作業を仕事にしたいと考えた
「こんなのは仕事じゃなくて作業だよね。」
淡々と業務をこなす同僚から不意に言われた言葉。
仕事中の愚痴とも取れるその一言は、私に自分の仕事への取り組みについて考えさせるものでした。
作業と仕事の違いは何か
これに関しては界隈で様々な定義がされています。
自分なりの現時点での定義は、
というように考えています。
日頃の業務を振り返ると、ルーティンワーク化しているものも多いと思います。そしてそのルーティンワークをこなしている時に、私は「仕事をしている」ではなく「作業をしている」と感じるのです。
もちろん効率よく業務を進めていくうえではルーティンワーク化したものをこなすことが必要です。むしろ自治体職員としての業務は、まずルーティンワーク化していることを間違うことなく確実にこなすことが求められていると思います。
ODSCという考え方を教えてもらった
皆さんはODSCという考え方をご存じですか。
ODSCとは、Objectives(目的)Deriverables(成果物)Success Criteria(成功基準)の頭文字をとったものです。業務に取り掛かる前の初期段階に定義する考え方で、目的を明確化することで実行手段を明らかにし、成功基準やゴールまで定めるという方法です。
自治体業務でざっくりと考えるならば、
といったような感じでしょうか。もっとも、実際の業務において成功基準は抽象的なものではなく、具体的で計測可能なものでなければならないと思います。
このODSCという考え方は、特に事業担当者としての仕事をする際に効果的であると思います。初期段階でこれらを担当内で話し合って共有することで、担当業務の目的を見失うことなく取り組むことができるでしょう。
ODSCの中で最も大切であると考えられているのはSC=成功基準です。
成功基準があることで、議論の判断軸ができるからです。D=成果物がどんなに優れたものだったとしても、成功基準を満たさなければその事業は成功したとはいえません。
私は以前noteで、自分なりの成果基準を設定することについて書いたことがありますが、ODSCもそれに近い考え方で、さらにO=目的とD=成果物まで一気にデザインすることができるフレームワークです。さらにODSCに似た考え方で、KGI、KPI、アウトプットがあります。いずれも似たようなことを行っているかとは思いますが、ODSCは1つのフレームワークになっていることでより取り組みやすいものになっているかもしれません。
ODSCで自分の業務を再考する
ODSCに当てはめて自分の業務を考えるとどうなるでしょうか。
私は、自分にとっての作業を仕事に変えることができると思っています。
冒頭で作業はルーティンワーク、仕事は新たな価値を創出することであると書きました。どんな業務でもこのODSCに当てはめて考え直すことで、ルーティンワークという意識は薄れていき、自分の頭で考えて業務に取り組むことができると思います。
成功基準にこだわって業務に取り組むということは、成果にこだわるということでもあります。この成果にこだわるという姿勢は、我々自治体職員に不足していると言われがちです。成功基準にこだわって議論をすることで、現状よりもより良くするにはどうしたら良いかを考えて行動できるようになると思います。
自治体を取り巻くさまざまな問題は一見すると複雑で、とても自分が解決できるような問題とは思えません。しかし私は、自治体職員それぞれが担当する業務の延長線上にその複雑な問題があるのだろうと思っています。
まずは目の前の担当業務から、一つ一つ改善していきましょう。
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