地元の人々によって伝えられる芭蕉

これは「なるご 夜語り」に出てくる話です。
この故事がどのように代々伝えられてきたかは想像に難くありません。
この話は尿前の関の門番が語ったものです。
私の文章が尿前の関について書かれたものだとお読みになれば、ピンとくるでしょう。
そうです、芭蕉と曾良があの門を苦労してくぐり抜けた話です。
門番は、貧しい僧侶二人が門番の家に泊まりたいと頼んだので驚きました。
門番は、二人に馬小屋の屋根裏部屋に泊まることを許可しました。
翌朝、二人は別れも言わずに出発しましたが、メモを残していきました。
メモにはこう書かれていました。「蚤虱馬の尿する枕もと」 「芭蕉」
門番は、僧侶が芭蕉と曽良だと知って、急いで手下を彼らの後を追わせ、昨夜のことを詫びるために連れ戻すよう命じた。
手下は彼らに追いついたが、彼らは戻ることを拒否した。
これが門番の側から語られた物語のすべてである。

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