綾野剛の"ヤクザと家族 The Family"を見た。

綾野剛主演の映画、
『ヤクザと家族 The Family』をみた。

すごく久しぶりに、
ツイッターの140字では足らん！
なんか、なんか書きたい！という衝動に駆られたので数年ぶりのnoteをひっぱりだした。

↓↓↓ここから先はネタバレです。↓↓↓

まあ、ネタがバレたところで面白さが半減する映画ではないが。

いまからみる人はご注意。

さて。

ポスターにある通り、
物語は、
1999年、2005年、2019年で語られる。

綾野剛演じる山本賢治が、
10代でヤクザの家族なり、
20代半ばで先輩の罪被って逮捕されるまで
飛んで40過ぎて出所後→これが一番長い。

アラフォーのくたびれた綾野剛。
ほぼ実年齢なんやけど、
ちゃんとオッサンになってていい。

1999はまだ古きよき義理人情の昭和なヤクザの世界ってかんじ。
金髪のヤンチャな綾野剛がボコボコにされるシーンはみてんのつらくて目を背けた。助ける舘ひろしカッコいい。この映画は舘ひろしがやたらカッコいい。

2005は賢治がブイブイ言わせてるけど、世間の風当たりが強くなってヤクザが稼げなくなってくる。シマを広げたい隣の組にケンカを売られ、後輩を殺され、自ら相手にケジメつけに行くと兄貴が庇って手を下す。二人とも不器用。ほんでまた、せっかく兄貴に助けてもらったのに、結局自分が罪を被って服役する賢治。不器用…。

そして2019。
14年経って浦島太郎状態の賢治。
老けた綾野剛。
癌で老い先短い親分、
組員は数人になってて、
かつての威光はみる影もない兄貴たち。
堅気になり家族を持った元弟分。

ほんの子どもだった翼(故元幹部の息子。母の営む焼き肉屋にいつもいる)が、
とっくに成人してて、
『ヤクザなんて儲からないでしょ』って鼻で笑って、ヤクザの代わりにヤクザ以上に金も権力も持ってる。

自分が関わる人関わる人、
昼間の世界で生きたいからと賢治を拒絶する。

孤独になった賢治、
14年ぶりに一瞬だけ時間を共にした由香に会いにいく…。

この映画、
なんでこんなグサグサ刺さりまくるのか、
朝みてからずーっと考えてたんだ。

で、夜22時にやっと気づいた。

無駄な、セリフが、ない。

例えば電話でたら相手の声は聞こえない。
静寂のなか、返事する賢治のくぐもった声、表情、タバコの煙。

最近の話題作、
鬼滅の刃は特にそうだが、
『思ったこと全部言語化』がすごい。
炭治郎だけやなくレギュラーメンバーも悪役も、セリフもガンガンしゃべる上に脳内思考の描写がうるさいくらいだ。

ほんでまた私昨日"映像研には手を出すな"を見たから。あれは主人公の浅草みどりがガンガン早口でまくしたてるし、金森氏も水崎氏も『自分の思ったことがはっきり口にできる』『健康で』『健全な』世界の住人だ。

だから余計、
"ヤクザと家族"は、そうじゃないとわかる。

不器用で、必要な言葉がでない、
不健全な、、不健康な、、なんか、そんな、
場所でしかいきれない人たちのはなし。

ほんで、
ヤクザ映画にも関わらず、
全体的にセリフが優しい。

"家族"たちはやらかすけど、
ちゃんと、謝るんだよな。
ほんで、よく泣く。
大の大人が泣く。
くしゃくしゃの情けない顔で。

それが、良かった。

人間の弱さ、逃げずに描かれてて。

あとはなあ。

尾野真千子演じる由香がさあ。
優しいの。

男をこてんぱんにしないの。
そういう言葉はつかわないし、
使えないのかもしれない。

私が脚本書いたら
『14年前に一回ヤったくらいで父親ヅラすんな！二度と来んじゃねえ！！』とか、叫んでしまう。きっと。

由香もまた、不器用。

ほんで、
140分にわたり、
ずっとずっと上手に喋れずいた賢治が、
やっと素直に気持ちを口にしたら、
物語が終わってしまう。

わかる？
そこに主題歌が流れんねん(°Д°)
King Gnuの井口さんの声で！

真っ暗な中、
字幕入りで！！

賢治の気持ちを、代弁するかのように。

"この身掛けたとて
釣り合うわけもない
あなたの幸せに
愛しこの日々に"

もう泣くよ泣く。
涙でないんだけど心はガクガク揺さぶられていまも、たぶん、泣いている途中よ。

とにかく、良かった。

14回見ました！とか。
ツイッターでみたけど。
わかる。

私もしばらく何回もみて、

ぼーっとしてたい。

↓主題歌『familia』millennium parade 

https://youtu.be/QyZDoDTB6cQ

↓ヤクザと家族公式サイトhttps://www.yakuzatokazoku.com/