新年度向け!美術必読リスト

本当は必読なんて本はないけど、以下は手始めに気にしておくと良いかもって本です。(順不同)

2024年4月24日から始まるアートの新番組「みなみしまの芸術時評」内で、100冊から選出したベストブック10を発表しますので、まずはどこから読めばいいか分からない方は、ぜひご視聴ください。
なお100冊のリストについては過去の視聴者の特典とさせていただいていましたが、もし本気で100冊読むという意欲のある方はご連絡ください。

松井みどり『アート:“芸術”が終わった後の“アート”』
山本浩貴『現代美術史 欧米、日本、トランスナショナル』
→ぱっと読んで自分と関係のある現代アートの歴史を知ろう。そして気になるものは調べ始めよう。

デイヴィッド・ホックニー『絵画の歴史』
→作家の語る美術史というジャンルがあるんです!たぶん

エルンスト・H・ゴンブリッチ『棒馬考』、『美術の物語』
→『棒馬考』が面白いよ。

谷川渥『鏡と皮膚』
→作品に使える話が盛りだくさんです。かつとても原理的。

赤瀬川原平『超芸術トマソン』
『今和次郎と考現学 ---暮らしの“今"をとらえた〈目〉と〈手〉』
→すみっこやはしっこになぜか惹かれてしまう人は仲間が見つかります。

小田部胤久『西洋美学史』
→全暗記の勢いで読もう。

岡田温司『半透明の美学』、『イメージの根源へ』
→絵画やイメージについて原理的に考える入門編。

ヴィクトル・ストイキツァ『影の歴史』
→ストイキツァはどれも面白いです。

ジョルジュ・ディディ=ユベルマン『イメージの前で』、『時間の前で』、『フラ・アンジェリコ』
→絵画やイメージについて原理的に考えるハードコア編。

ダニエル・アラス『なにも見ていない』
→目から鱗とはこのこと。文字通りすぎる。

ロラン・バルト『明るい部屋』
→写真論の古典、実は家族の話を作品のテーマにする人はより必読です。

ジョナサン・クレーリー『観察者の系譜』

ミシェル・フーコー『言葉と物』
→第1部だけでも読んでください。

高階秀爾『日本近代美術史論』、『20世紀美術』
→ひとまず読んで、疑問点が出てきたら、そこから調べはじめよう。

岡﨑乾二郎『ルネサンス経験の条件』、『抽象の力』
→作品を見るときの条件とは何か、ものすごく原理的に考えたいひとにはおすすめ。

東浩紀『動物化するポストモダン』
→21世紀初頭=いまの日本文化を語るなら、まずこの一冊。

沢山遼『絵画の力学』
→絵をちゃんと分析するってこういうことだ!

辻惟雄『奇想の系譜』
→いつでも誰かが前衛を標榜するけれど、だったら、本当は外せない一冊。
(怖い絵の元ネタはここにある気がしています...)

岡倉天心『東洋の理想』
→最近の日本の現代美術作家の関心はこの辺にあったりしますね。

北澤憲昭『眼の神殿』
→「美術」という言葉を使うなら必読。

柄谷行人『日本近代文学の起源』
→日本語を使うなら必読。

佐々木敦『ニッポンの思想』
→ライトに日本の思想や批評がわかります。

アルベルト・ジャコメッティ『エクリ』
パウル・クレー『造形思考』
→行き詰ったら、作家の書いた文章でテンションをあげよう。
お守り本として手元に置いておきたいですね。

若桑みどり『イメージの歴史』
ジョン・バージャー『イメージ・視覚とメディア』
→なんで美術といわずに、「イメージ」と書いているのか、これ意外と重要なところです。いま。

大澤真幸『〈世界史〉の哲学』
(見田宗介『まなざしの地獄』)
→美術を取り巻く社会や世界について考えるなら。

ヴァルター・ベンヤミン「複製技術時代の芸術作品」
→結局、みんなこの話に返ってきがちなので、いつでも読み返そう。

ロザリンド・クラウス 『オリジナリティと反復 ——ロザリンド・クラウス美術評論集』
→美術批評の名著。

村上隆『芸術起業論』
→新しいマーケットの盛り上がりのなかで、読んでみたい気持ち。

ケネス・クラーク『ヌード』、『風景画論』
→どっちも古典中の古典。

ハル・フォスター『反美学』
→美術批評の名著。この一冊から始めるのもいいかも。

シルヴァン・バーネット『美術を書く美術を語るための文章読本』
→どうやって文章書いたらいいんだ?と悩んだときは。

田中正之/編『現代アート10講』
→教科書本。

松浦寿輝『平面論』
→絵画、映画、写真、ぜんぶ平面ですね。反復も重要なテーマです。

浅田彰+岡崎乾二郎+松浦寿夫編『モダニズムのハード・コア——現代美術批評の地平』
→ポストモダンという言葉に興味があるひとは、必読!

岡崎乾二郎・松浦寿夫『絵画の準備を!』
→絵画を使って、世界を語る本。選挙の話とかしてる。(入手困難)

ポール・ヴァレリー「博物館の問題」『ヴァレリー全集』第10巻
→美術館ってなに?ならまず、この論考から。

椹木野衣『シミュレーショニズム』、『日本・現代・美術』、『震美術館』
→批評家ってどんな存在か?たとえば、一例として。

クレメント・グリーンバーグ『グリーンバーグ批評選集』
→読んだら意外と言われていることと違うことが書いてあるかも。

クレア・ビショップ『ラディカル・ミュゼオロジー』
→ぱっと読めて、現代アートとはなにか?最先端の理論が理解できるので、読むしかない。

『ART SINCE 1900』
→高いけど、まったく損はない。みんなで読書会するならいいかも。

『全集西洋美術の歴史』
→いま西洋美術史全集なら、中央公論社新社のがおすすめ。


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