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【ドラマ感想】ザ・キング 永遠の君主

「ザ・キング:永遠の君主」Netflix

冒頭、物語のクライマックスである、あるシーンから始まる。
だから、観ているものはそこへ向かってどう進んでいくかを見届けることになる。

ストーリーはやや複雑で、沢山のファンタジー要素が織り込まれている。
舞台は「大韓帝国」
王室が存在し続け、朝鮮は分断されることなく、
国民に愛される皇帝が存在し、首相が政治を行っている。

その大韓帝国では25年前、ある悲劇が起こっていた。
先帝の母親違いの兄であるリム親王による謀反が起こり、
先帝は弑され、現在の皇帝も危うく8歳の時に殺されるところだった。
それを間一髪で助けたのは謎の黒ずくめの人間で、
その人が去り際、あるIDカードを落としていく。

チョン・テウル警部補という女性のIDカード。

時は流れ、ある日、皇帝が逃げるウサギのフードを被った謎の女性を追い、
竹やぶに入ると、その先に一つの扉が現れる。
それは二つの世界を繋げる扉。
もう一つの世界とは、
大韓民国
私たちの知る、南北に分断された歴史を持つ大韓民国だった。

その先で、皇帝はIDカードの女性、チョン・テウルと出会う。

二つの世界は、いわゆるパラレルワールドで、
それぞれに同じ顔を持ち、同じDNAを持った自分が存在している。
反逆者であるイ・リムは、皇室に代々伝わる笛を使い、
もう一方の世界である大韓民国へ逃げ、
もう一人の自分を殺し、生き延びていた。
その笛を奪うためにイリムは大逆を犯した。
事件の際、その笛は二つに分かれ、一方は皇帝が持ち、
それによって25年後、もう一つの世界にやってきた。
そして、事件の全容と謀反を起こしたイ・リムを追う物語が始まっていく。

大韓帝国という設定と、二つの世界を行き来する、というストーリー展開を飲み込むのにやや時間を要するが、
イミンホ演じる皇帝の皇帝具合に、
すぐさま物語に引き込まれる。
イミンホの高貴な姿に何ひとつ違和感はなく、
「打ち首だ」「下がれ」「毒味を」「私は床に直に座れない」などの皇帝っぷり溢れる台詞のナチュラルなこと。
大韓民国に突如、白馬に乗って現れても、
むしろ自然。
いや、もう白馬しかないでしょう。
白馬って…
白馬以外の乗り物ある?
白馬…

やがて恋に落ちる、チョンテウル役のキムゴウンも、
いわゆる二重ぱっちりの可愛い顔ではないけれど、
なんとも魅力的。
肌も綺麗で、思わず劇中に出てくる彼女が使うマルチバームを
ポチってしまった。

二人の恋物語でもあるけれど、
本来交わるべきでない二つの世界がイリムによって次々と
崩されていくことを正すべく、
皇帝は時空を駆け巡り、二人は離れ離れになってしまう。
それを受け入れ、ずっと彼が迎えに来てくれる日を待ち続ける
場面は、切なく甘い。

実は、イミンホが昔、好きだった人に似ていて、
「花より男子」で出て来たときは直視できなかったけれど、
これを見たら、もう似ているなんて言いません。
こんな高貴なお方が二人といるはずありません。
と平身低頭したくなる。
鼻が高すぎてキスシーンでは相手の顔に鼻が当たる始末。
こんな美しい横顔ある?

王子様がお好きな方、是非見てほしい。
(そんな人いるかな?ここにはいるけど。)
ファンタジーが好きな人も見て欲しい。
アクション好きもいいかも。
アクションシーンは見応えがある。
ミステリー要素もある。

パラレルワールドにおける、一人二役も
役者さんの力の見せ所。
護衛のチョ・ヨンと大韓民国のチョ・ウンソプは
二つの世界でキャラクターが
真逆なのに、見事に演じ分けていて、
拍手を送りたい。

複雑なストーリー、壮大なストーリーだけに、
見終わった後の余韻が大きく
残り、なかなか他に目が移らない…




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