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第162回往復書簡 元旦、12時56分

石田千 →  牧野伊三夫さんへ

 あけましておめでとうございます。本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 東京は、快晴。あおく澄んだ空に手をあわせた。
 母に電話をして、帰省をしてくれた兄夫妻にも挨拶ができた。
 ……ことしこそ、お会いしましょう。
 みなさんにいただいたメールにも、お年賀状にも、書いてあった。お気遣いをいただき、ありがとうございました。
 大晦日の夕方は、牧野さんに電話をして、一年のお礼をお伝えできた。そのときは、来年こそはお会いしましょうといった。
 きのうと、きょう。去年今年。
 2023年、最初の文章。あいかわらず、へろへろ、はみだし、好き放題。それでも、どこか、すがすがしい。やっぱり、新年はうれしい。
 うさぎの年。5歳うえの兄は年男で、還暦をむかえる。
 5年のちのおんなじ日に生れたのに、正確はみごとに真反対。占いを信じるのなら、血液型か、干支をおすすめしたい。
 兄が還暦ということは、半年たつと55歳になる。
 牧野さんとご一緒できた『窓辺のこと』は、50歳の一年間だった。あれから5年、記憶の束をほどくと、しゃがみこんでしまいそうなので、たばねたまんま、とりあえず一日前進。
 一年の計は、帰省をして、母に会う。牧野さんと上野さんと、ビールをのむ。
 きょうの望みは、これで、じゅうぶん。

 初夢は三本立てで友に会い   金町
  (1月6日金曜日)

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