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プラモ神姫のドールアイ化加工 その2

ⅩⅩⅩⅣ,プラモ神姫のドールアイ化加工 その2

ドールアイ化加工については、以前にも記事を書きました。
基本的には前回のやり方でも加工することは可能です。
しかし、多少月日が経って、ぼくのやり方も多少の変化があり、より加工しやすい、初心者の方でも失敗しにくいやり方というものが見えてきました。
よって今回は、以前上げたドールアイ化加工のアップデート記事になります。
こんな方法もあるんだ、と思って、よりご自身に合ったやり方を選んで頂ければと思います。

(以前のドールアイ化加工記事はこちら)

さて、それでは早速道具や手順を確認していきましょう。
以前の記事でも挙げた通り、ドールアイ化加工の手順はアイホールの開口と、アイのフィッティングに大別できます。
使用する道具は以前の記事でも挙げましたが、改めて確認すると、以下の通りです。

アイホール開口用
・デザインナイフ
・ピンバイス(1.0mm程度の細いもの)
・リューター、球ビット

ドールアイフィッティング用
・ピンセットかラジオペンチ
・ドールアイ固定用のひっつき虫やブルタック
・爪楊枝、竹串等(ピンセットでも代用可)
・ニッパー(必要なら)

さて、作業手順に移ります。

以前の手順では、最初にある程度の大きさのアイホールを開口し、その縁を薄く削る、という手順でした。
この手順では、アイホールの調整を何度か繰り返す必要があり、アイホールが大きくなりすぎてしまうという恐れがありました。
また、縁を削る際にビットが滑って、残すべきアイプリントに傷をつけてしまう恐れもありました。
それを避けるため、今回は多少手順を変更します。

まず、1.0mm程度の細めのドリルでアイプリントの中心を目安に、穴を開けます。
使うドリル径の基準は、お使いの球ビットの直径より小さいものにすることです。

ここで空ける穴は単なる目印程度の意味ですので、もっと小さい径でも構いません。
ビット径より小さな穴にするのは、間違ってもビットでフェイスパーツの表側を傷つけないようにするためです。

また、画像では正面目線のフェイスパーツを使っていますので、瞳孔の位置を目安にしています。
もし正面以外を向いているパーツをお使いの場合は、瞳孔の位置よりも眼球全体の中心を目安にして開口してください(理由は後述)。

続いて、裏面からドールアイの収まる位置をリューターで削っていきます。
先程空けた穴は、概ね眼球の中心に位置していると思いますので、その点を中心にアイの直径程度の範囲を削ります。
以前の方法と違い、この段階ではフェイスの表にはビットは届きませんので、眉やアイラインを傷つける心配はありません。

この時に気を付けることとしては、なるべくアイホールの上側(アイラインの辺り)を薄く削るようにすること、逆にアイラインより下側(涙袋の辺り)は薄くしすぎないように注意することです。
上側の厚みがあると、アイラインと眼球が離れすぎて不自然な仕上がりになります。
逆に、涙袋の辺りはペラペラになるほど薄くしてしまうと、破損の原因になりますし皺が寄って美しい仕上がりになりません。
削る範囲はドールアイの直径を目安にしますが、アイラインの外側になる部分は多少加減をするように気を付けると良いと思います。

また、後頭部と接続するためのダボやダボ受けは多少削ってしまっても問題はありませんので、アイの収まるスペース確保を優先して削ってください。

削り具合を確認する際は、光に透かすと良いでしょう。
色が濃く残っている部分はまだ厚みがある部分ですので、それを目安に削っていきます。
アイホールを開ける範囲は反対側が透ける程度に薄く削ってしまって構いませんが、アイラインの外側をそこまで削ってはいけません。
余りに薄くなりすぎてしまった場合は、その範囲も開口してしまった方がきれいに仕上がります。

続いて、薄く削った部分をデザインナイフで切り取りアイホールを開口します。
ナイフを入れるのはアイラインよりも内側、少し白目を残すイメージで切り込みを入れてください。
そこで残った白目部分は、改めてナイフを入れて切り取ります。
一回でアイラインを出そうとすると、厚みが不均一だったりした場合にきれいなラインを出しにくいですし、改めて厚みを抜く必要があった場合にアイラインを傷つけやすくなってしまうので、保険の意味でも一回目でギリギリを攻めるのは避けましょう。
ランナーの二度切りと同様に、形出しと仕上げを分けると、きれいな仕上げがしやすくなります。

また、仕上げは、出来れば何度もナイフを入れず、一回でラインをなぞるときれいに仕上がります。
何度もナイフを入れるとアイラインがガタついて、ギザギザになりやすいので、注意しましょう。

さて、両目ともアイホールが開口出来たらアイのフィッティングです。
以前はフィッティングと仕上げの削りを何度も繰り返すという手順でしたが、今回はフィッティングの前にしっかり削り込んでいれば大丈夫だと思います。

また、フィッティングで最も気になってしまうのは、上側のアイライン(元々のプリントを残している辺り)です。
これは、プリントされたアイラインとドールアイの間に隙間が出来てしまい、ラインと白目の間に肌色が入ってしまうことが原因です。
なので、フェイスの裏側からアイホールの縁を黒く塗ってやると、多少の隙間が空いていても不自然さを消すことが出来ます。
仮にアイを当ててみて、どうしてもアイラインとの隙間が気になる場合は試してみてください。

フィッティングに満足出来たら、フェイスパーツの中にひっつき虫を入れ、アイを固定します。
これは以前の記事にもあるように、ひっつき虫を小さくちぎってピンセットや爪楊枝で詰め込んでやりましょう。
先端が太い方が押し込みやすいと思います。
また、アイホールの周辺にひっつき虫があると、アイを押し込んだ時にはみ出してひっつき虫が露出してしまうので、アイホールの周辺は多少隙間を作ってあげるときれいに仕上がります。

また、もしドールアイの裏側に視線操作用のツマミなどがある場合はニッパーで切り落とすか、後頭部にツマミを逃がす用の加工をする必要がありますが、これは前回の記事と同じ手順となりますので今回は割愛します。
(詳しくは以前の記事をご参照ください)

さて、ここまで滞りなく作業が出来れば完成です。
今回使用したアイはブンノイチで購入した、カラコロ少女様のドールアイ『魔王』です。
こちらのアイも後部にツマミがある球状アイだったので、ニッパーでつまみを切り落として使用しています。

画像をよく見ると、左の目尻の辺りに少しアイラインとアイの間に肌色が入ってしまっています。
こういう部分に黒を差してあげると、不自然さを軽減出来ます。

いかがでしたでしょうか。
基本的には以前の記事の焼き直しですが、多少作業の難易度や注意点が簡略化されていると思います。
ただ、こうした加工の手順というのは、ご自身がやりやすい形が正解ですので、ぼくのやり方が絶対にして唯一の正解ではありません。
ご自身のスキルやツールを勘案して、より良い方法を選んで頂けると良いと思います。

ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました。
この記事が、ドールアイ化加工に挑戦する際の一助になれば幸いです。


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