始めたのは昨年の秋頃でした。が突然「やりたい!!」と言い出した。は?オケとかどうすんの??つか調声できんの???というのがファーストインプレッション。

・といっても、UTAU音源の中で言うなら彼女以上にこの曲が似合う音源、この曲を歌いこなせるであろう音源(not性能的な意味)はいないのではないか、とも思ったのですね。それに半年以上期間があるし、それだけいろいろと練る時間もある。いいじゃん。そんな感じで、企画をやり始めることになりました。

・当然、この段階では「-Conflict-」を配布する気はありませんでした。あの音源はあのカバー専用音源、っていう体で作られたやつだしね。普通に機種違いです。

・曲が曲なので、(少なくとも当初の)妹はいつぞやのUTAMANIメドレーとかいつぞやのインザネみたいに「この曲にクソデカ感情抱いてる(であろう)みんなで集まって私情と個性をぶつけ合って化学反応起こしていいモン作ろうぜ!」みたいなノリでいたらしく、その結果リミックスは無生物コンピなどで度々曲を出したりしているおすしのグループ、「Feel Your OSUSHI」の面々でやることになったそうです。みんな音ゲー好きだし、確かにいいものができそう(実際できた)。

・でも私自身は(少なくとも初期段階での)妹の考え方に少し違和感を感じていました。この曲は(作者ではない)金野火織という一人の少女の提言なのだから、作者が出張って主張をするのは微妙に違う気がする。そもそも、この企画自体繊月緋色が主役なのだし、作者はあまり出張らない方が良くね?っていう。

・なので私はそれとは少し違うアプローチ、つまり「この曲を繊月緋色はどのように歌うだろう」という視点で動画を作ることにしました。後述。

・私はどう足掻いても動画制作担当になるのが確定していたので、駄々こねてビジュアル関連に関することを一任させてもらいました。絵師さん選びに関しては少し議論しましたが、それと衣装デザイン以外の部分、例えば構図指定とか、どんな雰囲気にするとか、そういうのは全て私が決めてます。

・絵師さんに依頼をするにあたり、資料集めには死ぬほど苦労しました。いやだって、音ゲーマー以外の人って相当機会がない限り筐体なんて描かないでしょ。まして最近出たばかりの新筐体なんて、絵に描くどころかちゃんと見たことある人の方が少ないんじゃないか……?それに加えて描いてもらいたい構図を写真に撮るのが物理的に不可能だったのもあって、そのあたりをどう分かりやすく伝えるかという点でかなり頭を抱えました。伝わってよかった……


・製作段階

・イラスト担当・うろさんには、資料片手に駄々をこねて差分を大量に用意していただきました。表情差分、レイヤー分け差分合わせて計20枚。中にはご好意で、動かせるようにと腕だけ分けていただいた差分もあったのですが、上手く活用できなくて本当に申し訳ないです……

・界隈では神絵師として有名なうろさんですが、今回も本当に見事なモノを描いていただけました。あんなに凛としたヒイロさん、いる?普段botで「はわわ」とか「ふええ」とか「きんぐぐぬー」とか「ターンテーボージャンキーww」とか言ってるあのヒイロさんが、あの表情……なんで……どうして……好き……


・カバーのデモを初めて聴いたのはイラストが届いたあと、妹の調声作業が終わったころの話です。当時はまだリズム担当・さんまのおすし先輩の手が加えられていない段階だったのですが、この時点でもう既に超ぶっ飛んだモノになってたのでビビり散らかしました。どうしてこうなった?特にジャズパート……

・何が凄いってあのジャズパート、原曲の音をちゃんと拾ってアレンジされてるんですよね。これを聴いたあとに原曲聴いてびっくりしちゃった。聞こえるか聞こえないかくらいの低音からあの大胆アレンジができるのがほんとに凄い。普段何食べてらっしゃるんですか?

・楽曲の完成版が届いたのはこちらの製作に取りかかった後でした(MIXと動画製作を同時にやってた)。さんまのおすし先輩はやっぱり過激ですね。音楽詳しくないけどああいう重い感じの音が大好きなんですよね……ジャズパート直後の、ラスサビ(?)に向けた盛り上がり方が凄く好き。


・構想期間が長かったので、音源ができる前から「こういう動画を作りたいなぁ」「こういう演出入れてぇなぁ」みたいな考えはあったのですが、先述の通り届いた音源がかなり、こう、想像の斜め上どころか真上すっ飛んで大気圏突破してしまってて(超褒めてる)、その勢いで今まで考えてたものも全部消し飛んでしまったんですね。でも「寿司たちがこんなに好き勝手やってるんだから、私も私で好き勝手してええやろ!」と思い直して、何とか動画作りました。


