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続・ニホンという滅び行く国に生まれた若い君たちへ

16歳から始める思考者になるための社会学
秋嶋亮著 白馬社 2019/6/10出版 2023/3/16読了

言葉の解放なくして、人間の解放はない。

全209項に渡る概説として、「重層化する危機(マルチ・ハザード)」の脅威に晒されている若者に向け警鐘を鳴らす。
「軽薄」という社会病の感染を最も警戒すべきとし、自己超克が必要だという。
解決策を一切提示しないことにより、希望か絶望かという安易な逢着を否定し、現実凝視と自己対話の続行を強いる。

第1章 これから君たちは政府が消滅した時代を生きる
・国民の議会が廃止され外国の企業が政府になる
・ニホンは植民地主義に呑み込まれた
・移民社会は低賃金社会である
・国産の奴隷よりも安く使える外国産の奴隷が欲しい
・移民国家は犯罪国家になる
・水道の民営化によって政治家が手にする報酬の額
・白昼堂々と売春婦の募集車が行き交う

第2章 「政治が存在しないこと」について語ろう
・国会は国会議員が法律を作っていると錯覚させるための「劇場」である
・アメリカの政界にばら撒かれたおカネがニホンの法律を決定する仕組み
・歴史は政治家が金融家の下僕であることを語る
・国民を安売りすることで成り立つ経済
・考えないことを伝統とする社会
・国民の老後のおカネを戦争産業に貢ぐ最低の国になった

第3章 原発事故は終わっていない
・矛盾を受容させ思考力を破壊する
現代ニホンでは「文科省」が放射能は安全だと唱え、「環境省」が放射能ガレキを拡散している。
・検閲と宣伝によって成り立つ政府
土地本位制であるニホンの経済システムにおいて首都圏の汚染が周知されると、地価の暴落により株式や債権が紙屑になる。
国際の債務不履行を免れるためにも、「原発事故は終わった」というプロパガンダが用いられる。
・道徳と法律が同時に崩壊した
ニホン政府が引き上げた年間の被曝限度は、旧ソ連政府が定めた居住禁止基準の4倍である。
・戦時社会と酷似した同調圧力の下で
東北産の魚をレトルトパックにして給食にするプロジェクトが推進されている。
・チェルノブイリよりひどい汚染地帯に子どもたちを住まわせるな
・ニホンが世界の核処理場になると狂喜する新聞社
・人間の生命が羽毛のように軽い時代になった

第4章 メディアという意識の牢獄から抜け出す
・メディアが提供する虚構の共有によって社会は成立する
・国民は無知に沈められる
・対日支配の道具としてのテレビ
・ニホン人を「下等人種」にするためのプログラム
・身体ではなく精神を破壊する戦争
・この国では50歳の大人の政治知識が15歳の子どもと大差ない
・世界の投資マネーで潤う北朝鮮がニホンを攻撃する理由などない

第5章 生き残るために世界の仕組みを知ること
・国家は国民のためではなく資本のためにある
・だから戦争は永久になくならない
・気付いた時には戦争前夜
・やがて非国民という言葉が日常になる
・こうすれば憲法は簡単に改正できる
・鋳型でモノを成型するように学校で大衆を生産する
・宗教は普遍の支配ツールである

とんでもない極論だからこそ、立ち止まってもう一度考えたくなる。
いくら政治に興味のない人でも、ここまで言われたら待てよ、と反証したくなる。
遅すぎることはない。
現実に気付いてしまった今、より確かな知識を得て、力を蓄え立ち向かうしかない。

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