兎に角やる、一歩目を踏み出す。

「文才あるよ」

ボクシング一筋、年齢よりスポーツ歴(空手、柔道、陸上競技、ボクシング)の方が多い自分が言われるなんて思いもしなかった。実際、生きてきて文才という言葉を聞いたのは自分が言われた時に聞いたのが初めてだ。

もちろん分かっている。
この、執筆レベルの高いnoteの中で、しかもフォロワー90人そこそこの若造が何を言ってるんだと。

「ボクサーにしては…」「勉強してこなかったやつにしては…」が前置きとしてあるだろう。
謙遜ではなく、まだ自信は無い。

だけど、ここ最近の自分の書くことへの成長は感じていた。

そこで思った。

アウトプットすることの大切さ。


このnoteを始める前はアメブロで日々の出来事や思ったことを投稿していた。
1年間ほどで146記事書いている。
初めの頃は毎日書いてる日も続いていた。

やり始めたきっかけは、怪我だった。
プロボクサーとして練習の出来ない間に何か出来ないか。
怪我をしていても応援してくれる人が1人でもいるのなら発信することに意味はありそうだと思った。

初めの頃の記事を見てもらえれば分かるがほんとに小学生の日記と何ら変わらない。

しかし、だんだん少しずつではあるが書ける文章は長くなってきて、工夫の様なものも感じられるようになってくる。

書いている最中は「あ、今日良い感じに書けたな」という感じ。

ボクシングをやっているけど、ボクシングでも同じ、練習の時、試合の時に、
「あ、今の体の動かし方良かった!」
「そういうことか!こうやった方が良いな!」
と、''気付き''がある。

凄く大事なことだ。

建築の仕事でも同じ。

現場監督としても働かせてもらっているが、図面を渡されてもほとんど何が書いてあるか分からない。ダメなんだけど。
元々、建築の知識は全く無いから仕方ない。

それでもやる。1回目より2回目、2回目より3回目は上手く出来るようになっている。なんでもそうだ。

上手くなる理由?

そんなものはいらないけど、一つ大事なことがあるとするならば。

成長をやめないこと、ではないだろうか。仕事が上手くなっても次はもっと上手く効率良く出来るだろう。ボクシングなんて考えれば無限に強くなれるだろうし、ブログだってもっと読んでくれる人達に伝わりやすいように書けるだろう。心に刺さる一言が思い付くようになるだろう。

思い付く…。

ただ書いてるだけで思い付くだろうか。 

…思い付く。


赤ちゃんが寝返りをしようとする時を知っているだろうか。

誰から教えられる訳でもなく自分で寝返りを覚える。立ち方も歩き方も教えてもらう訳ではない。だから、誰一人赤ちゃんには寝返りや立ち方、歩き方を教えることは出来ない。

これは本能だ。生き物には本能が備わっている。

生存本能、成功本能だろうか。より良く生きる為に備わっている。        
大学一年生の頃に、経済学の先生がボクシングをしている僕に興味を持ってくれた。ある時、一冊の本を僕に渡して「この本を勉強しなさい」と言った。もともと本を読むのは嫌いではないし、
こういうシチュエーションはなかった。

僕の''本''能をくすぐった。

サイバネティクス理論。

その本はサイバネティクス理論について書かれていた。…難しそうだなと思った。
だから赤ペンを片手に珍しく少しずつ一つずつ勉強しながら読み進めていった。
大事な部分はノートにメモしたりしてたかな。

人が成長する上で大事な要素が書かれていた。

今から思うと若いうちに出会えて良かった本だ。いや、先生に出会えて良かったんだ。

サイバネティクス理論を簡単に説明すると、例えば渡り鳥は種類によっては何千キロという距離を旅するそうだ。その鳥が過ごした冬の日本の巣と数千キロ離れた夏を過ごす巣を直線で結ぶ。角度が1度でも違えば全く違う場所に辿り着くだろう。大自然を進めば天気も湿度も気圧も風向きも毎回違ってくるだろう。このサイバネティクス理論を提唱したウイーナー博士はそこで閃く。直線的に飛んでいくのではなく、途中で何度も軌道修正しながら飛んでいくのではないか、と。目標に向かう道筋においてずれがあれば素早くそのずれを察知、そして、方向を修正して最終的な目的に到達するという考え方をサイバネティクス理論とした。同じく私たちの脳にもこのシステムがプログラムされている。整形外科医であるマクスウェル・マルツ博士はサイバネティクス理論からサイコ・サイバネティクス理論という人間の目標達成に関する理論をうみだした。「人間の脳には志向性があり、ある明確な目標を設定すると、無意識のうちに目標達成に向かうようになる」、と。

