ディズニーワールドは夢の国‥(その4)
今回は、リゾートを支えるもう一つの柱。高度にシステム化されたプロセスについて書きます。最近行っていないので変わっている部分もあるかと思いますがご勘弁を。
ディズニーワールドの便利さを一番享受できるのは「アメリカ国内に住み、飛行機でオーランドに行く」人です。それ以外の人では使えるサービス・使えないサービスが出てきます。ここで、「大人二名、子供二名、5泊。飛行機でオーランドに行く」ケースを例に取ってみましょう。
まず、ディズニーIDというアカウントを作成します。ホテル・パーク・レストラン・移動の予約はこのIDに紐付けられることで一元管理されます。一元管理された情報を上手く活用することでリゾートの運営が円滑に回ります。
子供の年齢を入れて検索すると以下のような候補が出てきます。
丁度松、竹、梅という感じでしょうか。松のホテルはサファリパークに面しておりベランダからサファリパークが一望できるのが売りです。
ここはとりあえず真ん中のカリビアンビーチリゾートを選んでみましょう。
カリビアンビーチリゾートで、現在開いている部屋は「パイレーツ・オブ・カリビアン」仕様になっている部屋のみです。この部屋を選ぶと、次に何日分のチケットを購入するかをきかれます。チケット価格は旅行当日の年齢に応じて変わるので子供の年齢を入力するのはこのためです。
積み上がっていくコストが明確に見えるので予算が立てやすいのもこのサイトの特徴です。金額は宿泊費とチケット代を足したものです。4日目と5日めの価格が余り変わらないのはパークチケットは日数が長ければ長いほど一日分が割安になる価格体系だからです。3日分チケットを購入することにします。
※細かいことを書くと、チケットは一日一パークのみが原則なので、期間が短い場合は一日に回れるパークの制限を無くすパークホッパーというオプションをつけるのが定石ですがここでは割愛します。
ダイニングプランというミールクーポンシステムをつけるかどうかを聞かれます。このプランにはホテルでソフトドリンク詰め放題のマグがついてくるのと、上手く活用すると都度精算するよりも安く上がる、事前に食事のコストが固定できるというメリットがあるのですが好き好きです。https://disneyworld.disney.go.com/dining/plans/
最後に移動手段を予約します。ここで、「ディズニーマジカルエキスプレス」を頼むと無料で往復送迎してもらえます。(因みに空港からディズニーワールドまでは40キロほどですのでかなり遠いです)
後述しますがこのマジカルエキスプレスが個人的には一元管理を一番上手く使ったシステムのように思われます。マジカルエキスプレスを選択した際には行きと帰りの飛行機の便名と時間を入力する必要があります。
ホテルとチケットの予約がすんだら、次はレストランの予約を勧められます。テーブルサービスタイプのレストランは180日前から予約できます。これに対してファーストフードのような予約できないタイプのレストランはクイックサービスと呼びます。
https://disneyworld.disney.go.com/dining/
つぎに、宿泊者がアクションを起こすタイミングは60日前です。60日前になると直営ホテル宿泊者用にファストパスの事前発券が各日3枚まで出来るようになります。他の人は30日前からです。
ファストパスは乗り物だけでなく、パレードや花火を観覧する専用スペースにも適用されるため「絶対にこのパレードが見たい!」「花火が見たい!」というメンバーがいる場合は場所取りの必要がなくなり非常に助かるものです。
https://disneyworld.disney.go.com/plan/my-disney-experience/fastpass-plus/
ディズニーワールドのファストパスは紙ではなく、電子情報として個人IDにリンクされます。リゾートにつくとマジックバンドという腕輪を渡されますがそれが部屋の鍵、ファストパスの認証キー、決済手段を兼ねています。以前もらったマジックバンドがお気に入りの場合は事前にディズニーIDにリンクすることで使えるようになります。
その次のアクションは2-3週間前です。荷造りをしている頃に、ディズニーマジカルエキスプレスの荷物タグが配送されます。飛行機に預ける荷物ですぐ使わない物はこのタグをつけて預けて、ついた当日すぐ必要な物だけ別荷物にします。マジックバンドを持っていく場合は預け荷物には入れません。
出発当日、出発空港の手荷物預けカウンターにマジカルエキスプレスの荷物タグをつけた荷物を預けて、飛行機に乗ってオーランド空港に到着すると、ここから魔法が始まります。
空港内のマジカルエキスプレスの受付カウンターの看板には手荷物受け取りを迂回するよう書いてあります。出発地でマジカルエキスプレスの荷物タグをつけた荷物はオーランド空港の受取所に出てきません。空港側でディズニーワールドのホテル行きと認識してディズニーワールドの輸送業者に引き渡されます。
空港内のディズニーマジカルエキスプレスのカウンターで泊まるホテルなどを確認してバスにチェックインすると乗るバスが指定されるのでそのバスに乗り、ホテルにチェックインしてパークに遊びに行きます。遊び疲れて部屋に帰ってくる頃には預け荷物が部屋の中に着いている魔法です。因みに国際線で来る場合はここのカウンターで荷物を預けると同様に部屋に数時間後届くよう手配してくれます。
この魔法には逆バージョンの「ディズニーリゾートチェックイン」というものもあって、ホテルで飛行機のチェックインをして荷物を預けると、搭乗券が発券され、そのまま飛行機に乗って、到着地の空港で荷物を受け取るという仕組みも有ります。(国内線に限ります)
最終日の前日、部屋に「あなたのバスは何時に迎えに来ますよ」と書かれた手紙が届きます(この時刻は予約時に入力した搭乗便情報から逆算されています)時刻が合わないようなら変えることもできます。
マジックバンドは電波発信型の機器で、誕生日を迎えた装着者の接近を周囲の施設に知らせる(魔法でカスタマイズされたおもてなし)などの使い方も考えられていますが、現時点ではサービスはこれから花開く感じです。ただ、プライバシーの問題もあるので、電波を発信しないカードキーに取り替えてもらうことも出来ます。
https://disneyworld.disney.go.com/plan/my-disney-experience/bands-cards/
ディズニーワールド現地でのレストランの予約やファストパスの発券はスマートフォンアプリでやるのが一番早いのでパーク内ではWi-Fiが使える状態です。また、リゾート内で買った物は、頼むと部屋の中に届いています(魔法)
ここまで読むと計画性が非常に求められる印象を受けるとおもいますが、まさにその通りです。何ヶ月も前からいろいろ夢を膨らませて、予約して、その日が来るのを指折り数えて待つような人のためにディズニーワールドは設計されています。長期滞在すると安くなる仕組みも、長期間ゆったり過ごす事が前提です。その分飲食などでお金が落ちるのでホテルや送迎が安くても元は取れるという考え方です。
「週末にでも行こうか」というタイプの人にはランドの方が向いています。仮に用意をせずに行くとファストパスは60日前から直営ホテル宿泊者に押さえられ、レストランは180日前から押さえられ、と非常に不利な条件で臨むことになります。ここはふらっと来るところではなく、数ヶ月から一年、(もしくは数年というケースもあるでしょう)行ってみたいと夢見て準備をした人の為のリゾートです。その思いに応えるために、バックグラウンドが高度にシステム化され、サービス内容も可視化されているのです。(夢を叶える魔法を情報技術で実現していると言うことです)
サービス担当者の力量によってバラツキが出るのが日本式おもてなしの問題点だと思いますが、こちらはその逆でおもてなしをシステム化・標準化する路線です。どちらが向いているかは好き好きでしょうね。ウェットな押しつけがましさがないので私はこちらが好きですが。
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