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彼らはもう、思い出にしていた

 7ORDERが活動を始めた日を起点として数えて1645日目、YouTubeでオンラインライブが配信された。

 6月14日の美勇人くん脱退発表からしばらくはグループ活動をお休みしていた6人が「7ORDER LIVE [ONE,] - DUAL Endroll」ツアーの開催発表とともに活動を再開したのは10月10日のこと。ツアー初日の12月8日は福岡で公演が行われるため、初の6人体制に立ち会えない人も多いだろう。そんな配慮が込められた故のオンラインライブだった。しかも、これ、無料。 

 6人でのライブは、グッとくるものがあった。
 美勇人くんのパートを別なメンバーが歌っている。フォーメーションが変わっている。どうしたって美勇人くんの存在を思い起さずにはいられない。
「Make It True」では、曲の始まりに美勇人くんの声まで使用されていた。
 これまでの7ORDERのライブをギュッとまとめたようなライブ。配信とはいえ迫力あるステージを存分に味わわせてくれた。1人減ったビハインドを感じさせないほど一人一人がパワーアップしていた。彼らは「模索」していた期間、決して歩みを止めていたわけではなかった。個人のスキルを磨きあげていたのだ。

 オンラインライブの3日後、1648日目の24日には、メンバーとともにライブを振り返る「7ORDER FC限定生配信 1648-Friday Party」も開催された。(配信中、真田くんは何度も「Friday Night」と言い間違えた。)

 正直、私は驚いた。彼らが何度も美勇人くんの名前を出す事に。
 
美勇人くんの脱退発表時には、あんなに泣きじゃくってお別れを悼んでいた人たちが、明るく和気あいあいと美勇人くんの話をしている。

「歌割変わって大変だったよね」
「ここ美勇人が居ないからさ~」
「すごい練習したし、もうみゅっさんより上手い!」

 彼らは、美勇人くんとともに作り上げた7ORDER創設期を、もう笑って話せるくらい「素敵な思い出」に昇華させていた。

 今でこそ事務所を辞めて新しく活動することは珍しくはないが、当時同じグループで活動していたメンバーが全員辞めて全員で新しく活動を始めることは異例のことだった。前々副社長も存命中で風当たりも相当強かったと思う。7人だったからこそ耐えられた。絆がなせる業だったと思う。
 そんな大事な仲間を一人失ったのに、6人は過去を振り返ってはいない。もう前を向き希望を見出している。

 なんてすごい人たちなんだろう。
 なんて素敵な人たちなんだろう。
 こんなにも、強くて、優しい人たちが居るだろうか。

 私なんか、ずっと立ち止まったままで、美勇人くんの歌声を聴くのが、美勇人くんのダンスを見るのが、7人で楽しく笑っている姿を目にするのが辛かった。なのに、当事者である彼らが、もう吹っ切って大きく前進しているのだ。見えないところでどんなに話し合いを重ねていたのだろう。現状にきちんと向き合っていたのだろう。たくさんの葛藤と悲しみを乗り越え前に進む勇姿が眩しい。

 やっぱりこの人たちには適わない。
 これ以上素敵なグループは居ないと自信を持って言える。

 今日11月29日は、「7ORDER LIVE TOUR 2023 DUAL」の発売日。12月8日に開幕する「DUAL」のエンドロールが楽しみで仕方ない。

 これからも7ORDERは進んでいく。
 美勇人くんの居ない7ORDERの新たな歴史の始まりである。