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機会損失を防げ!

昨年売却の相談を受けたお客様からまた最近相談を受けた。

「やっぱり美南さんに頼んでおけば良かったです…。」

昨年、査定をさせてもらい「売れる金額」と「相場とずれていない範囲の販売価格」のご提案をさせていただいた案件だ。

その時は売主様であるお客様にご理解を得られず、他社に私の提示した値段の2割増しで売却の依頼をだされてしまった。

私自身が明らかに高いと思ってしまう金額では、私のことを信頼してくれているお客様に積極的にはご紹介できない、と言ってしまったが、本心からなのでそれで選ばれなければ仕方ない。

しかし、半年以上経ち、結局見に来る人もおらず、まったく売れる兆しもなく、頼んだ業者さんもなかなか連絡がとれない担当だったそうだ。

チラシを巻いたと言われても巻いている様子も問い合わせもなく、ネットに乗せたといっても、調べてもでてこない。

媒介の期限である3ヶ月を過ぎても、なんの連絡もなく、報告もない。たまに連絡がついたと思えば、「値段を下げませんか?」という返事。

遠方の業者や、ネットに疎いご年配の業者だと正直珍しくない。

しかし、そういう業者は人が良かったり、その場のトークでは頼もしく感じてしまったり、ただのんびりとやっているだけだったりするのが憎めないところである。

明らかに高値で話をし、あたかもその金額で売れるように話したり、「私のお客様でこの地域で○○万円で購入を希望しているお客様がおります」というチラシで本当はそんな金額で購入をする人がいないにも関わらず、売却の依頼だけもらい徐々に値段を下げてもらうということをやっている業者がいる。

そういうところに引っ掛かってしまうと今回のケースのように機会損失が大きくなってしまう。

かくいう私もこの世界に足を踏み入れて間もない頃は何も考えずそんなチラシを毎日巻いていた。だからこそ巻く側の気持ちも分からなくはないが、やはりダメなものはダメである。

そんなチラシが今だに私の自宅にも投函されている。もう何十年も変わらぬ手法。ここは変えていかなければならないところだろう。

そもそも、売却査定の基準はどこも同じだ。公示価格や基準地価、路線価や近隣販売事例といったもの。あとはどれだけ魅力を伝えられるかがプラスα。相場はそうそう変わるものではない。

しかも今やネットですぐに相場を調べられる時代だ。自分の自宅を買おうと思ったときいくらなら買うか?という視点でネットで検索をしてみるといい。買主様側の感覚を少しもてるのではないだろうか。厳しいがそれが現実である。

私の考え方は取引が終わったときに皆が良かったと思えることだ。

そのためには売主様にも買主様にも少しずつ協力していただく必要がある。

とくに売却をするとき、売値は売主様が好きにつけられるのだが、明らかに高い値段ではお受けしないようにしている。(土地のみなど、これから価値があがると思っているところは別。)

高くても欲しければ買う人はいる。という意見もあるが、私が今までお手伝いしてきたお客様の中にはわざわざ高くても買うという人はほとんどいない。なんとか相場の範囲で購入したいというものだ。

ほとんど、と言わせてもらったのは「隣地をどうしてもほしい」、「あとわずか土地が大きくなれば分割して売れるから高くても売ってほしい」「ここの場所でどうしても商売がしたい」といった売る理由がない人にこちらの都合で売ってもらう場合に限り、高くても買ってもらうこともある。

販売開始後、どのタイミングで「売却をする」と決断をするかについても触れておきたい。

(相場からずれていない範囲で)少し高めでだしたとしても、売り出してすぐに購入希望者がでてくることがある。

ここで勘違いしてしまうことがよくある。

「こんなにすぐ問い合わせがくるならもっと高くても良かったのではないか?」

「もう少し高く買ってくれる人がでてくるのではないか?」

そう思ってしまうことがある。確かにそう思ってしまうのはある意味普通のことなのかもしれない。

しかし、不動産の売却は実は売り出してすぐが一番高く売れる可能性がある。次に、広く広く情報が行き渡ったとき。なので、最初かしばらく経ってからか、ということになる。

理由は、売却の依頼があるとその物件を不動産流通機構に登録する。(専任、専属物件は義務)その登録した内容は不動産会社の人間しか見られない。その物件情報を見た全国の不動産会社の営業マンは自社に物件探しを依頼してくれている(購入意欲のある)お客様にまず紹介する。

そして、該当するお客様がいなかった場合、広告に掲載するということが多い。

このような流れから、「出るのを待ってた」「希望に近い物件ならば買いたい」という人が一番早く見に来るので出してすぐの方が高く売れる可能性が高いと言える。なによりずっと探している人は物件の希少価値を分かっており、購入する準備ができている。

物件がでてしばらくしてから問い合わせをいただくお客様は、「これから探していく」というお客様が多かったり、「参考に見てみようかな」という感覚のお客様が多い。ここで決めようという気持ちで見ることは少なく、もうすこし比較してから買いたいとなる。

比較するとなると、近隣の物件との比較や、過去の取引事例を見て比べることが多く、不動産屋さんにいけばこれらの情報を簡単に見ることができる。

なので、はじめのお客様とのご縁を大事にすることなく欲がでてしまうと、チャンスを逃してしまうことにつながってしまうのだ。

なかなか売れず、値段を下げなければいけなくなり

「一番最初に買うと言ってくれた人の価格が一番高かった…。」

とならないよう、しっかりと決断するときは決断していくことが大事である。

そして、売却を依頼するならその地域をしっかり知っている会社を選ぶことが機会損失を減らすことにつながる。

これから住まいを売却する、そんな方に参考にしてもらいたい。


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