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夢と現実のはざまの世界で

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詩を創っています。ちょっとしたセラピーです。夢でも現実でもない世界へようこそ。
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#冬

曇天の冬の森には

冷たい空気の中いつもの森へ向かう 曇天の寒い休日  いつもは多くの人々で賑わう場所も 今日ばかりはひっそりとしている 暗くて寒くて淋しい感じだったらと  出かける前にそんな思いが一瞬よぎったけど杞憂だった 曇天の冬の森は最高であった いつもより人々は少なく しかし確実にその場所が好きな人たちが佇んで座り込んで歩みを止めて  その瞬間を心から堪能していることが様子からうかがえる 灰色の空は暗い気持ちにさせられるどころか むしろ何かから守ってくれているかのようだ

あたたかいものを詰めこんで

空気がひんやりとして 枯れ葉の絨毯が町中にも広がりはじめると 人々が肩や首をすくめながら 歩く姿が増えてくると こっくりした味のものを食べたくなってくると ああ 冬が近づいてきたんだなと思う 日が暮れ始めると家に帰りたくなり マフラーや帽子や手袋で体を包みこんだり 温かい湯船にじっくりと浸かりたくなり 身の回りの冬支度を開始する 冬は寒くて暗いからこそ 人々は暖かさと明るさを求めるのだろう 町はイルミネーションが灯り 日頃はアンバランスなくらい派手な色彩を放って