B・誠也

双子アイドル5

そこには、誠也が立っていた。

「こんにちは、マスター。昨日、咲也がネックレスを忘れていかなかった?」
私は、引き出しからネックレスを取り出し誠也に渡す。
「ああ、やっぱり。ありがとうマスター」
お安い御用だよ、と笑ってみせた私に、誠也は少し躊躇ったそぶりを見せた後、こう言った。
「ちょっと相談したいことがあるんだけどいいかな?」

誠也をカウンター席に座らせる。彼は、神妙な面持ちで口を開いた。
「咲也は一人でアイドルをやった方がいいんじゃないかって思うんだ」
驚く私に、誠也は話を続けた。
「咲也には才能がある…。歌も、ダンスも、叶わない。俺が足を引っ張ってるなら、解散して咲也一人でやっていった方がいいと思うんだ」
言葉を見つけられずにいると、誠也はさらに言葉を紡いだ。
「俺にも応援してくれるファンがいることはわかってる。でも、俺達二人でアイドルをする必要性が感じられないんだ。咲也のファンの中には、俺を映すより咲也をたくさん映してほしいって言っている人もいる…。俺が咲也の邪魔になってるんじゃないかな…」
そう言うと、誠也は顔を伏せてしまった。

そんな彼に、私がかけた言葉は…(選択してください)

A・「咲也は誠也を必要としてるよ」

B・「誠也にもいいところはたくさんあるよ」

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