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今、女子サッカー選手に求められる視点の高い思考『抽象度』

前回は抽象度について説明しました。


抽象度を上げる=潜在的な情報量が増える=俯瞰的な視点と思考で物事をみられるということでした。


サッカー選手の抽象度が上がれば、今後のゲーム展開や敵味方の選手の動きが大方読めるようになります。

俯瞰して物事をみられるようになれば、時間軸上の未来も予測ができてきます。



たとえば、左WG(11)が相手右サイドバックをかわすために、左サイドにスルーパスをだす。そうすれば3秒後に後方から味方SB(3)がオーバーラップしてくる。


CF(9)が相手ゴールエリア内で、マンツーマンを仕掛けてくる相手SBをひきつけている間に、オーバーラップしてきた味方SB(3)がセンタリングで長身のCF(9)の頭に合わせようと思わせながら、実はその右斜め後方に展開する味方の偽9番に絶妙なパスをだして、そのままシュート。

サッカー場


または


うちの強いはサイドへ深くボールを供給することだ。また相手のCBはマンツーマンにこだわっている。これは絶対に失点を許さないという意思の表れだ。だったら、その裏をかいてCFをおとりに使って、敵CBをひきつける。すると、中央にスペースができるので、そこに折り返して、一気につく!


などと、抽象度が上がれば、瞬時に今後のパスコース、敵味方選手の動きが読めてきます。もしくは意図的に、そうなるようにゲーム空間をコントロールできるようになります。


このような選手は代々『司令塔』と呼ばれてきました。


司令塔といえば中田英寿元選手が有名です。

中田選手の経歴をここで詳しく説明する必要はないかと思いますが、日本代表としてはもちろん、セリエAやプレミアリーグでも活躍しました。

この方は間違いなく抽象度が高い。

中田英寿

中田さんはサッカーはもちろん、高校生の頃から成績優秀だったそうです。たしか、私が高校の頃にみたテレビ番組で将来は税理士になることも考えて勉強もキチンとしていると言っていました。

英語やイタリア語も上手に操ります。

引退後はビジネスマンとして商才を発揮されています。



一言でいえば『なんでもできる人』。

『なんでもできる人=抽象度が高い人』です。


といいますのは、抽象度の高い人は、仮に未経験や未知の出来事に遭遇しても、

『今回Aという活動を行うのは初めてだけど、でもこれは以前体験したBと似ているな…。だったら、こうすれば上手くいくハズだ』

といった感じで、今まで経験・体験してきた活動の中との共通点をみつけ出し、すぐに適応します。


『はじめてだけど、初めてじゃない』みたいな感覚です。


別の言い方をすれば、一を聞いて、十理解できる人です。



では、なぜこのような芸当が可能なのかというと、それは以前説明した通り、抽象度が高い=潜在的な情報量をもっているからです。



さて、この抽象度をマスターしておくことは、とくに女子サッカー選手には重要です。


抽象度はサッカーはもちろん、仕事にも役立ちます。


ご存じのように、今の女子サッカー(選手)の環境は決して恵まれているとは言えません。サッカーだけで食べていけているのは、ほんの一握り。


大部分の選手は仕事をしながらサッカーをしているのが現状です。それは都市部のチームでも地方のチームでも同じです。


しかし抽象度が上がれば、仕事のクオリティーも間違いなく上がります。


仕事で結果を出せば『さすが〇〇さん。サッカー選手は違うね!』と高評価を得ることができます。

worker 女

すると勤め先の同僚や地域の人にスタジアムまで足を運んでもらいやすくなります。


つまり、あなたが抽象度を上げていくことは、草の根で女子サッカーの人気を上げて貢献していくことに繋がるのです!


あなたのため、そして後に続く人たちのために抽象度を上げていきましょう!

女子サッカー⑥


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