・妹との合言葉は(必要以上に)本家に寄せたら負け」でした。だから本家がやってない(やらなさそうな)ことをやる、ということを強めに意識しています。例えばいらすとやさんとか。あとはいらすとやさんとか……

・(いらすとやの中の人・みふねたかしさんはjubeat10周年の際にイラストを提供されているので、一応音楽ゲーム、もといBEMANIシリーズには縁がある方です。でもだからといってBEMANI Designersの方々がいらすとやを使うかと言うと……多分使わないと思うんですよね)


えびのおすし先輩大暴れのジャズパートで出てくる怒涛の用語解説演出は、かなり初期段階、デモが上がってくるよりもはるか前から決めていたものでした。私ですら初聴のときには「乱って何???」「逆ボって何???」「タオル(以下略)」となってしまったんですよ。それに実際聴いてくださる方は私より音ゲーに疎い方のほうが多いでしょうから、ないよりはあった方が絶対にいい。

・とはいえアレじゃいちいち一時停止するのも難しいと思うので、この解説文に関してはまた別に記事作って載っけます。気になる方は読んでみてね。


・私が意識したことに「ビジュアルのヒイロとカバーを歌っているヒイロを(基本的に)同一視させないようにする」ということがあります。明らかに口の動きが合っていないと思うのですよね。アレは手抜きとかじゃなくて、わざとです。てぬきじゃないよ。ほんとだよ……

・というのも、「繊月緋色はこの曲をどう歌うのか」を動画を見た方に考えていただきたかったという理由があります。私なりにも考えたし、最初はそれを依頼する時とかにも反映してもらおうと思ったのですが、全く想像がつかなかった。だから、(非常に悪い言い方ですが)考えることをどうにかして動画視聴者の方に丸投げしようと画策して、その結果ああいう演出に落ち着いたという感じです。こうだからvoiceフォルダの子達にも嫌われるんだよな。

・視覚情報って、一旦他の情報と結びつくとその瞬間にそのイメージで固定されてしまうと思うのですよね(言いたいこと伝わるかな)。だから、私が私の目的を果たすためにはまずどうにかしてビジュアルのヒイロと実際に歌っているヒイロを分離させないといけなかった。だから敢えてあの口パクは違う曲に合わせて動かしています。このヒイロは無表情だけど、実際にこの曲を歌っているヒイロは違うかもしれない。さすがにそこまで思っていただくには無理にしても、せめて違和感を持っていただけたのならばそれで充分です。

・思うと、イラストを依頼する時に無表情でオーダーしたのは大正解だったんじゃないかなと思うんですよね。歌い方と表情の落差というか。「レゾンデートル、前線より」の時ほどではないけど、同じような齟齬ができてるんじゃなかろうか。


・今回動画製作をする中で最も嬉しかった出来事は、「GAYME CC」の使い方をようやく理解出来たことでした。限定公開になっているようなので配布動画の場所は伏せますが、アレってどこにも使い方が書いてなかったから使い方が全然わからなくて、ずっと放置してたんですよね。使えた時は本当に感動した。愛用します。

・逆にいちばんしんどかったのは間奏。全然思いつかなかった……本当に思いつかなかったので、妹に何度も相談してああいう形に落ち着かせました。

・ラスサビ(?)前の逆再生シーンには、確認用にお試しエンコした動画を使用しています。フレームバッファの位置がガッツリズレてる部分あったけど、めちゃくちゃ早送りにしたからたぶんバレてない。28日の予告動画にも同じの使ったけど、アレも超ボカしたから大丈夫。きっと。


・ということで、完成した動画のPFは概ねこんな感じになりました。

画像1

うーん、いつもそうだけど、絶好調なところと絶不調なところの差が激しいですね。


・そうそう、タイトルの「-Her Shouting RMX,-」というネーミングは投稿予約の時点で知りました。なんでだよ。名付けた妹曰く、「だって動画にタイトル入れないって言ってたやんけ」だそうです。ごもっとも。


・蛇足

・同時公開・限定配布となった繊月緋色の音源ですが、こちらの話は本題とは少しズレた話題になるのでまたいつか改めてしようと思います(配布動画にすればその分話題取れるし、その分再生数も取れそうだから……という話し合いがあったのは内緒)。特に新音源の「-Conflict-」はその名の通りconflictが歌えるだけあってかなり有能な音源になってると思うので、ぜひこの機会に、お忘れなくお迎えしていただければと思います。

・先程も少し触れましたが、この動画内に使った小ネタや動画内の解説文章については、次の記事に(自分語り付きで)まとめます。そちらもよければご覧ください。


それでは今回はこんな感じで。また次回〜

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