小説「まほうつかいのドジ」
あるところに、とても優秀なまほうつかいがいた。ふだんは杜の中に暮らすが、暗くなるとこっそり街に出て、町人と酒を酌み交わし、たまに酔いつぶれて町人に助けられながら、次の日にはまたちゃっかり杜の中に戻って、まほうの書を読んだり、訪ねてくる町人の話を聴いて「それは、そうだね」「やってみたらいいんじゃないかな」と短い呪文を唱えて、あっという間に悩みを解決してしまうので、いつの間にか「あの杜の中には小さく優秀なまほうつかいがいるが、小さすぎて見つけられないばかりかすぐに町に出て酔いつ