クロスロール(フォア)
今回はクロスロールについて。単純な動きなのだが、最初は踏み出す瞬間にすばやくアウトエッジに乗ることができなくて、まごついてしまう。
残念ながらローラースケートでクロスロールをしている良い動画が見つからなかったので(※追記あり)、アイスの動画を紹介する。アイススケートも、靴が違うだけでまったく同じ動きだ。
まずは、クロスロールとはこんな動きだ、という動画から。
↑ Duc Khungによる羽生結弦選手のクロスロール動画。SEIMEIですな。
■クロスロールのやり方
そして、こちらはロイド先生によるクロスロールのやり方講座。
↑ アイスコーチ・オンラインの動画。いつもながら、丁寧で分かりやすい。
0:23 まずは、その場で脚を持ち上げてクロスしてみよう。
0:39 次は前に進みながら。肩、ヒップは動かさず、まっすぐ前を向けたままで。少し前進してから足を持ち上げてクロスさせてみる。足は置いた瞬間にアウトサイドエッジで。インサイドやフラットで降りてからエッジをアウトサイドに変えるのではない。しっかり踏み出してクロスさせて。
1:54 少しカーブを描きながらやってみよう。足を入れ替える時には膝を曲げてプッシュ。
2:45 腰はまっすぐ正面を向いたままで。
2:59 ここから悪い見本をいろいろ見せてくれる。足を持ち上げてクロスする時に腰をひねらないこと。上半身も体を開きすぎないこと。足を踏み出す時に足をただ落として重心を乗せるのではなく、膝をしっかり曲げてプッシュしながら。上半身を無理やりひねってクロスさせないこと。お尻を後ろに残してへっぴり腰にならないこと。プッシュする時は、トウで蹴らずにアウトエッジで。
うちのクラブは体育館で練習しているので、床にはたくさんの線が描かれている。もし何もない地面だったら、チョークで直線を描いて、それを中心に左クロスロール、右クロスロール、と順番に左右に半円を描いていく練習をするといいと思う。うちのコーチは、なるべく小さな半円を描くようにした方がやりやすいよ、と言っていた。大きいハーフサークルを描こうとすると、つい最初の踏み出しがフラットになってしまいがちだ。小さな円の方が、意外とアウトエッジに乗りやすい。
クロスロールが上手になるまでに通る過程には2つあると思う。
第一段階:足をクロスするのが怖くて、しっかり膝を曲げて踏み出せない
第二段階:クロスできるようになったが、エッジに乗って踏み出すための瞬間体重移動が怖くて、ついフラットになってしまう
どちらも回数を重ねて練習するしかない、と言ったらミもフタもないのだが、最初はサマにならなくてもとにかくクロスしてみる、エッジがフラットでもとにかくリズムよく滑れるようになるまでやってみる、しかない。やりながら、こうじゃないんだよな、もっとこう滑りたい……というイメージをしっかり持って改善していくしかないと思う。そうやってジタバタしているうちに、徐々に感覚がつかめるようになっていって「あ、今、気持ち良くできた!」という瞬間がやってくる。この、できるようになった時の爽快感が、たまらない。それが私がローラースケートにハマってしまった原因だ。
↑ オレグとキセニアの動画。重心を置く位置が表示されてわかりやすい。こんな風に、足を踏み出した瞬間から深いエッジに乗っていくことが大切。
■中級編
できるようになってきたら。中級編として、最初の動画の後半でロイドが説明しているように、もっとスムーズに美しく滑るコツをマスターする。
↑ 最初と同じ動画だが、もう一度後半部分を5:50から見て欲しい。
まず、クロスする時には足を持ち上げてよいしょっと踏みかえるのではなく、フリーレッグを近づけてきて滑らかにクロスさせる。そして、クロスする時にはしっかりと膝を曲げて腰を落とし、アウトエッジで滑りながら徐々に上がってきて、またクロスする時に腰を落とす。円の内側にもっと寄りかかるような感じで全身で深いアウトエッジに乗る。
さらに、ロイドの最後の方の滑りを見るとよく分かるように、体全体を円の進行方向に向けていく。動画の最初の方のお手本では体がまっすぐカメラに対して前を向いたままだが、後半ではクロス地点で横向きになっているのが分かるだろうか。これは、きちんとこれから描く半円の円周の方向に体を向けているからだ。腰と上半身をひねるのではなく、あくまでも体を円周の進行方向に向けてスクエアに真っすぐに。
うちのコーチには、この円周に対して真っすぐに体を向ける動きをやりやすくするために、クロスする時にフリーレッグと同じ側の手を目の前の12時の位置(線を中心に左クロスロール、右クロスロールと描く時の直線上)に持ってくるように指導する人もいる。ただしこれは、体や腰の変なひねりの癖がついてしまうといけないので、中級編になるまでやらないこと。ひねるのではなく、腕を前に持ってくるように心がける→体も次の円周に対して自然とまっすぐそちらに向く(直線に対しては横になる)→結局クロスを踏み出す時には腕は体の前ではなく横になる、という感じだ。
フリーレッグは美しく後ろに伸ばす。
クロスロールは、ウォームアップにもいい動きだと思う。私はいつもウォームアップとして、まず美しいフォームを意識しながら普通のフォアのストロークで1周(この時に、床の滑り具合もチェック。掃除や天気によって滑り具合が変わるから)、両足スラローム半周、片足スラローム半周ずつ、モホークターン、そしてバックで同じように両足スラロームと片足スラロームをやってから、まだ時間があればセミサークル、そしてクロスロールを1周やることにしている。
追記:あまり良い動画ではないが、ローラースケートでクロスロールをしている動画を見つけたので紹介しておく。
↑ ダーティ・デボラの動画。タイトルにクロスロールと入っていなかったのでスルーしていたが、フォアクロスかと思って見てみたらクロスロールだった。ただしアーティスティックのかっちりした滑り方ではなく、もっとノリノリな滑り方。アーティスティックではこの動画のように腰をひねらないので注意。他のスタイルで滑っている人には、真似してみると楽しい滑り方だと思う。
追記その2:ある程度できるようになった人のために、中級編を書き足した。
追記その3:今日、ダンスの中級レッスンでクロスロールを直された。クロスさせる時に、膝を曲げてプッシュ、が弱かったようだ。ただ踏みかえるのではなく、ちゃんとプッシュする。リズムよく、アウトエッジでホーールドーーたたん♬で膝曲げ&クロス&プッシュ、という感じ。
追記その4:どうもクロスロールが綺麗にいかないなぁと自主練していたら、今日ダンスのコーチに目から鱗のアドバイスを貰った。クロスではなく、プログレッシブをイメージして、もっと推進力が出るようにしてごらん、と言われたら、ちゃんとプッシュできるようになったし、深いアウトエッジにも乗れるようになった!クロスロールは、素早く推進力を得る動きなんだよ、とのこと。クロスさせようとすると足を持ち上げたくなるが、プログレッシブをイメージすれば、フリーレッグをスケーティングレッグにできるだけ近く持ってきてから、滑らかに交差させていくことができる。プッシュも、プログレッシブと同じ要領でできるようになった。
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