【12月ファイナンスラボ】サイバーエージェントとセプテーニの比較
一応広告業界にいる私ですが、2年目にも関わらず全く広告業界知らない、これはまずいと今回調べてみました。
広告業界の会社はどういった事業を展開しているのか、サイバーエージェントとセプテーニを比較してみます。
2社のビジネスモデル
・サイバーエージェント
(出典)有価証券報告書より
①メディア事業、②インターネット広告事業、③ゲーム事業の主に3つの事業を展開しています。
(参考)CyberAgent 新規投資家向け資料より
①メディア事業
(出典)CyberAgent Way 2021より
②インターネット広告事業
(出典)CyberAgent Way 2021より
③ゲーム事業
(出典)CyberAgent Way 2021より
・セプテーニ
(出典)有価証券報告書より
①デジタルマーケティング事業、②メディアプラットフォーム事業の主に2つの事業を展開しています。
①デジタルマーケティング事業
(出典)https://www.septeni-holdings.co.jp/business/digital.html
②メディアプラットフォーム事業
(出典)https://www.septeni-holdings.co.jp/business/platform.html
会計クイズ
どちらがサイバーエージェントでしょうか?
①連結2019~2021年(左から右へ)
②連結2018~2020年(左から右へ)
会計クイズ回答
正解は①がサイバーエージェントです!
広告事業、メディア事業を展開している点では同じなのに、PLが大きく違っていました。
今回は以下2点について仮説を立て、見ていきたいと思います。
①なぜ原価率、販管費率が大きく異なるのか?→原価、販管費率の内容が違うため?
②2社とも広告事業、メディア事業をしているが売上としては同じような傾向にあるのか?→メディア事業では、コロナ禍でユーザー数は増え、収益も増加したのでは?
販管費
①なぜ原価率、販管費率が大きく異なるのか?→原価、販管費率の内容が違うため?
①を確認するために、2社の費用について見ていきます。
・サイバーエージェント
IR資料から読み取れる販管費の内訳はこのようになっていました。
2021年は広告費が増加しています。広告費の内訳を見つけることができませんでしたが、「WINTICKET(メディア)」「うま娘(ゲーム)」の広告費だと考えられます。
(出典)CyberAgent Way 2021より
・セプテーニ
一方セプテーニはそこまで3年間だと大幅な増減は見られませんでした。
(出典)有価証券報告書より作成
売上原価
・サイバーエージェント
原価の内訳はIR資料から詳細はわかりませんでした。
前述のとおりサイバーエージェントは主に3つの事業を展開しています。
メディア事業のABEMAではオリジナルドラマが配信されていたり、ゲーム事業では次々と新たなゲームがリリースされていたりするため、価値を提供するためには、費用がかかるはずです。
・セプテーニ
セプテーニの原価内訳は
人件費、外注費、その他となっていました。
①なぜ原価率、販管費率が大きく異なるのか?→原価、販管費率の内容が違うため?
以下からもサイバーエージェントは今注力しているのはABEMAだといえます。
単純に商品を作り出すのにサイバーエージェントの方が費用がかかっているということがいえそうです。
売上
②2社とも広告事業、メディア事業をしているが売上としては同じような傾向にあるのか?→メディア事業では、コロナ禍でユーザー数は増え、収益も増加したのでは?
次に②を確認するため、2社の売上について見ていきたいと思います。
・サイバーエージェント
売上は右肩上がりで2021年急増しました。
(参考)CyberAgent 新規投資家向け資料より
内訳としては、次のようになっています。
(参考)有価証券報告書より作成
メディア事業の割合が大きくなってきていて、まだ半分ほど占めているもののインターネット広告事業の割合が2年間で10%も減少しているとは驚きです。
売上割合が増加しているメディア事業だけの推移を見てみると綺麗に右肩上がりでした。
(出典)CyberAgent Way 2021より
売上高の内訳見てみると4つに分かれています。
2020~2021年でグンと伸びたのは「周辺事業」という部分。
(参考)CyberAgent 新規投資家向け資料より
「WINTICKET」というネット競輪のサービスの売上が伸びていることが分かりました。
(参考)CyberAgent 新規投資家向け資料より
2019年から20121年にかけて急激に伸びています。たしかにスマホ使っているとき、TVを見ているとき、広告で見ることが多いように感じました。
WINTICKETの売上高は客単価×ユーザー数です。
詳しいユーザー数の推移は見つけられなかったのですが、増加していることは間違いないです。
いくつか要因があると思うのですが、3つあげました。
1利用しやすい
ギャンブル初心者の最初の抵抗お金を入れることです。キャッシュレス決済が使えることで初心者のハードルが下がったのではないでしょうか。ペイペイをはじめ、今では多くの決済サービスが使えるようです。
2コロナ禍でお家時間の増加
2020年からコロナ禍になり、お家時間が増加したこと、密を避けて行動するようになったこともユーザー獲得に寄与したと考えられます。
3お得感
キャンペーンを頻繁に実施しています。ケイリンくじや、ミッドナイト毎日的中ボーナスなど初心者でもやってみようかという気になります。
またポイントがたまる点も、ポイ活好きに刺さりますよね。
・セプテーニ
次にセプテーニの売上を見ていきます。
(出典)有価証券報告書より作成
内訳は以下のようになっていました。
(出典)有価証券報告書より作成
セプテーニもメディアの売上割合が高くなっていました。
メディア事業では収益が3つに分かれています。
(出典)2020年決算説明会資料より
①アプリ収益
アプリ内に出てくる広告でマネタイズしているようですが、コロナの影響で広告費用を削減する企業が多かったためかアプリ収益は減少しています。
②サブスクリプション
有料会員(GANMA!プレミアム)のことかと思います。GANMA!は無料でも使えるマンガアプリですが、有料会員になると
・180作品以上読み放題・連載作品が先読みできる・広告なしで読める
などができるようです。月額が680円で収益が2020年に急増していることからおうち時間が増えた方々が登録したんだろうと予想できます。
③クラウドファンディング
GANMA!から生まれたプロジェクトをクラウドファンディングとして進めています。2020年9月にはGANMA!内でアニメ化してほしいマンガランキングとして評価の高かったマンガ作品をアニメ化するというプロジェクトをしていました。
②2社とも広告事業、メディア事業をしているが売上としては同じような傾向にあるのか?→メディア事業では、コロナ禍でユーザー数は増え、収益も増加したのでは?
サイバーエージェント、セプテーニの売上を見てきて、2020、2021年は2社ともに、メディア事業の割合を増やしており、企業からマネタイズするビジネスモデルより、消費者からマネタイズするビジネスモデルの方が売上が伸びている傾向を読み取ることができました。
まとめ
①なぜ原価率、販管費率が大きく異なるのか?→サービスを提供するためにかかる内容が異なるため。
②2社とも広告事業、メディア事業をしているが売上としては同じような傾向にあるのか?→メディア事業においては2020、2021年toBからよりもtoCからの売上が伸びる傾向があった。
分析をして
分析しきれない部分が多く、筋のいい分析はできませんでした。分析まだまだ難しいです。根拠がないままに仮説だけで書いている部分もあったと反省です。
今月はもう無理かもと諦めそうになりましたが、書けて良かったです!
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