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Ma petite princesse #わたしの愛するかわいい

 わたしの愛するふーちゃん。みんなの人気者、ふーちゃん。

 彼女は平成31年3月、南葦家待望の第一子としてこの世に生を受けました。陣痛開始から公式には20時間…彼女をお腹の外に出すのに、もんのすごーく痛くて苦して辛い思いをしました。何十回「もう無理!」と思ったかわかりません。(不思議なもので、お腹から出てしまえばその痛みも忘れるんですけどね)

 出産直後に印象的だったのは、丸坊主や薄毛で産まれる子が多い中、彼女は最初から黒々とした短髪を生やしていたということ。(耳毛、肩毛、腕毛も濃くてビックリしたのですが、今は落ち着いています)助産師さんの言葉を借りると、

「フサフサだね〜」

 さらに容姿について言うと、

「パパソックリだね〜」

 そう、目元が父親そっくりだったのです。少し垂れ目で切れ長な感じが正に彼の縮図、瓜二つ。産まれたての時はあまり目が開かなかったので尚更です。

(ちなみに助産師さんが指摘したこの2点は、後日友人や同僚に顔を見せた時にも必ず言われました)

 さて、弱々しい泣き声を伴って外界にやってきた彼女ですが、第一声は臍の緒の処置をしている前後に発した「クゥーー」でした。
 憔悴しきった自分自身が分娩台の上で「クゥって言った」と口にしたので間違いありません。

 しかしその後、今に至るまで、あの「クゥーー」を聞いたことはありません。まさかの幻の声だった訳ですが、今でも鮮明に思い起こすことができます。小動物の鳴き声みたいでした。

 小動物。

 そう、生後間もない彼女は小さな人間というよりも、別の生き物みたいでした。

 小枝みたいに細くて真っ白な指、固く握った胡桃大の拳。頭なんか片掌に収まってました。顔は皺だらけ、髪は羊水が乾いてガチガチ。首も背中もフニャフニャだし、本当にこの生物が我々と同じ人間になるのか?入院中、ずっと不思議でなりませんでした。

 そんな疑問を抱えて数日が経ったある晩。何時だか覚えてませんが、ド深夜のことでした。
 常夜灯がボンヤリ手元を照らすだけの暗い病室で、授乳を終えてゲップさせようと恐る恐る彼女の体を起こしたときです。

 黒目がちな、透き通った瞳と目が合いました。

 まだ名も無き彼女が目を開けている姿を、私が初めて認識した瞬間でした。

 赤ちゃんの視力は極度に低いから、私を見ているわけじゃない…わかっていました。でも、

 なぜだか涙が出てきました。

「お父さんソックリだね〜」

 声に出して、そっと語りかけました。

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 あれから一年と二ヶ月が経ちました。

 フニャグニャだった謎生物は、その後ふーちゃんと名付けられ、お肌が少し弱いものの、大病を患うこともなく、健やかに(でも全国平均より小さめに)育ちました。

 今では二足歩行を習得し、歩くどころかペンギンみたいにダッシュしてます。

 社会的な行動も増えてきました。

 親の真似をして台所の床をガーゼで拭いたり(しかも洗いたてのきれいなやつで…)

 外から帰った時に手を洗わせていたら、タオルで手を拭いたり(拭く「真似」だから手は濡れたままだけど…)

 自分でつかんで離乳食やおやつを食べたり、コップで水やお茶、牛乳を飲むこともできます。食の好みはまだ偏っていますが、パンを盗み食いする程度には食欲があります。

 おしゃべりも達者です。

 使う単語の第一位は「パイ」(母乳を飲ませろ)、二位は「コッチ」(諸々の自己主張)、三位は「アンパンマン」(YouTube見せろ)

 最近覚えた言葉だと、「アチチ」(熱い)、「ハンタイ、ァンタイ」(母乳を飲ませろ/飲み足りない)、「テッテ」(手洗い)……挙げたそばから「コッチャイ、チャァイ」(違う)みたいな新語が出てきて、書いても書いてもきりがありません(笑)乾いたスポンジみたいにどんどん言葉を吸収しています。

 賢いだけでなく、容姿も淡麗です。(※いつまでも外れない親バカフィルター) 
  
 髪はフサフサで、黒々艷やか、サッラサラ!(最近マッシュルームヘアーになってきました)

 ちょっと太い眉はご愛嬌( ・ิω・ิ)

 まつ毛は長く、瞬きするとバサバサ音がしそう。

 小さなブタ鼻は指で押さずにはいられません。(つい最近、自分でも鼻を指差して「ハナ」と言えるようになりました)

 ぷっくりした小さな唇、めっちゃチューしたい!…しないけど。虫歯予防、大事。

 歯といえば、いま生えているのは真っ白い小さな前歯8本。9本目も見え始めています。

 プニプニのほっぺは弾力抜群で羨ましいです。

 いわゆる福耳でもあります。耳ってこんなに薄くていいのかっていうくらい繊細な作りです。

 見えないトコロ♡でいうと、お尻に大きな蒙古斑が。お風呂上がりに手でボリボリ掻いています。手先も器用になったもんです。

 …親バカフィルターを通すと何もかもが世界一素晴らしい存在に見えます。ゲップやオナラはもちろん、ウンチでさえも!

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 将来有望。

 希望と可能性の塊。

 この小さなお姫様の一挙手一投足から、私は目が離せません。

 …2つの意味で(笑)

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こちらに参加させていただきました!

応援してくださるそのお気持ちだけで、十分ありがたいのです^_^