古典小説を読もう

古典小説を読もう
小説の著作権は作家の死後50年です、日本や米国のような一部の国は70年に延ばしています。
僕たちはそれを無料で読めます。
古典にはもう一つの優れた点があります。
それらの作品が現在、残っていると言うことは、その作品が既に多くの人々に選ばれたと言うことです。
ベストセラーは多くの人に読まれますが、ベストセラーのほとんどは将来存在できません。

はなしは変わりますが、僕は今日、「浦島太郎」の原作を見つけました。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~Taiju/urashima.htm
現代の童話「浦島太郎」はこんな感じです。
日本人なら誰でも子供の頃夜眠る前にお母さんから話してもらったことがあるので知っている話だと思います。

“浦島太郎さんが助けたカメに連れられて、竜宮城で楽しい日々を過ごします。”
“帰りに『決して開けてはならぬ』玉手箱を貰って帰るのですが、帰って玉手箱を開けてしまいます。”
“すると中から煙が出てきて、煙を浴びた浦島太郎はお爺さんになってしまう。”

下記のものを含めていろいろな異説があります。
https://americanliterature.com/author/grace-james/fairy-tale/urashima
http://www2s.biglobe.ne.jp/~Taiju/urashima.htm
僕は室町時代に書かれた「御伽草子」を読むことができます。
オリジナルの1つは次のように語っています。

浦島太郎という、24~25歳の男がいました。太郎は漁師として生計を立て両親を養っていました。
釣りをしていると、亀が釣れましたがかわいそうに思い逃がしてあげました。
数日後釣りに出かけた浦島太郎は美しい女性が乗った小舟が海の上に浮かんでいるのを見つけました。
わけを聞くと「「大きな船で旅の途中で嵐にあって船が転覆してしまいました。親切な人が私を小舟に乗せて助けてくれました。どうか私を国元へ連れて行ってください」と言います。
浦島太郎は、おなじ船に乘り移り、沖の方へ漕ぎ出す。
女性の言う方向に10日程船を進めました。
そしてついに女性の故郷にたどり着きます。
そこには、豪華な宮殿がありました。
「きっと、あなたと出会えたのは運命です。あなたがはるばる私を故郷まで送り届けてくださったのもきっと運命がそうさせたのです。」
「どうか私と、結婚してこのままここで暮らしてもらうことはできませんか?」
浦島太郎は、「そうしましょう。」と答え、二人は夫婦となりました。

ある日、彼は彼女に言います、「私たちは3年間一緒に住んでいます。今は故郷に残した両親の事が心配だから、一度両親の場所に戻り、再びここに戻りたいです。」
あなたがどうしてもあなたの世界に戻るとおっしゃるのなら、私はそれを止めることはできません。
この箱を受け取ってください、ただし、あなたの国ではこの箱を絶対に開けないでください。

彼は10日間独りでボートをこぎ、彼の両親が住んでいた浜辺にたどり着きました。
そこには両親ではなく一人の老人が住んでいました。
「この辺りに“浦島”の家族が住んでいたはずなのですが…?」と尋ねると、
「浦島という家があったのは700年も昔の話、と聞いております。」とお爺さんは答えました。
彼がそこに住んでいた3年は、ここでは700年だったのです。
浦島太郎は途方に暮れて浜辺を彷徨います。
ついに、彼は妻が彼に決して開けてはいけないと言っていた箱を開けてしまいました。
箱から出てきた煙は彼を鶴に変えてしまいました。
鶴になった浦島太郎は大空に羽ばたきながら思いました。
「この世界はリュウグウ島よりも時間の経過速度が非常に速いため、妻は私の年月を箱の中に入れました。
そして、私が箱を開けたとき、彼女は私を鶴に変えました。
鶴は千年生きることができるので、私はすぐに死にませんでした。」

違いが分かりましたか?
子供向けは「動物虐待は良くない」という教訓仕立てですが、御伽草子の方は異類婚姻譚のラブストーリー仕立てになっています。

それにしても、小泉八雲までが浦島太郎を英訳しているとは驚きです。

Out of the East by Lafcadio Hearn

https://www.amazon.co.jp/Out-East-Lafcadio-Hearn/dp/0804810397




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