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2つのクラリネットの為のソナタ/F.プーランク

2つのクラリネットのためのソナタFP 7は、フランスの作曲家フランシス・プーランク(1899-1963)が1918年に作曲した、クラリネット2本による二重奏のためのソナタ。

第一次世界大戦の終結が目前に迫った1918年1月17日、プーランクは徴兵を受けることになった。フランスのヴァンセンヌに拠点を置きながらもパリの芸術との交流を欠かすことなく、彼は穏やかに作曲家としての道を歩き始めていた。
『黒人の狂詩曲』で一定の成功を収め、ピアノ曲『3つの無窮動(ノヴェレッテ)』の初演で世界的な名声を手にしたプーランクは、1918年の春に本曲と「4手の為のピアノソナタ」の2つの楽曲の制作に着手した。シャルル・ケクランに作曲を師事する以前の独学の時期であるが、既に明快、簡潔で時にアイロニックな彼のフランス的エスプリに満ちた音楽の特徴がはっきりと表出している。

このソナタではB♭管とA管のクラリネットが用いられており、第1楽章 "Presto"は3部形式で5音音階によるオスティナートが特徴的である。第2楽章 "Andante"は16分音符の伴奏の上に内省的な旋律が奏される。第3楽章"Vif"はアルペジオと軽妙な旋律を持つ小ロンドとなっている。全楽章を通じてクラリネットの多彩な音色が効果的に用いられている。


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