目標までの道は一直線に決められている訳ではない。紆余曲折しながら、ああでもない、こうでもないと試行錯誤し、修正を重ねて目標に向かうということだ。初めからゴールまでの道のりだって決まってはいない。

小さい頃に、ボクシングの世界チャンピオンになりたいと思った。数年後にボクシングを始めて更に数年後にアマチュアの全日本選手権で準優勝。数年後にプロボクサーとなり日本ランキング6位となった。沢山の軌道修正があった。色んな環境にも適応出来るようになってきた。少しづつ近づいているはずだ。

それこそ、机上の空論では一生辿り着けない。現場のその瞬間が大事だ。

一番大事なのはやっぱりスタートを切ること。スタートしなければ一生ゴール出来ないだろう。

直感を信じろ。

助けてくれる人もいる。邪魔する人もいる。結局、決めるのは自分だけだ。こんなことできればいいな、これやったら面白そう、そういうことは殆ど成功しなかったのではないだろうか。…一度もチャレンジしなかったのではないだろうか。2020年7月18日に僕は100キロマラソンに挑戦し、見事に成功させた。怪我やコロナによって試合が出来ない中、「プロボクサーとして名前を売りたい」という目標も達成することが出来た。100キロマラソンで僕を応援してくれた方が最近の試合の応援に駆けつけてくれた。

「100キロ走ってみたい…」 

この直感を信じた。もちろん自分一人の力で達成できた訳ではない。仲間のサポートがあって達成することができた。”兎に角”やってみないと話にならない。

ウサギに角が生えていないと言えるのは、ウサギを見たことがある人だけだろう。

自分のやってみたい、直感で感じたことなんて自分にしか分からないことの方が多いんじゃないかな。

赤ちゃんが寝返りをする時だって、必死だ。ほんとに、一度見た方がいい。何も分からなくたって必死にやって出来るようになる。兎に角やらないと出来ない。

頭が良いとか悪いとか、能力があるとかないとか、気にする必要がない。悪いことしてる訳じゃなければ周りの反対の声だって聞く必要はない。やるんだ。

思い立ったが吉日。

何でもいい。こういう言葉を口にするだけでちょっとやる気になる。一歩目を踏み出すことが出来ないでいる自分を奮い立たせる。

”僕は自分のことを普段から洗脳している。”

「僕めっちゃノリ良いんですよ!」

考えてみるとよくそう言っているし、普段から自分のことをそう評価しているとノリで何でも出来てしまう。やってしまう。大学生の頃にテレビで富士登山の映像が流れた。次の日には富士山に向かっていた。もちろん準備なんてない。行き方だけ調べる。情報を入手するのは富士市についてから。サイバネティクス理論だ。ゴールだけ決めて、後はその都度修正すれば良い。見切り発車ぐらいがちょうどいい。富士市についてすぐ、タクシーのおっちゃんから色々教えてもらった。「大袈裟な荷物なんていらないよ、それで良いんだよ」と半袖ジャージランニングシューズ姿の僕を見ておっちゃんは教えてくれた。荷物も上着が一着と飲み物とカロリーメイトだけ。荷物が少ない方が軽くて動きやすい。初めての富士登山は往復5時間で終わった。一人だったが最高に楽しかった。

別に周りの人に合わせて無理にノリをよくしなくてもいいと思うけど、自分の気持ちにはノリよく答えてあげたいと思っている。

”思い立ったが吉日、ノリが良い”。

とにかく、皆さんも一歩目を踏み出してみてほしい。

じゃなくて、こうやって記事にすることで僕も自分のやる気をあげている。偉そうに言っても、周りの目は気にするし上手くいくか不安もある。でも失敗しても死ぬわけじゃないし挑戦した自分を褒めてあげよう。

兎に角やるぞ。



とんでもない所を目指しています。

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