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それぞれの応援ポスターのこと⑥「自分の人生なんだ、好きなようにやりな。」

今回は南相馬市鹿島区で長年輪業を営む「星澄輪業」店主の応援メッセージポスターをご紹介します。

地域に慕われている星澄輪業

星 淳さん / 南相馬市出身/ 星澄輪業店主  

鹿島駅の目の前にお店がある星澄輪業。
自転車の販売・修理はもちろん、お店で自転車を買ったこどもたちはお店に自転車を置いて通学していく。それは星さんがお店を引き継いだ時から、何十年も受け継がれています。

昔から子どもたちを見守ってきた自転車屋さんだから

代々何十年も営んできた自転車屋さんとして地域に慕われてきた星澄輪業。

小さい頃自転車を買ってもらった子どもたちが、今度は自分が親となってこどもの自転車を買いにくる。この地域で自転車といえば星さんのところで購入するという方も多かったのではないかなと思います。

そして、自転車屋さんとしてだけではなく、地域の少年野球の監督としても子どもたちと接する機会が多く、たくさんの子どもたちを見守ってきました。

そんな子どもたちの成長を自転車屋さんとして、また、少年野球の監督として何十年も見守ってきた星さんに撮影の協力をお願いしました。

子どもたちの成長を地域の中で見守ってきたからこそ

地域の高校生を見ると自分の年齢を感じるとはにかみながら話す星さん。
小学生や中学生に上がって自転車を買いに来た子どもたちが、高校生となり通学のため自転車を置きにくる。
「もうこんなに大きくなったのか。わんぱくだった子も立派になっている。こんなにいっちょまえになったんだな。」と、日々の一瞬の中でも星さんは子どもたちを見守り、大きく成長していくことに喜びを感じていました。

そして、社会人となってからも会いに来てくれる子どもたちが「懐かしいし、嬉しい。」と嬉しそうに話してくれ、「子どもたちにはこれから自分がやることに責任の持てる子になって欲しい。そして、自分の人生だから好きなようにやりな。」と、星さんなりの子どもたちの未来を応援するメッセージ。

そのメッセージは子どもたちの成長を地域の自転車屋さんとして何十年も見守り、自分がやりたいことに突き進む未来を願っているからこそ、『自分の人生なんだ。好きなようにやりな。』ですね。

【撮影の裏側】
撮影当日は星さんの奥様、娘さんも見守る中撮影をしました。
大好きなご家族に見守られながらで、とても恥ずかしそうに撮影に望んでいる星さん。
けど、そのおかげでいつもの星さんの表情となり、優しい人柄がにじみ出た自然な笑顔の写真となったのかなと思います。

今回撮影にご協力いただいた星さんですが、昨年12月にご逝去され、現在はお店をたたまれております。
「このポスターの撮影は、我が家にとって特別な記念の一枚になった事は言うまでもありません。この写真を遺影にも使わせていただきました。」と・・・ご家族のみなさまにとっても特別な一枚の写真となったことが、私たちにとっても心に残るポスターとなりました。

そして、最後まで輪業を続けてこられた星さんのご遺志を尊重し、ご家族は若者が起業したり、整備士を目指す学校(長野県松本情報工科専門学校・スポーツバイシクル学科)に、自転車店にある在庫の部品をすべて寄附されました。
「夢が叶いますように!さあ、行っといで。」とその荷物を積んだ車を送り出し、夢を目指すみなさんの役に立ってほしいと願いを込めて・・

今は、かつて星さんが輪業店としていた場所で、娘さんが習字教室を開いており、今でも子どもたちの笑顔があふれる場所となっています。

星さん、そしてご家族のみなさま、ありがとうございました。

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