自ら失恋
自分に正直になろうとすればするほど、他人に嘘をついてしまうわたしの愚かさを救えない。
今度こそ。と、正直に生きることを決意してひとつ選択をしてみては、失敗する繰り返し。
あのオセロを裏に返そうと意気込んで、手を伸ばした弾みで何故か転んで、盤ごとひっくり返して全てを台無しにしてしまうのがわたしなのだ。
身の回りの人たちの幸せを心から祈る。わたしに愛をくれたひと、誰ひとり零したくなくて、誰のことも選べなくて、結局全員傷つけた。
期待だけさせておいて誰のことも救えない、最悪すぎて死んじゃいたいなとか、そんな風に逃げ道ばかり探る思考回路が1番卑怯で気持ち悪いのは分かってる。
わたしもう、恋も愛もうんざり。どうせ終わってしまうならはじまらない方がマシじゃないか。
残るものがこんなに辛い気持ちなら、君とのしょうもない思い出全部、なかったことにしてくれよ。
髭の伸びるはやさとか、パンツの柄とか、キュッと閉じた唇に薄く刻まれたシワとか、時々見せる子供みたいな笑顔、寝ぼけ眼でわたしを抱きしめる時の体温も、丁寧に繋いだ手のひらの厚さも、クソしょうもない日常、君のつむじから足の先まで全部が愛しすぎてどうしたって忘れられる気がしない。
前にどうでもいい人から言われた「ずっと一緒にいようね」が耳に残っていて気持ち悪い。そんなしょうもない男のセリフに成り下がるなら、ずっとなんて誰にも言われないまま死にたかったよ。
ね、けど、唯一君になら言われてみたかったな。そんなこと言わないのが君だけど、君にならわたし、無責任に愛されてもよかったと思えるの。
わたしがもう少し強ければまだ一緒にいられたんだろうか。
たくさん傷つけ合ったって、その何倍も愛し合ってたんだから大丈夫だったのに!なんて今更、今更。
かっこつけてさよならできないな。
言葉なんてどれだけ伝えてもすり抜けていくばかりで意味が無い。ワガママ全部心に留めておくから、せめて去り際に泣くのを許してね。
生きて生きて真っ直ぐに、生き抜いた先でまた巡り会えたら、それはきっと希望です。
ねえ、ずっと一緒にいようよ。
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