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SaaSニュースレーター Vol.5(6/14週)

今週は、OutreachやMiaoshou Doctorなどのユニコーン企業の調達ニュースを中心に、SaaS関連の記事をご紹介します。

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今週の注目SaaS資金調達ニュース

◆[CRM SaaS]Outreach シリーズF $50M調達@評価額$1.33B:セールス・エンゲージメントSaaS分野の雄Outreach。Outreachは、顧客とのやり取りのデータを機械学習で、セールスが次に採るべき”行動”をレコメンド、行動ベースでどのように営業結果が変わったかを見える化するSaaS。本ラウンドでは、評価額$1.33BでSands Capitalがリード投資家で、Salesforce Venturesも追加投資。

◆[ID認証SaaS]Payfone シリーズH $100M調達:消費者行動のデジタルシフトによって重要性が増してくる、本人確認を行うID認証。Payfoneは、個人情報を使わずに、モバイル上でID認証を行えるSaaSを提供。本ラウンドは、Apex Digitalがリード他、既存投資家から$100M調達。

◆[ヘルスケアSaaS] Miaoshou Doctor シリーズD2 $85M調達: Miaoshou Doctorは、医療機関向けに医者と患者のコミュニケーション、処方箋や医療保険の管理できるSaaSを提供。本ラウンドでは、Sequoia Capital China、Qiming Venture Partners、INCE Capitalなどから$85M調達し、晴れてユニコーン企業の仲間入り。

◆[CMS SaaS]Contentful シリーズE $80M調達:Contentfulは、企業内のクリエイティブ等のコンテンツを一元管理・編集できるSaaS。既にFortune 500の内、28%がContentfulユーザーで、2,200社以上が顧客。本ラウンドは、Sapphire Venturesがリードし、General Catalyst, Salesforce Ventures他既存投資家も参加。

[ビッグデータ解析]Palantir pre-IPOで540億円調達:Palantirは2004年にPeter Thielが創業したビッグデータ解析スタートアップ。近々IPO申請がうわさされるPalantirがpre-IPOで、SOMPO HDから540億円調達。両社は、保険や介護領域でのリアルデータ・プラットフォーム構築を目指す

[メンタルヘルス管理SaaS]Big Health シリーズB $39調達:コロナ後に活発なメンタルヘルス分野。Big Healthは、消費者向けに認知行動療法による治療/管理を行えるSaaSを提供。本ラウンドは、Gilde Healthcareがリード。

[ナレッジ統合SaaS]Onna シリーズB $27M調達:Onnaは、企業内でG-Suite、Slack、Dropboxなど、様々なSaaSや資料に分散した/サイロ化されたナレッジを統合し、現場の業務効率を改善するSaaS。本ラウンドは、Atomicoがリードで$27M調達。

◆[カレンダーSaaS]Clockwise シリーズB $18M調達:Email分野におけるSuperhumanやGrammerly、Calendar分野におけるCalendlyなど、日常最も使われるSaaSをアップデートする動きが最近活発。Clockwiseもその内の1社ですが、Calendarのスケジューリングを最適化するSaaS。本ラウンドは、Bain Capital Venturesがリードで、既存投資家のAccelとGrayrockも追加投資。

◆[コマースSaaS]Dumpling シリーズA $6.5M調達:Dumplingは、個人が簡単にオンライン生鮮ショップを開けるようにするSaaSを提供。コロナ後にShopifyの評価高騰やUber創業者/前CEOのTravisが創業したCloud Kitchensなど、小売/レストラン周りのDXが進む中で注目される分野の1つ。本ラウンドは、Forerunner Venturesがリード投資家。

◆[電力インフラ保全SaaS]Urbint シリーズB $20M調達:Urbintは、電力などのインフラ事業者向けに、過去の保守履歴、天候、使用状況などのデータを解析し、設備の安全性を予測するSaaSを提供。本ラウンドでは、 Energy Impact PartnersとPivaが共同リードの他、Salesforce Venturesなども参加。

[APIセキュリティSaaS]Salt Security シリーズA $20M調達:APIを提供しているSaaS企業向けにAPIの保護、脆弱性を発見できるSaaSを提供。本ラウンドは、Tenaya Capitalがリード。

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今週のSaaSおすすめ記事

今週は海外の注目SaaS記事をピックアップします。

The era of opinionated productivity software 

今回の調達でもいくつか取り上げた、Productivity software(ホリゾンタル系の生産性向上SaaS)。このProductivity softwareの進化の歴史と、現在の"第3の波"である「ソフトウェアがユーザーに対して、レコメンデーションや意見を持つ」opinionated productivity softwareという進化について解説した記事。事例として、EメールにおけるSuperhuman、メモ作成におけるRoam Researchを紹介しています。

Managing risks and preparing for a rebound (Emergence Capital)

Salesforce.comや最近ではZoomなど、SaaSの黎明期からその可能性に投資をし続けてきたEmergence Capital。前回の不況を乗り越えたBill.com創業者/CEOとSuccessFactors元CFOへのインタビューをベースに、不況を乗り越えるSaaS経営の重要ポイントを解説した記事。

The Three Rules of Freemium (Point Nine Capital)

コロナ以降、フリミアムやフリープランなど、SaaS消費のハードルを下げるプライシングの変化が起こりました。フリミアムモデルの長所・短所を解説した上で、フリミアムが向くSaaSの3要件(粗利80-90%以上、獲得できる顧客層の正しさ、バイラル性)について解説している記事。

◆ Measuring SaaS sales efficiency (Blossom Street Ventures)

米国SaaS上場企業のいわゆるMagic Number(=一定期間のセールス&マーケ投資に対する新規獲得売上)のベンチマーク分析記事。記事によると、中央値で0.6前後、平均で1.0前後と米国SaaS上場企業はARR規模のみならず、成長効率性の高さが伺えます。日本のSaaS上場企業のMagic Numberを計算したことは無いですが、恐らくこれを下回る気がします。

Uber pushes into on-demand public transit with its first SaaS partnership

Uberがパートナー企業向けに自社のノウハウを活用したSaaSを提供開始。今後、On demandプレイヤーのSaaS企業化が進むかもしれませんね。

Intercom announces the promotion of Karen Peacock to CEO

Mary Meeker, Mark ZuckerbergやJack Dorseyなど、名立たる投資家、起業家から投資を受けているIntercom。2019年に創業者/CEO Eoghan McCabe氏が社内のセクハラ問題が勃発して、公への謝罪でも話題になりました。今回、現COO Karen Peacock氏がCEOに抜擢され、Eoghan氏は会長になる。今回の問題が女性関係だったこともあり、女性かつ執行の中枢を握るKaren氏の抜擢は納得感がありますね。

Pandemic speeds up digital transformation in construction (PitchBook)

コロナショック以降、デジタル化が立ち遅れていた建築業界のDXが加速していることを指摘している記事。

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