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ハニーボイス♡トラップ⁉(テレ東ドラマシナリオ案)

●あらすじ:
ユキヒロは平凡なサラリーマン…異様なほどの美少女フィギュア収集が趣味という以外は。さえない彼は今日も職場で上司のミソラにいびられる。そんな彼をひっそり心配する母・キリコ。
母の心配をよそに、人形を愛し続けるユキヒロ。その愛が天に通じたのか、なんと人形達の声が聞こえ始めた。「髪を切って」「この雑誌を読んで」「あの服が似合うよ」と言われるままに行動し、イケメンになっていく。
だが実は、これらはキリコの計画。キリコはユキヒロの兄である科学者・フウスケの技術力で、人形を通してユキヒロにメッセージを送っていたのだ。そして、とある事件から、実は隠れ美人だったミソラといい仲になりそうなユキヒロ。
キリコの計画は成功したように見えるが、実は…?(次回に続く方式)

●登場人物
 天野ユキヒロ(♂):主人公。20代半ばくらい。美少女フィギュア収集が趣味。
 天野フウスケ(♂):主人公の兄。アラサーくらい。AI科学のエキスパート。
 天野キリコ(♀):主人公の母。夫は単身赴任中か何かで不在。
 秋山ミソラ(♀):主人公の上司。アラフォーくらい。メガネ着用。ユキヒロへのあたりがきつい。
 レイたん:ユキヒロのフィギュアの1つ
 アッちゃん:ユキヒロのフィギュアの1つ

●選んだテーマ:
石澤大輔さんの「聴こえるはずのない声」
求められてるものと
逆の路線を走ったかもしれませんm(_ _)m

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シナリオ本編

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1 ユキヒロの部屋

・暗い部屋に、パソコンの明かりで照らされた青年が一人。

・パソコンでフィギュアの注文をするユキヒロ

ユキヒロ「ウフッ…今回のお嫁さんは〜キミに決〜めた〜♪フフッ」

・ユキヒロの背後には、棚に並べられた無数の美少女フィギュア達が浮かび上がって見える

2 リビング

・ユキヒロ、ボサボサ髪を手でとかしながら食卓につく

キリコ「ユキヒロ、昨日も夜遅かったんじゃない?」

ユキヒロ(パンを食べながら)「別に」

キリコ「もう少し早く起きて身なりを整えたら?」

ユキヒロ「うっせえなぁ…」

キリコ「そんなだから、あなたにはガールフレンドもできないのよ。お兄ちゃんは結婚して子供もいるっていうのに…」

ユキヒロ「俺には超絶かわいい嫁が何人もいるんだよ!」(かじりかけのパンを持って部屋を出る)

キリコ「ユキヒロ…」

ユキヒロ(パンを口に加えたまま、無言で上着をはおり、玄関を出る)

キリコ「ハァ…あの子このままじゃ先が不安すぎるわ…」

3 職場

・パソコンに向かって仕事するユキヒロ

ユキヒロ(お袋のやつ…いっつも俺と兄貴を比べやがって…兄貴だってただのコンピュータオタクのくせに…あんな奴なんで結婚できたんだ…ハッ…ごめんな、お前という嫁がいるのに…)(引き出しの中の美少女缶バッジに目を落とし、ニヤつく)

ミソラ「ちょっと天野くん、報告書昨日までって言ったのに上がってないよ。どういうこと?」

ユキヒロ「あ…すみません、いま印刷します」

ミソラ「いま印刷できるなら何故もっと早く出せないの?締切を守るのは社会人の常識でしょ、って何十回、何百回言わせるのよ!」

ユキヒロ(この性悪メガネブスが…そんなんだから40近いくせに結婚できねえんだよ…)

ミソラ「何か言いたいことある?」

ユキヒロ「…いいえ」

ミソラ「ホント、君があの天才科学者の天野博士と兄弟なんて信じられないわ」

・ミソラが持つ新聞の表紙に、腕を組んで微笑むフウスケの写真。
・見出しには「最新AI技術で欧米を圧倒」とある

ユキヒロ(くっそぉ…どいつもこいつもぉ…ああ、レイたん、早くおうちで僕を癒やして〜)

