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【ラジオ】コウメ太夫はどこでネタを考えているのか

コウメ太夫のネタは、こたつで晩酌しながら「いいの思いついた」と思ったらノートに書いているらしい。
辞書を適当にめくって、いっせーので指さした言葉を並べてるとかじゃなかった・・・。

ハリウッドザコシショウのラジオ「チョゲパ」
SMA芸人好きにとって待望のコウメさんゲスト回は、幸福な空気に包まれていた。

コウメ太夫という謎に包まれていた人が、今の扱われ方をどう感じているのか、何も考えていないのか。

初めてテレビに登場したときは
「コンビニの近くに引っ越したらコンビニがつぶれました」
とか、あるある部分は本当に子供だましで、そのあとのチクショー!の顔と言い方で笑わせていた。

それがエンタが終わって、
「コウメはつまらない。エンタの神様はしっかりしたお笑い好きなら笑わない」
そう認識されたあとで実現した「コウメ太夫で笑ったら即芸人引退」というテレビの企画で披露した「チクショーいっしゅうかん」が爆ハネ。
深夜の1時間が転機になる。今もyoutubeにはこの伝説回が転載されている。

そこからずっと、初期のベタなあるあるネタ芸人から、今も続く狂気と意味不明なネタの人として扱われている。
意味不明なのを狙ってやってるのか、なんで急に芸風が変わったのか、気になるけどそもそもコウメ太夫にちゃんと話を聞く人がいないから(山田ルイ53世が「一発屋芸人列伝」で経歴を聞いたぐらい)、お笑い好きにはおなじみの人なのにずっと謎のままだった。

そしたら、こたつで普通に晩酌しながらネタを考えてるらしい。

思ったより普通だった。

「マルだと思って見ていたら三角でした」
この哲学的なネタも、エンタの神様時代に考えた昔のネタだったというから驚きだ。エンタでは自分の考えたものはほぼ却下されていた。コウメさんは最初から「今の感じ」だったのに、台本とカンペに書いたことを言わされるあやつり人形にされていた。

笑ったら即引退スペシャルが、やっと巡ってきた、自分で用意したネタを存分にふるえる時間だったことになる。

「うなぎだと思ったら~排気ガスでした」

本人にとっては「黒くて長いから」思いついたらしい。今は自分で考えたネタができる、今のほうが自然、と語る声がなんだか幸せそうだった。

子供時代から周囲にあわせることができず、「一発屋芸人列伝」では、いじめられていたのに気づいてないようなやりとりもあった。
全く器用じゃないコウメさんが、SMAではじめて売れた人として、ちゃんとリスペクトされていたことが、聞いているこっちまで嬉しくなった。周りにあわせられない人にも、ここでは役割がある。


読んでくれてありがとうございます。 これを書いている2020年6月13日の南光裕からお礼を言います。