バックログ


カナダはバックログ(処理待ち案件の渋滞)をつくるのが得意だ。だいたい何をするにも、受け付けてもらうまでかなり待つか、受け付けてもらっても、いったんウェイティングリスト(順番待ちリスト)というものに載る。
 
パスポートは申請してから発行まで7ヵ月ほどかかっていた。
移民申請は3年ほどかかる。
民事で家庭裁判所の初回呼び出しも1年以上らしい。

国税局側のミスを訂正してもらう手続きは、申請書を提出してから受付までの期間は17か月だと言われた。面白いことに、国税局のミスはよくあるらしく、状況の訂正を求める理由の欄に「国税局のミス」というチェック項目がすでに用意されている。

ファミリードクターに診てもらうには2,3週間。
2,3週間も待っていられない緊急の症状がある人は、救急外来で12時間、または翌日出直し。
整形外科の手術は2年。
心療内科系の初診も3年ほど。
看取りのための緩和ケアは、主治医からバトンタッチされた後に、最初のケアを受けられるまで6週間(もちろん順番待ちのあいだは医療もケアもない)。
重大刑事裁判は10年以上かかり、刑が確定していない人を拘束できる期間が過ぎて、確定しないままただ出てくる(こともある)。
 
全部「バックログ」ができていて、「ウェイティングリスト」があるのだ。
 

最近おどろいた。カナダポスト(郵便局)から配達完了のメールが入ったものの、受け取る予定の荷物はなかった。インターネットで追跡すると、たしかに該当番号の荷物の記録があるので、スパムではないらしい。玄関先に何かを置いていったのかと思い、探しても見当たらない。もういちど追跡をよくみると、配達を完了したのは3日前だった。3日前なら、たしかに受け取った。
 
配達完了通知を送るのにもバックログがあるらしい。たくさんの人たちが通知を順に受け取っていて、3日してやっとわが家に通知してもらう順番が回ってきたらしい。
 
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