4 ユキヒロの部屋

ユキヒロ「あ〜疲れた〜…でもみんな、た・だ・い・ま♡」

???「おかえり、ユキたん♡」

ユキヒロ「えっ今の声は…」

???「今日もお疲れ様♡」

ユキヒロ「まっ…まさか…俺のハニー達⁉」

レイたん「ユキたん、お仕事がんばったね、えらいぞ♡」

ユキヒロ「え⁉夢⁉これ夢⁉それとも俺、死んだ⁉ここ天国⁉」

アッちゃん「ここはユキたんのお部屋。あたし達のスイートホーム♡」

ユキヒロ「おおおマジかあああ‼歓喜‼神は奇跡を起こしたもうたあああ‼」

レイたん「ユキたん、早くお風呂に入って、ピロートークし・よ・う・よ♡」

・ユキヒロ、鼻血を出しながら高速で風呂に向かう

5 ユキヒロの部屋(ベッドの上)

ユキヒロ「…どうして急に君達は話せるようになったの?」

アッちゃん「わからない…でもご主人様であるユキたんへの愛は確かよ」

ユキヒロ「ご主人様なんてやめてくれよ…それにユキたんっていう呼び方もいいけど…ダーリンなんて呼んでくれたら嬉しいなあ」

レイたん・アッちゃん「ダ・ア・リン♡」

・ユキヒロ、鼻血をティッシュで押さえる

ユキヒロ「ねえ、これからも毎日こうして話せる?」

レイたん「わからない…でもあたし達、ダーリンの健康が心配…今夜は遅いわ、もう寝ましょう」

ユキヒロ「うん、そうだね…おやすみ♡」

レイたん・アッちゃん「お・や・す・み♡」

ユキヒロ(うおおお…夢なら醒めるなああ…でも早く話したい!早く朝になれええ…)

6 ユキヒロの部屋(朝)

アッちゃん「ダーリン、朝よ。お・は・よ・う♡」

ユキヒロ「う〜ん…まだ5時じゃないか…あと3時間寝れる…」

レイたん「ダーリン、朝よ。お話しましょ♡」

ユキヒロ「ん?…うわあ!夢じゃない?まだ続いてる?これ現実?」

アッちゃん「お髭を剃った爽やかなダーリンが見たいな♡」

レイたん「前髪を短くしたら、もっとイケメンになるわ♡」

ユキヒロ「おおお、ハニー達ぃぃ!俺はやるぜえ!」

・高速で部屋を出るユキヒロ

7 リビング

キリコ「あら、今日はいつもと違って爽やかね!」

ユキヒロ「え、そう?」

キリコ「そうよ。あなた、何かあったの?」

ユキヒロ「えっと…」(ハニー達が喋りだしたなんて言ったら病院に連れて行かれるな…)「別に…じゃあ、行ってくる」

・家を出るユキヒロ
・ニヤリと笑うキリコ。手元には宅配便の箱と何かの説明書。送り主はフウスケ。

8 職場

ミソラ「あら、前髪を切ったのね」

ユキヒロ「え、あ、はい…」

ミソラ「そのほうが清潔感があるわ。今朝はギリギリじゃなく余裕を持って出社してたし、やればできるんだから、ちゃんと続けなさいよ」

ユキヒロ「はい…」(今のは…褒められたのか?)

9 ユキヒロの部屋

・字幕:数日後

アッちゃん「ダーリン、今週の『メンズノンノ』読んだ?」

ユキヒロ「うん、読んだよ。アッちゃんはこういうファッションが好きなんだね」

レイたん「本当のダーリンは、松坂桃李や吉沢亮よりもイケメンで、優しくて、気遣いができる人なのよ」

ユキヒロ「いや…俺なんてどうせ平々凡々なただのブラック社畜だよ…天才の兄貴と違ってさ…」

・ユキヒロ、目を落とす。視線の先の雑誌には、フウスケのインタビュー記事が載っている。

アッちゃん「本当よ!ダーリン、試しに明日、誰か困っている女性に優しくしてみて!」

ユキヒロ「ムリムリムリムリ!無理だよ〜」

レイたん「あたし達がついてるわ!ダーリン、一緒にがんばりましょう!」

ユキヒロ「うーん…」

10 職場

・字幕:翌日

・ユキヒロが職場に着くと、ミソラが大きなダンボールを持ってヨタヨタ歩いている

アッちゃんの声《困っている女性に優しくしてみて…》

ユキヒロ「あ…あの…秋山さん、てっ…手伝いますか?」

ミソラ「いらない、大丈夫。それより先に行ってドア開けて」

ユキヒロ「はっ…はい…」(怖いよアッちゃ〜ん、やっぱ俺程度のミジンコに松坂桃李はムリだよ〜)

