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さまよう刃 人間のモラルを考え直す本

東野圭吾著 角川文庫 10.5.2020 読了

数ページ目から少女が誘拐されレイプされるという、衝撃的な幕開けで始まる。

想像もできないほど残虐な罪を犯したのは未成年の不良達であった。
青少年保護法に守られた犯罪者に罪を償わせるのは難しく、
被害者の父は自身での報復を決意する。
事件に関わる誰もが被害者の父に同情し共感するものの、
殺人に全面協力できるはずもなく苦い思いをしながら応援し展開を見守る。

酷いことをしたのは誰か。

どうすれば罪は償えるのか。

被害者遺族の気持ちが晴れる方法などあるのか。

人間としてのモラルのみならず日本の司法制度にも疑問を投げかける作品。

私刑があり得ない世の中ではあるが、
私なら和佳子のように報復する者の助けをするだろう。
3年で出所できるような罪ではないのが明らかだから。
更生して社会に戻れる犯罪者と二度と戻らない被害者。
何を量っても比べられない。

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