COVID-19に罹患した話

 2022年夏、新型コロナウイルスに感染した。ワクチンは3回接種済み。基礎疾患は特に無し。
 連日の感染者の報道を見ると、いつ自分が罹ってもおかしくないと腹を括っていたが、心根では『自分は大丈夫』と過信してしまっていたことをこの時ばかりは猛省したい。
感染者になってしまったショックとストレスは相当なもので、自身の体調よりも何処までが濃厚接触者に該当するのか、自分のせいで感染させてしまっていないか、それが一番気掛かりで各所に連絡をするたびに胃がキリキリした。

 この記事は自分の記録として残したく、こうして綴っている。

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0日目:第7波以降、週1の恒例になっているPCR/抗原検査を朝一番に受ける。起き抜けから今日は何だか喉が乾燥するなと思っていたが、その後正午にかけて風邪をひいた時の喉痛と同じ症状が出たので、いつものようにビタミン剤と紅茶で治す。
しかし夜になると今度は腕と太腿にこれまたザワザワとした悪寒のような違和感を感じる。熱が出る前兆だ。

1日目:朝目が覚めて体温を測ると、38.0℃を示す。受け入れられない事実を払拭したく右脇で測り直すと37.2℃・・何だこの差は??
この日は朝から暑く、汗をかいていたのでクールダウンをしようとシャワーを浴びる。その後再度測り直し、左脇37.2℃、右脇36.8℃という結果に加え、昨日のPCR検査が陰性という検査結果に安堵してしまった。

2日目:昨日と変わらぬ状況に是非もなし。かかりつけの病院の発熱外来を受診し、陽性と認定される。発症日は一昨日とのこと。
医師から陽性判定を言い渡された時、ショックが大きかったのだろう、貧血と脱水症状を起こし、意識を失い倒れ込んでしまった。血の気が引き、冷や汗が止まらず、手首から指先にかけて感覚を失い硬直し痺れも伴った。熱中症の前触れである。・・その後数日経っても手の痺れの感触が残っていた。
そんな意識が朦朧としてる中、何故か陽性判定の出た反応カセットをスマホで撮らせてくれるということで、看護師さんにスマホを託し記念(?)に撮影。

左がコロナ、Tのラインがくっきりと。
右がインフルエンザ。


介抱され意識が回復した後は諸々の説明を受け、パルスオキシメーターを借り、薬を処方された。帰宅後は〈都道府県感染症対策課〉〈厚生労働省/保健所〉から続々とショートメールが届き、My HER-SYSを登録し、配食サービスを申し込む。

3日目:熱は昨日と変わりなく37.2℃前後、最高37.7℃まで上がり、とにかく変動が大きかった。この日から鼻が詰まり、咳が出始めた。痰(透明に近い黄身かかった色)、鼻水(透明)、どちらも出る。0日目の喉痛はいつの間にか解消していた。そしてこの日から味覚が気になり始める。甘味や塩味は感じるが、苦味が薄いような、舌に膜が張られような感覚になる。そうかと思えばスポーツ飲料を苦く感じたり、自分の想像している味覚と実際の味が異なることに混乱した。

4日目:熱がようやく36℃代をキープできるようになっていた。咳は昨日と同じくらい、咳き込むというよりも咽せるに近い。この日の午後に配食が届く。(もちろん置き配、誤配にならないよう申込時に自宅の外観の特徴を入力し、お届け時には電話連絡をくれる) 味覚は今度は旨味以外の感覚が何段階か下がったような、何となくぼんやりするようになった。

5〜7日目:鼻づまりは緩和され、咳も空咳というぐらいになる。自室と同フロアのトイレしか移動していなかったためか、階段の上り下りで若干フラつく。4日目に補充した保湿ティッシュ(120組)を7日目に使い切る。この頃には味覚は取り戻したと思いきや、今度は強く感じるようになる。特に甘味は非常に強く反応し、甘党なのに何だか体が受け付けなくなるようになる。(甘いモノが苦手という人の感覚だろうか?) 幸い嗅覚は何も問題が起きず、食事は苦では無かったことが救いだった。

8,9日目:風邪の治りかけのような咳になる。多少のフラつきはあるが、洗濯やアイロンがけ、簡単な掃除などの家事をしても疲れなかった。体が少しずつ通常に戻ろうとしたのだろう。

10日目:軽い咳と鼻水の出ないくしゃみ。取り寄せていた抗原検査キットで検査をし陰性と出る。
※当初、この日が自宅療養最終日と言われていたのだが、陽性判定を受けた日を0日とするため、後2日間の自宅待機を余儀なくされた。

24〜72時間後:鼻声になる。お腹がゆるくなる。味覚は何だか過敏になっている。手の痺れが何となくあるが、この症状はコロナの後遺症として症例は少ないらしく経過観察となった。倦怠感は思っていた程感じなかった。

10日以上振りに外へ出ると、夏の終わりの匂いがした。

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——ここからは自己流の過ごし方になる。

◎なるべく起き上がる
自室にはソファが無いため、ベッドの上で怠けてしまいがちになることを軽減すべく、床に足つぼマットとヨガマットを敷き、日中は上体を起こしている時間を保った。(ヨガらしいことはしていない) 

◎食事
水分をこまめに摂り、そこそこバランスの取れた食事を三食しっかり食べ、咀嚼回数をいつも以上に増やした。(現在も継続中)

◎腹式呼吸
空の2リットルのペットボトルを咥え、中の空気を吸い込む腹式呼吸のトレーニングをした。息を『吸って、吐いて』ではなく、『吐いて、吸って』を意識した。

◎服装とスキンケア
部屋着で過ごしていたが、ナイトブラを1日も欠かさずにしっかり付けていた。就寝中はシルクのナイトキャップを被り抜け毛を軽減。毎日ハンドクリームを塗り、就寝前にはフェイスパックもした。

◎脳トレ?
療養期間の記録をメモにとることで読み書きをしたり、クイズ番組を解いたり、謎解きや、クロスワードパズル解いたりするなど、脳の活性化を図った。(食事の項で述べた咀嚼回数を増やすことも脳の活性化につながる)

◎コンテンツを楽しむ
ラジオを聴いたり、映画、見逃し配信のTVや、YOUTUBEなどもたくさん観た。あまりネガティブにならないように明るい作品を選び、とにかく笑って過ごした。
お気に入りのイラスト集や画集も眺めることで心も癒された。本もたくさん読もうと思ったがそうでもなかった。

◎“いつかやろう”と後回しにしていたものをやる
洋服のボタン付け、バスケットの補修、ブックカバーの付け替え、文房具や紙モノの断捨離、etc..

これらが果たして、正しい過ごし方だったのかは定かではないし、医学的根拠も皆無である。
罹患して1ヶ月以上経過した今、幸いなことに後遺症だと自覚するものは無く、発症前と変わらない生活を送れている。
※強いてあげるなら熱中症の前触れであった手の痺れを時折感じることがあるが、だんだん弱くなってきている。

今はただ、大袈裟だけど生きていることに感謝している。