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第187回往復書簡 雑穀

牧野伊三夫 →  石田千さんへ

 小さい小鍋で、粟、もちきび、そばの実、アマランサスなどを炊いて、冷凍している小さな玄米の団子をひとつのせて蒸して食べるのが、このところの朝食。めし茶碗によそって、黒ゴマと、ゆかりなどのせる。それに、みそ汁、ひじき、梅干し、ぬか漬け、なにか青菜のおひたし。炭で焼いたウルメなんかあれば、言うことなし。ああ、腹がへってきた、、、
 白米を炊くときも、押し麦と、こういう雑穀を混ぜて炊く。黒米も入れるから黒々した色のに炊き上がる。もう何十年も前からこうやって炊くので、旅行に出たときに、宿でまっ白い、いわゆる銀シャリがでてくると、なんだかふわふわしてたよりなく、めしを食っている気がしない。そう、あるときからちらし鮨や柿の葉鮨をつくるときに黒糖でやるようになったので、わが家は鮨も褐色だ。
 秋に日田の林業を紹介するために、ヤブクグリの仲間たちと、バスで市内の杉の伐採現場や木材市場、製材所などの林業施設をめぐる「日田林業ツアー」というのを企画している。昨日は、その告知チラシのための絵を描いた。モデルは、マルサク佐藤製材の佐藤栄輔さん。
 彼は、製材業を営みながら絵を描いている画家で、僕が発行管理人をつとめる美術同人誌『四月と十月』の同人でもある。このあいだ会ったら、最近、ようやくアトリエをもつことができたとうれしそうに話していた。
 (7月3日月曜日)

今年9月16日「ヤブクグリの日」に日田で行なわれる林業ツアーのチラシ

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