ミソラ「ありがと…うあっ」

・ミソラ、バランスを崩して倒れる。ユキヒロ、ミソラの肩をキャッチ。ミソラのメガネがカランと落ちる。

・二人、しばし見つめ合う

ユキヒロ「秋山さんって…メガネ外すと結構…かわいいんですね…」

ミソラ「な…何を…ハッ…見ないで!」

・ユキヒロ、ミソラの隠した鞄の中身をチラリと見る。
・アニメのイケメンキャラの缶バッジやパスケースなどの小物がたくさん見える

ミソラ「…馬鹿にしてるでしょ…いい歳して夢女かよって…」

ユキヒロ「…いいえ、いい趣味だと思います…これ、スタジオ〇〇製作の△△ってアニメですよね。良作と名高く、放映から15年経った今も人気が高い…しかもこのキャラは主人公ではなくそのライバル…秋山さん、通ですね…」

ミソラ「…」

ユキヒロ「あああ~!今のは!忘れてください!このダンボール、運んでおきます!」(俺の馬鹿!ハニー達を差し置いて、まさか秋山さんなんかにドキドキするなんてっ…)

ミソラ「…天野くん…♡」

11 リビング

・キリコ、電話をしている

キリコ「ええ、うまくいってるわ…あなたのおかげよ、フウスケ」

フウスケ『それを聞いて安心したよ。こっちも新型遠隔AIの実験ができてありがたいしね』

・回想(人形のうなじに小さなシールを貼るキリコ)

キリコ「AIの力ってすごいわね。ユキヒロったら、みるみるうちに爽やかになってる。私がこの機械で設定した通りよ。まあ、実際に会話してるところは見てないけど…」

フウスケ『母さんこそがんばったね。Wi-Fiの設定まで自力でできたんだから』

キリコ「わいふぁい…?」

フウスケ『そうそう。AI本体から超小型マイクに音をとばすための設定さ。母さんには難しかっただろ。絶対『わからない』って電話が来ると思ってた。あ、それともBluetooth使ったかな?』

キリコ「ぶるうとぅす?…ま、まあとにかくありがとう。またかけるわ」(電話を切る)

・キリコ、AI本体の設定を確認すると、電波接続ナシになっている

キリコ「どういうこと…?AIじゃなかったとしたら…ユキヒロはなぜあんな風に変わったの…?」

12 職場

・冷静に仕事しているように見えるが、内心は超悲劇的に追い詰められ焦っているユキヒロ

ユキヒロ(秋山さんが実はあんなにかわいかったなんて…ああ、あの一瞬が頭から離れんッ!…うおお!レイたん、アッちゃん!君達というものがありながら他の女性のことを考えるなんて、俺はなんという罪深き人間ッ…俺は…俺はこの感情をどうしたらいいんだ!教えてよ…ねぇ教えてよ!俺のハニー達ぃぃ…!うわあああぁぁぁ…)

13 ユキヒロの部屋

・壁に整然と並べられた人形達、微動だにしないが、声だけ響く

人形達「ウフフ…」「ダーリン…」「フフ…」

(次回に続く)

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あとがき

ミソラとくっつけてハッピーエンドにしようと思ったけど、15分だとこのくらいかな、と思ってここらで止めました。カット数多いし…原案者・石澤さんの構想に反して(?)主人公もその母も声が聞こえるのウェルカムな設定ですm(_ _)m 最後に不穏な気配を残しましたが「続く」ならこのほうがいいかしらと思い。

今後の展開案としては「ユキヒロは人形達にミソラへの浮気を謝るけど人形達はミソラとの恋を応援する」とか「ミソラにもグッズの声が聞こえて色々がんばってユキヒロとくっつく」とかですが、もっといいアイディアがあったらいいなあと思います。

フィギュアやアニメグッズは準備が難しいかもと思いつつ^_^;
テレ東の深夜コメディドラマなら私はこういうのが見たいです。

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シナリオは2つ考えるので手一杯ですじゃ。
あとは長編小説の年内完成を目指してがんばります(・ω・)/

応援してくださるそのお気持ちだけで、十分ありがたいのです^_^