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【読了】人間標本

蝶が恋しい。
蝶のことだけを考えながら生きていたい。

蝶の目に映る世界を欲した私は、ある日天啓を受ける。あの美しい少年たちは蝶なのだ。その輝きは標本になっても色あせることはない。五体目の標本が完成した時には大きな達成感を得たが、再び飢餓感が膨れ上がる。今こそ最高傑作を完成させるべきだ。果たしてそれは誰の標本か。——幼い時からその成長を目に焼き付けてきた息子の姿もまた、蝶として私の目に映ったのだった。

『人間標本』帯紹介文

猟奇殺人の被疑者による独白に始まり、この物語がどのような終着を迎えるのか想像できませんでしたが、予想外の展開に引き込まれて一気に読み終えました。

どうにもやるせない気持ちになって泣けてくる。

後味が悪いけれど引き付けられる。

読んでいて「うわぁ…」ってなるけど、読み終えてからもずっと内容について考えてしまう作品ってありますよね。
心に爪痕を残すような、そんな物語でした。

これは随分前から部屋に飾っている標本風壁掛け。
いずれは本物も飾りたいと思っていましたが、
それはまだまだ先になる予感がします。

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