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I, Daniel Blake 社会の在り方を考える映画

2016 Directed by Ke Loach, Screen play by Laul Lavety 7.8.2020 視聴

NYに住むダニエルは大工として長年のキャリアを築き、
妻が老衰で亡くなるまで幸せな生活を送っていた。

ところが、医師より心臓発作の診断を受け就労の制限を宣告されると、
その人生が一転する。

無収入になったことで、介護福祉の補助金を受けようと市の福祉課へ相談へ行く。

型どおりの対応しかしない職員に我慢ならず、
態度が悪いと指摘を受けつつ結果を待つと、要支援の認定試験に不合格であった。

この試験に不合格の場合は就労支援を申請するしなければならず、
医師からの就労禁止の宣告と反しなければならない現実に苦悶する。

ある日、福祉課で再申請の順番を待っていると、
2人の子供を連れたシングルマザーが職員と揉めている場面に立ち会う。

ロンドンから越したばかりの彼女は、NYの交通事情が分からず、
面談時間に遅れたのであるが、職員は規則違反だとして申請を受け付けない。

ダニエルはいてもたってもいられず、職員に怒鳴り彼女への支援金給付を訴えるも、
職員に追い出されてしまう。

そんな出会いから、身寄りのないダニエルとシングルマザー
一家の助け合いの生活が始まる。

正直で、真面目で、思いやりのあるダニエルは、
福祉課の求めるオンライン申請や必須事項の30回以上の就職面接をするも、
その活動履歴の提出ができなかったことで介護福祉の給付金が受けられないでいた。

その間にも貯金は尽き、容体は悪化し、事態は良くならなかった。

やっと担当医の助言で州の弁護士と面談し、
この不当な状況からすぐにでも脱出できると分かった頃、発作で倒れ息絶えてしまう。

ダニエルが言いたかったのは、

「私はダニエル・ブレイク。顧客でも、ゲストでも、カスタマーでもない。
隣人には優しく、真面目に仕事をし、税金をかかさず納めてきた尊厳ある個人だ。」

ということ。

インターネット社会で個人の顔が見えない世の中、
こうした悲劇がどの国でも起こっていることなのだと容易に想像できる。

効率だけを求めて弱者を切り捨てる社会であってはならない。

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