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外撮り(野外撮影)について 第八回

・外撮りに大事なものは?

ひとつは「他者に迷惑をかけないこと」です。
これは今までに見てきたように、多種多様な視点や受け取りがあります。
そのすべてに配慮することは不可能ですが、それでも不可能に挑むつもりでなければいけない、とぼくは思います。

もうひとつは「あきらめる勇気」です。
諦めたらもう写真が撮れない!と思ってはいけません。
もう一度、計画を練り、資金を貯め、チャンスを作るのです。
諦めずに撮影を強行して、出入り禁止や撮影禁止の処置を受けることになったら、本当に次はありません。
そして、残念なことにそうした例は枚挙に暇がありません。

次のひとつは「少しの余裕」です。
資金的にも、時間的にも、精神的にも余裕をもって行う必要があります。
その余裕が、他者の視点を考える力になり、諦めて再起を図る勇気になります。
同時に、他者の外撮りを咎める自警団に陥らないためのブレーキになってくれます。

最後のひとつは「孤高であること」です。
外撮りは、決して他者には理解されません。
同好のオーナーですら、写真からすべての背景を読み取ることはできないのですから、当然です。ましてや、一般の方には決して理解されないと思うべきでしょう。
外撮りは、決して正道ではなく、他者に理解されない外道なのです。
外撮りで他者に認められようと思わない。
それだけは、決して忘れてはいけない点だとぼくは思います。

長くなりましたが、野外撮影というものはケースバイケースで許可基準が変わります。
そのすべてを一概にまとめることは不可能でしょう。
しかし、個別の事例にすべて答えることも、また不可能でしょう。

そのため、野外撮影に臨む者は十分に知識を蓄え、入念に下調べをして、自分なりの判断基準を定められるようでなければいけません。
同時に、入念な準備や下調べをし、予算と時間を使い、それでも空振りに終わることを受け入れられるようでないといけません。

また、どこまで行っても、どれだけ素晴らしい画を写真に収めたとしても、他者から後ろ指さされなくなることは決してありません。

ぼく自身、これを厳密に守れているか、と言えば十分すぎるほどに疑問が残りますし、自問自答を繰り返す日々でもあります。
しかし、これをただの理想としてはいけないと、ぼくは思います。

最後に、これは強制ではありません。
ただ外撮りを嗜む一オーナーの、自戒の言葉です。
最後まで読んでいただけた方の中に、わずかでも何かが残れば幸いです。


外撮り(野外撮影)について 第七回|深波 月夜|note

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