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古代朝鮮語で「傘」を意味するフュージョン時代劇ドラマ『シュルプ』

 안녕하세요(アンニョンハセヨ)南うさぎです。
 
 今回は話題のドラマ『シュルプ』について。『シュルプ』は王子たちのために厳しい王室の教育戦争に飛び込んだ王妃の波乱万丈の宮廷奮闘記を描いた時代劇ドラマです。

※写真は公式サイト(http://program.tving.com/tvn/queensumbrella)より

『シュルプ』というドラマのタイトルを初めて耳にしたとき、その言葉の意味が分からない人は多かったと思います。『シュルプ』は「傘」の古語なので韓国人でも知る人があまりいなくて、そのタイトルだけで人々の興味を引きました。ドラマでは王妃が王子に傘をさしてあげるシーンが多く、どんなに大変なことがあってもいつも我が子を守ろうとする母の心が表れていると思います。

 韓国の時代劇ドラマは大きく伝統時代劇とフュージョン時代劇に分かれています。昔は中高年層に向けた、『龍の涙』『女人天下』など、史実を基にした伝統時代劇が人気でしたが、最近は歴史的な事実を背景にフィクションを取り入れたフュージョン時代劇の方が多く製作されていて若い層にも人気を集めています。
『シュルプ』は時代背景を朝鮮時代に設定しているだけで、登場する王様などは架空の人物です。ちなみに朝鮮時代は1392年から1910年までの519年間にも及びます。

 性理学(※)を元に成り立っていた朝鮮時代には正妻の子である嫡子と、側室の子である庶子では差別がはっきりしていたので、このドラマの設定のように平等に競争をすることはできません。しかし、ドラマではその設定を変えて、セリフのトーンや言葉も一律ではなく現代語と古語が混ざっています。
 なので『シュルプ』は朝鮮時代の宮廷に現代の教育ママの姿を再現して、身分差別や性的少数者などの問題を加えたストーリーであることを理解して見るとさらに面白くなると思います。

※中国で宋から明の時代にかけて隆盛した儒学の学説のひとつ。 経典の文字や章句の意味を解釈する漢や唐時代の訓詁 (くんこ) 学に対して、宇宙の原理としての理を究明、人間の本性を明らかにしようとした学説。 

『シュルプ』の出演者は、王妃イム・ファリョン役のキム・ヘス、王様イ・ホ役のチェ・ウォンニョン、大妃役のキム・ヘスクを除くと、新人や顔があまり知られてない俳優さんが多いので、新しい顔を発見するのも楽しみの一つになるのではないでしょうか。
 また、ウィソン君役のカン・チャニと王様役のチェ・ウォンニョンはドラマ『SKYキャッスル』でも父子役で出演しました。
 仮想歴史ドラマ、ブラックコメディーの『シュルプ』の演出はドラマ『秘密の門』『二回目の二十歳』などを演出したキム・ヒョンシク監督、脚本は本作がデビュー作となるパク・バラです。

안녕!

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