リーダーシップを考え直したい

皆さんに必ず読んでほしいと思える、人生のバイブルとなり得る本に出会ったので紹介します。

伊賀泰代氏の「採用基準」という本です。

本書は外資系コンサルティングファームで採用担当を務めた著者が、日本と諸外国におけるリーダーシップの考え方の違いに触れながら、本当の意味でのリーダーシップを身につける必要性について説明する内容となっています。

成果主義とリーダーシップ

リーダーシップの必要性について強烈に考えさせられた箇所について、以下に引用します。

リーダーシップを考える時、常にセットで考える必要があるのが「成果主義」なのです。成果主義とは「努力でもプロセスでもなく、結果を問う」という考え方であり、成果主義を原則とする環境でなければ、リーダーシップは必要とされません。
(中略)
「楽しければよい」状況で求められるのが、せいぜいまとめ役や調整役に過ぎないのに対し、成果を達成するには必ずリーダーシップが必要となります。

採用基準|伊賀泰代

市役所職員の仕事における成果主義とリーダーシップの欠如

市役所職員として仕事をしていると、まとめ役や調整役に終始している人が多い印象です。担当内、所属部署、関係部署が納得するような説明を求められます。もちろん住民に対する説明責任も重要ですが、それと同じかそれ以上に組織内での調整が大切なのです。

それは、明確な成果指標がなく、前例や時流、それぞれの価値観によって意思決定されることが多い市役所の行政職では特に顕著に現れるのだろうと感じました。

自分の担当業務に成果指標を設定する

そんな中で仕事をしていると、やはりリーダーシップを発揮すべきは役職付きの職員もしくは所属年次が長い職員になりがちで、自ら進んで意見をしていく職員は稀です。自分なりに改善案を考えるどころか、業務の必要性すら意識することもなく、前年までの業務を維持することに意識が向いてしまいます。

担当者それぞれに設定する人事評価のための目標設定についても同様で、必ずしも所属部署の目標達成に寄与するような目標設定がなされていないことも多く、またどのように評価されるかを意識されていないことも多いでしょう。

上記の人事評価で成果指標を設定することはもちろんですが、日々の業務についても成果指標を設定することがさらに大切だと思います。

市役所職員の一般行政事務職員は、まず第一に指示されたことを実行できることが求められる印象があります。

それは地方分権一括法が施行される前の国と自治体における主従関係からくるものなのか、あるいは法令で定められていることを住民に指導するような体制になってしまっていることによるものなのかは分かりません。

いずれにせよ、指示されたことや前年までに実施されていたことを疑いなくやっていると、慣れてきた頃には仕事にやりがいを感じられなくなってしまうでしょう。

そこで、日々の業務で問題だと思っていることや、もっとこうすれば良くなるのにと感じていることについて、自分なりに成果指標を設定するのです。

例えば、
・会議に参加するときは必ず一回は発言する
・紙で印刷している資料を減らして経費を削減する
・選挙会場の設営をお昼前までには終わりにする

すると以下のように行動できるようになるでしょう。
・会議で全く意見が出ない時に意見を言ってみる
・起案書添付の資料について、電子データを参照するよう提案する
・選挙会場の設営事務で、以前担当した会場での設営方法を紹介する

このように、自分なりに成果指標を設定すると、それを達成するためにはどうしたらよいかを考えて行動するようになります。現状の問題を自らの問題と捉え、自分なりの解決策を言ってみることこそがリーダーシップです。

リーダーシップとは役職がある人だけが発揮するものではなく、その場をよくしようと考えて行動する人が発揮するものなのです。

成果指標をもつことで変わる人生

大袈裟ではなく本当にそう思います。
なぜならば、成果指標を持つべきは仕事だけでなく私生活においてリーダーシップを発揮すべき場面は数多くあると思うからです。

例えば家族で旅行に行く時。
誰でも家族で最高の思い出を作りたいと思うはずです。
そのように考えた時、「どのような旅行になれば最高の思い出が作れたといえるのか」ということについて考えます。

そこで考えられる成果指標としては、
・旅行先ならではの美味しいものを食べる
・家族みんながご機嫌で間違っても喧嘩をしない
・思い出を形にして残す etc…

そこでとるべき行動は、
・絶対に食べたい名物のお店を事前に決めて予約しておく
・余裕を持ったスケジュールを設定する
・写真を撮影して帰ってきてからアルバムを作る

上記の仕事の場合と同様に、成果指標を設定することで達成するための行動をするようになるのです。ただ漠然と旅行に行くよりも、よりよいものになることは言うまでもありません。

まとめ

いかがだったでしょうか。
役所での仕事をしていると、自分の担当業務以外に意識がない職員をよく見かけます。お恥ずかしい話ですが私もその一人です。

おかしいなと思うことや違和感を感じることは多々あれど、それを誰かが解決してくれるような意識があるのではないでしょうか。

まずは自分なりの成果指標を考えてみましょう。
そして少しずつ市役所をみんなにとって親しみのあるものに変えていきたいものです。

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