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密かな県民愛。

「今日の東京の最高気温は21度です。」

そっか、暖かいね、今日は。と心の中で思った。

でもね、私が住んでいるのは東京ではない。

埼玉県の北関東に近い方。


私が12年間通った学校は群馬県にあった。

毎日、一時間ほど電車通学していたから、下手したら群馬に居た時間の方が長かったかも。

校外研修とか、修学旅行とか、授業の内容も群馬県のことばかりだった。

私の学校は生徒が色んな県から来る学校だったから、

埼玉県民の日も普通に学校はあったし、

戸籍上は埼玉県民だけど本当は何県民なのだろうって思っていた。



アメリカの大学に行くと、必ず、

"Where are you from?" と聞かれる。

私のまちも埼玉県のこともきっと知らないだろうから、

"Near Tokyo." と私は答える。

そして大体の人は、”That's cool!" と言う。

確かに東京に近いけど、

誇らしく、”I'm from Saitama." とも言えず、なんだかもどかしかった。


その時からかな、私って埼玉県民なんだなって気づいたのは。

日本に帰りたいって思った時に思い浮かべたのは、

家の近くにある桜が有名な公園だし、

家族でよく行く定食屋さんだし、

そういえば、「翔んで埼玉」を観た時は、埼玉県民として純粋に楽しめたのも思い出した。


東京に太刀打ちできる県だとは夢にも思わないし、

神奈川みたいな、おしゃれな県でもない。

千葉みたいに海も空港もディズニーランドもない。


でも東京の経済成長を支えているのは埼玉県というベッドタウンがあるからだし、

私たちはまさしく縁の下の力持ちなのだ、!


無理に背伸びもせず、でも交通機関が整っていて、快適ライフが送れる、

少し田舎くらいが私にはちょうどいいのかも。


でもね彼ら、アメリカ人に"Where are you from?"って聞くと、

"I'm from Colorado." とか平気で言えちゃうんだよね。

んーとどこだ?って私はモヤモヤしながら、頷くのだけど、


彼らは相手に場所が分かってもらいたい、とか

都市じゃないから恥ずかしい、とか全くなくて、

「自分を知ってもらいたい」

それに尽きるのかなと思った。


だから、例え、私がゴリゴリの埼玉県民ではないとしても、

彼らよりは埼玉について知っていて、

そこで育ってきて今の自分がいるわけだから、

次にアメリカに戻った時に同じことを聞かれたら、

せめて、"I'm from Saitama!"

って言うんだ、!

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